2013年2月1日号 Last updated on January 15, 2013
特報
 セガサミーは韓国でも複合リゾート施設の開発を計画。

 ユニバーサル、スクリーニング目的の第三者委員会を設置した

海外
 中国・広州警察は押収した賭博機を破壊、広くPRした。

 ロシア議会、賭博中毒者の権利を制限するため法改正。

国内

 エスケイ、第3・四半期までの業績は減収減益。

 グリー、未成年者から超過徴収していたことを認める。


2013年2月1日号のニュースダイジェスト
写真は米国IAAPAエキスポ2012で、上はバレーダイナモ社の定番エアホッケー「ファイアーストーム」、下はロイヤル・トレイン・ライド社の赤と黒の機関車乗物。停止しているがタイヤ付きで、乗客を運ぶのが目的のアミューズメント乗物。


20年前の主なニュース

 ナムコは米国バリー社からゲーム場経営のアラジンズキャッスル社を買い取った。TVゲーム開発に関心を持つマイケル・ジャクソンがセガ社を訪れた。テクノスジャパンが新本社ビルを披露した。東京・歌舞伎町に増殖している賭博ゲーム場の「10円ゲーム」が注目されている。(1993年2月1日号)

30年前の主なニュース

 英国ATEはTVゲームが後退、コピーとギャンブル化が進む内容になった。警察庁の11月末調査で、賭博機とアミューズメントマシンを区分した。米国アタリ社は家庭用の不振で株価が大幅下落した。業務用コナミ「タイムパイロット」、任天堂「ポパイ」の欧州での販売はアタリ社が担当。(1983年2月1日号)



【ニユースダイジェスト】

 .セガサミーホールディングスは1月4日、韓国・釜山で大規模な複合リゾート施設を16年9月にオープンする見通しになったと発表した。釜山広域市が進めている最先端複合都市「センタムシティ」(敷地面積9,911u、延床面積148,879u)の開発計画の公募に応募、3日に落札したことによるもので、3,915億ウォン(約320億円)投資する計画。ホテル、ショッピングセンター、屋内型テーマパークなどの複合施設を、今秋設立する「セガサミー釜山」(仮称)が運営する予定で、まず4月に土地売買を契約、10月に着工して、16年6月に竣工、9月に営業開始する予定。セガサミーは宮崎市の複合リゾート施設「シーガイヤ」を運営するフェニックスリゾートを12年に子会社化しており、また韓国では5月にパラダイスグループと提携、仁川でカジノを含む複合型リゾート施設の計画を進めており、初めての分野にも積極的に進出する構えを示している。

 .中国公安局の基本方針により広東省公安局と広州警察はこのほど、広場に約300名の文化関係者とパンユー(番禺)地区の娯楽機器業者代表を集めて、「違法な賭場機を破壊し、風紀を正す」イベントを催し、参加者の見ている前で5,100台以上の違法な賭博機をブルドーザーのような機械を使って破壊した。「チャイナアミューズ」(遊芸風)が12月31日付で伝えた。それによると、公安警察は広州、パンユー、チョンシャン(中山)の各市で実施、1,560ヵ所で4,808件摘発し、21,787台の賭博機を押収、19,704人を逮捕した。広州市とその周辺都市で発達してきた業者協会も、製品に関して法を順守することだけが、長い目で見て発展するには絶対必要だと感じており、このイベントでもそう主張したとされている。また、北京や上海でも大がかりな摘発が行なわれたとのこと。http://en.chinaamuse.com/catalog/all_news/20121231/28_2012123114736769_1.html

 .【中国GTIアジア展2012の続き】出展した主な日系企業は、バンダイナムコゲームスのみで(中古品を扱う東基、フロックなどはある)、直前まで出展する予定だったセガ社、コナミのブースはなくなった。中国の主な出展社は、華立電子(ワーラップ)、世宇科技(UNIS)、龍城国際(ゴールデンドラゴン)、希利科技(シーリー)、金満鴻(キムマンホン)、富佳科技(ゲームプラス)、雄翔科技(スーパーウィング)、宏冠(マ・クラウン)など多数で、主に日本や米国で開発された製品が展示された(このためセガ社などの製品が出品されたように感じることもできる)。また米国のパーツ業者スーゾハップ社、台湾の元美(ユァンメイ)や韓国のシミュライン社なども出展しており、これら全体の展示面積、出展社数から、このショーが東アジアで有数の世界的アミューズメントエキスポであると評価することもできるが、中身は疑問符だらけである。

 .エスケイジャパンは1月11日、第3・四半期までの9ヵ月(3−11月)決算を発表、売上高は前年同期比5%減の62億4千2百万円、経常利益は27%減の1億3千8百万円、純利益は44%減の7千3百万円と後退した。キャラクターエンタテインメント事業の売上高は6%減の34億5千6百万円、営業利益は290%増の5千7百万円で、売上高のうちアミューズメント部門は28億円、販促部門は5億円、EC部門は3千万円だった。キャラクターファンシー事業の売上高は3%減の21億8千万円、営業利益は42%減の1億9百万円、2月に撤退する小売り事業の売上高は5%減の6億円で赤字だった。これらに伴い新年度から始まる5ヵ年の中期計画を発表、安定的収益が期待されるアミューズメント部門を「基幹事業」、また販促部門、キャラクターファンシー事業を「戦略事業」と位置付け、取り組む方針だ。

 .ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を通じてゲームを提供しているグリーは1月7日、未成年の利用者に対するサービス料を昨年4−9月、延べ733人に総額約2千8百万円を超過徴収していたと発表した。同社によると、未成年者に対する高額請求が問題になったため、昨年4月から15歳以下は上限5千円、16−19歳は同1万円に制限したが、9月に実施した利用実態調査によりクレジットカード決済している利用者については上限を超えており、10万円以上課金された利用者は約30人いたことが判明した。システムプログラム上、必要な上限フィルターを正しく設定していなかったことが原因で、正しく設定し直した9月7日以降この障害は解消した。しかし、これらの事実をこれまで公表してこなかったことについて同社は「お詫びする。今後は速やかな情報開示に努める」としている。

 .米国のウィンリゾーツ社(本社ラスベガス、スティーブン・ウィン会長兼CEO)は12月13日、岡田和生ユニバーサルエンターテインメント会長をウィンリゾーツ社の役員から解任するため、2月22日に臨時株主総会を開催すると発表した。同社によると、岡田氏がフィリピンで米国の海外汚職行為防止法(FCPA)に反する行為をしたことが、元連邦捜査局(FBI)のルイス・フリー氏調査により明らかであり、ネバダ州からカジノ運営の許可を得ている同社が今後も安定して経営を継続するためには、役員会のメンバーにとどまっている岡田氏の解任が必要だとのこと。この手続きを進めるに当たり、これまで12人だった役員を9名に(同意を得て)削減しており、さらに株主の3分の2以上の投票を得て岡田氏が解任されると8名になる。同社は最近ペンシルバニア、マサチューセッツ両州でもカジノ開設の許可を得ており、これらのカジノ許可を維持するためにも必要としている。

 .ユニバーサルエンターテインメントは1月7日、第三者委員会の設置を決め、10日にその選任メンバーを明らかにした。世界的なロイター通信社に続き、朝日新聞も12月30日に、フィリピンカジノリゾート計画に関する不正資金提供疑惑があると報道しているが、ユニバーサルとしては、いささかも合法性・合理性に揺らぐものではないとして、「第三者による客観性のあるスクリーニングを経ることにより、投資家その他のステークホルダーにより安心して」もらえると判断し、委員会設置を決めたと説明している。委員会メンバーは元警察庁警備局長で首相秘書官を務めたことのある金重凱之氏、大蔵省出身で元大阪証券取引所副社長だった弁護士の内田輝紀氏、同じく大蔵省出身で自民党の衆参議員を務めたことのある弁護士の浜田卓二郎氏の3名。委員会は今後、調査の期間、範囲、方法の詳細を決めていくとしている。

 .ロシア議会はこのほど、ギャンブル中毒者を法的無能力者と規定する法改正をしたことが明らかになった。ウラジミール・プーチン大統領が1月4日に署名して成立、近く施行される見通しになっている。ギャンブル中毒や、アルコールなどの薬物中毒により、家族や家計を困難にする者は、権利と自由を制限されるというもので、これら中毒者と認められると個人収入は後見人の下ですべて管理され、必要と認められた日常経費だけ支出が認められる。同様の法改正はウクライナでも実施された。ロシアではあらゆる犯罪や家計破滅などの悲劇が起こる原因となる、ギャンブルとの戦いを09年以来進めており、ウラジオストックなど国境近くの4地区のみにカジノ開設を認めるが、それ以外の全土でカジノ、賭博場を全面禁止している。今回の法改正により、国内の違法カジノは深刻な打撃を受けると見られている。

 .山口県下関市が12月26日、関門海峡に面した市有地で開発中の「アルカポート」に設ける遊園施設の開発事業を担当する泉陽興業と事業協定を締結したことが分かった。計画によると泉陽興業は市から8,000uの土地を借り受け、1月17日に着工、高さ約60mの観覧車や子ども向けローラーコースター、回転ブランコ、メリーゴーランドなどの遊園施設と屋内ゲーム場を設置、9月にも開業する予定。入場無料で、遊園施設の利用は有料。年間約50万人の利用を見込んでいる。「アルカポート」での遊園施設開発事業者については、12年1月に公募、2社が応募したが3月に1社が辞退した。泉陽興業は大阪・天保山の大観覧車や東京・葛西臨海公園など遊園施設設置運営の実績があるとして、12年3月に採用が内定していたが、正式契約は遅れていた。

  

 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。