2011年12月1日号Last updated on November 15, 2011
特報
 オリエンタルランド、通期は過去最高の業績予想。

 バンダイナムコ、中間期は黒字回復、業務用売上高もアップ。

海外
 ロシアで多数の違法カジノ、賭博遊技場が摘発された。

 米国WMS社とバリー社が透過リール特許訴訟で和解した。

国内

 コナミの上月景正会長兼社長が旭日中綬章を受けた。
 
 ラウンドワンの中間期は好調で、通期予想も上方修正。


2011年12月1日号のニュースダイジェスト
写真は9月のAMショーにて、上は加賀アミューズメントの小間で、一定タイム内にハンドルをまわして操作する、こまやの子ども向け「ハンドルクレーンおかしのおうち」、下はホープの小間で、液晶モニターを見ながら東京−大阪間を運転する「わんぱく新幹線N700」(12月出荷予定)。


20年前の主なニュース

 NSAは遠藤嘉一氏「スポーツランド」開設60周年を記念する催しを開いた。米国バリー社は賭博機部門を独立、新会社としてスタートさせた。コナミがPCエンジン用ゲームソフトに参入を発表した。AOU健娯推進委は日本物産のTVクイズ機「クイズでデート」を自主規制対象機に指定した。(1991年12月1日号)

30年前の主なニュース

 甲府地裁はセガ社「フロッガー」を著作物として扱い、無断コピー品の販売を禁止する仮処分を出した。タイトーは米国生まれの「クイックス」を新作展で披露、ナムコは「ボスコニアン」を発表した。ユニバーサルは「レディバグ」を世界同時発売する。米国バリー社は50周年事業を開始した。(1981年12月1日号)



【ニユースダイジェスト】

 1.オリエンタルランドは11月4日、9月中間決算(4−9月の第2・四半期までの6ヵ月)を発表、売上高は18%減の1,481億円、経常利益は26%減の203億円、中間利益は46%減の86億円だった。部門別ではテーマパークの売上高が16%減の1,222億円、営業利益が23%減の182億円、ホテルの売上高が28%減の165億円、営業利益が38%減の29億円、その他の売上高が15%減の92億円、営業損失が8億円(前年同期は6億円)。東日本大震災の影響により第1・四半期(4−6月)が大幅な減益になったためで、第2・四半期(7−9月)のみの売上高は5%増の995億円、営業利益は60%増の234億円と、過去最高の営業利益になるほど急回復している。12年3月期の業績予想は震災の影響で延期してきたが、売上高3,431億円、経常利益550億円、最終利益294億円と過去最高の利益を見込まれている。

 .バンダイナムコHDは11月2日、9月中間決算を発表、売上高は12%増の1,942億円、経常利益は219%増の159億円、中間利益は80億円(前年同期は19億円の損失)と黒字回復した。部門別ではトイホビーの売上高が13%増の816億円、営業利益は27%増の89億円、コンテンツ(業務用と家庭用)の売上高は21%増の867億円、営業利益は53億円(前年同期は26億円の損失)、ゲーム場の売上高は1%減の313億円、営業利益は25%増の18億円、その他の売上高は32%増の115億円、営業利益は143%増の10億円だった。コンテンツ売上高のうち業務用は39%増の338億円、家庭用は2%増の280億円、その他調整が249億円。国内直営店は6増11減の9月末212店だった。

 .コナミは11月4日、第2・四半期までの累積業績(9月中間決算・米国基準)を発表、売上高は6%増の1,230億円、営業利益は151%増の201億円、株主帰属の純利益は173%増の114億円と好調だった。部門別でデジタルエンタテインメントの売上高が9%増の581億円、営業利益は226%増の151億円、ゲーミングの売上高が14%増の105億円、営業利益が11%増の28億円、遊技機の売上高が33%増の133億円、営業利益が7%増の37億円、健康サービスの売上高が5%減の415億円、営業利益が44%増の10億円。デジタルエンタテインメント売上高の内訳は、家庭用が36%減の170億円、SNSが231%増の169億円、eアミューズメントが14%増の111億円、カードゲームが23%増の125億円。12年3月期業績予想は売上高2,580億円(変わらず)、営業利益330億円(5月の前回予想では260億円)、最終利益185億円(140億円)と上方修正した。

 .政府は11月3日付で2011年秋の叙勲受章者を発表、産業分野ではコナミの上月景正会長兼社長(71歳)が旭日中綬章を受けたことが分かった。コナミとCESAなど業界団体を通じて産業振興に貢献した功績が認められたことを示すもので、92年8月と11年1月の紺綬褒章受章、06年11月の藍綬褒章受章に続く叙勲受章となる。上月氏は40年11月京都生まれで、69年3月に創業、73年3月にコナミ工業(現コナミ)を設立、CESAの初代会長になるなど家庭用、業務用ゲーム機産業に多大な貢献をした。健康サービス産業、ゲーミング産業への貢献も知られている。業務用AM業界関係では77年4月に日本娯楽機の遠藤嘉一社長が勲五等双光旭日章を、07年4月にナムコとバンダイナムコゲームスの中村雅哉名誉相談役が旭日小綬章をそれぞれ受けたのに続くものとなる。

 .タイトーの親会社、スクウェア・エニックスは11月4日、9月中間決算を発表、売上高は16%減の575億千6百万円、経常利益は53%増の53億8千6百万円、中間利益は115%増の37億4百万円と減収だが増益だった。分野別ではデジタルエンタテインメントの売上高が16%減の294億円、営業利益が20%増の77億円、アミューズメント(業務用とゲーム場運営)は売上高が10%減の210億円、営業利益は5%減の18億円、出版の売上高が23%減の58億円、営業利益が28%減の14億円、許諾その他の売上高は36%減の11億円、営業利益が52%減の2億円。家庭用が好調で、ウェッブ、スマートフォン、SNS向けのコンテンツの課金収入も順調だった。同社は今期「グループ再構築に全力を注ぎ、13年3月期より本格的な業績回復を目指しいいく」と説明している。

 .ラウンドワンは11月10日、9月中間期を発表、売上高は11%増の459億9千8百万円、経常利益は123%増の69億5千万円、中間利益は24億3千万円(前年同期は55億6百万円の赤字)と黒字に戻した。売上高のうちアミューズメントは8%増の189億円、ボウリングは10%増の165億円、カラオケは29%増の41億円、スポッチャは8%増の47億円、その他は16%増の16億円だった。店舗数は国内が1増の110店と米国1店。有利子負債の削減を進めるため、店舗不動産を所有から賃貸に切り替え中であり、特別損失が生じている。12年3月期の業績予想は、売上高895億円(5月の前回予想では880億円)、経常利益110億円(80億円)、最終利益33億円(変わらず)と上方修正した。

 .アドアーズは11月11日、9月中間期を発表、売上高は3%減の122億円、経常利益は67%増の7億8千2百万円、中間利益は371%増の8億7千3百万円だった。国内ゲーム場は10店減の9月末70店。今年6月からカプセル自販機によるベンディング事業を開始、また9月からマカオで海外店を開設している。事業別で、ゲーム場の売上高は2%減の95億円、営業利益は88%増の10億円、ホール設計・施行の売上高は4%増の23億円、営業利益は54%減の1億円、遊技機周辺機器のレンタルの売上高は86%減の2千万円、営業利益は79%減の5百万円、不動産の売上高は21%減の4億円、営業利益は93%減の9百万円となっている。

 .ユニバーサルエンターテインメントは11月4日、9月中間決算を発表、売上高は264%増の418億円、経常利益は220億円(前年同期は24億円の損失)、中間利益は204億円(36億円の損失)と増収で黒字回復した。8月発売のパチスロ機が7万台売れたためで、遊技機の売上高は292%増の405億円、営業利益は35倍の217億円に、その他の売上高は4%増の14億円、営業損失は5百万円(3億円)になった。米国ウィン・リゾーツ社の筆頭株主としてその19.6%の株式を所有しており、持分法による投資利益36億円を計上した。

 .ロシアでは09年7月以来、沿海州など4ヵ所の特別地域を除いて、カジノ(公認賭博場)は全面禁止となっているが、これまで3,900ヵ所の違法カジノと25,000ヵ所以上の賭博遊技場を摘発・閉鎖してきた、とセルゲイ・イワノフ・ロシア検察総長が明らかにした。ノーボスチ・ロシア通信が報じた。1,100件の摘発に伴い、ルーレットやブラックジャック・ポーカーテーブル、スロットマシンなど39万点の賭博用機具と9千百万ルーブル(米ドルで3百万ドル相当)の現金が押収された。今年2月には、違法カジノのオーナー、イワン・ナザロフとその従業員、そして違法営業の警備に当たっていた3名の警察官が摘発、8月まで拘留、起訴されて、大きな社会問題となったとのこと。警察官と違法カジノ・賭博遊技場の関係は検察庁によって暴かれ、権力内での対立も目立ち始めているという。

 10.世界的カジノ機器メーカーである米国WMS社とバリーテクノロジーズ社は11月9日、ちょうど1年間争ってきた特許訴訟を和解によって終わらせるとともに、バリー社はWMS社とアルゼ・ゲーミング・アメリカ社が持つ、TVスロットマシンの「トランスミッシブリール」(透けて見えるリール)技術特許の許諾を受けることになった、と発表した。和解金など、これ以上の具体的な和解条件は明らかにされていない。なお関係者によると、これと別の訴訟で最大手のインターナショナル・ゲーム・テクノロジーズ社(IGT)が10月6日に、バリー社に対し控訴審で勝訴した(IGT社はバリー社の「パワーリウォード」などで、ボーナスを支払うというIGT社の2件の特許を侵害されたと訴え、裁判で容認された)ことが、今回の和解につながったとされている。

 11.米国カリフォルニア州にある連邦地裁はこのほど、ピザチェーン「チャッキー・チーズ」店でCECエンタテインメント社が運営しているゲーム機は同州刑法に違反しているとして、サンディエゴの2女児の母、デニス・ケラーさんが今年3月末に提起した損害賠償請求訴訟に関して、訴えを却下したことが分かった。ケラーさんが問題にしたゲーム機は一般にSCロケなどで使用されているリデムプションゲーム機などで、プレイヤーがそれぞれのゲーム機の「遊技の結果を予測または支配することができない」ので違法であり、州刑法330a、330bに反すると主張していた。訴えに対しCEC社側は、同州と他の州でゲーミング機と規定されるスロットマシン類と、これらのリデムプションゲーム機はまったく異なるほか、正当な業務を曲解していると反論していた。

 12.ナムコは11月1日、男児向け遊戯施設「仮面ライダーアクションスタジアム」(約200u)を「ナムコランドイオン大高店」(名古屋)と「ナムコイオンモール鶴見緑地店」(大阪)内に設け、17日から期間限定(それぞれ1月下旬まで)でオープンする、と発表した。東映と共同企画したもので、昨年度3ヵ所に導入した「仮面ライダーアクションスタジアム」が好評だったので、コンテンツを新キャラクター「仮面ライダーフォーゼ」バージョンに一新して展開するもの。対象は3−8歳、約6ヵ所のエアー遊具&ミニアトラクション、フォーゼなりきり写真コーナー、グッズ販売コーナーで構成、入場料制(一人千円、2歳未満と保護者は無料)で運営、フォーゼなりきり写真は1回1,500円としている。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。