2011年10月1日号Last updated on September 15, 2011
特報
 イオンファンタジーの業績が回復、中間期予想を上方修正した。

 コナミはグループスを相手に知的財産権保護の訴えを起こした。

海外
 米国AAMAの総会後、「ギャラ」という名の展示会が開かれた。

 米国家庭用ゲーム雑誌のキュンケル氏が惜しまれている。

国内

 ナムコは「知好楽」から撤退、ランシステムに売却した。
 
 セガ社も12月からコンビニくじに参加する。


2011年10月1日号のニュースダイジェスト
写真上はGTI広州11にて、上は華立科技(ワーラップ)社の小間で紹介した同社のレーシングゲーム「ストームレーサー」(雷動)、下はコナミの音楽ゲームを紹介した尚瑩科技(サンウィング)社の小間で出品されたレーシングゲーム「環状ファーストビート」(メーカーは不詳)。



20年前の主なニュース

 米国のオペレーター協会主催のAMOAエキスポが開かれ、ミッドウェー社「ターミネーター2」などTVゲーム新作が多数披露された。JAMMA健娯委は基準に抵触する一部業界誌を問題にした。AOU健娯委は「野球拳」などの自主規制を検討した。マル三商会元社長、河合三氏が死去した。(1991年10月1日号)

30年前の主なニュース

 セガ社は、「アストロブラスター」で初の著作権移転登録を行なった。JAMMAは、コピー対策で裁判含む方針を打ち出した。AMショー委員会は、クレジットの得喪を争う遊技機の出品禁止を決めた。パチスロメーカー協会主催の初の「オリンピアマシンショー」が東京・上野で開かれた。(1981年10月1日号)



【ニユースダイジェスト】

 .イオンファンタジーは9月9日、東日本大震災の影響により明らかにしていなかった8月中間期(3−8月)の業績予想を、売上高208億円、経常利益15億5千万円、中間利益6億9千万円と発表した。震災後休業していた店舗が営業再開とともに、5月以降急速に回復したので、見通しが立ったとしている。これとともに同社は、通期(3―12年2月)業績予想を売上高423億円(4月の前回予想では407〜411億円)、経常利益32億円(24〜26億円)、最終利益15億円(9億〜10億5千万円)と大幅に上方修正した。今年3〜8月の期間中、同社店舗は4増4減で変わらず、8月度は「ファンタジーキッズガーデン」など時間制遊具グループの既存店売上高伸び率が10%を超えたとしている。

 .コナミデジタルエンタテインメントは9月5日、潟Oループス(gloops、旧GMS、本社東京都港区赤坂、梶原吉広社長)を相手取って東京地裁に提訴した。それによると、コナミは11年3月からソーシャルゲーム「プロ野球ドリームナイン」を配信、100万人以上の登録者を得ているが、8月29日にGMSから社名変更したグループスが、8月18日以後配信しているソーシャルゲーム「大熱狂!プロ野球カード」は、コナミの「プロ野球ドリームナイン」の知的財産権を侵害していると考えられるので、その旨グループスに警告したが、真摯な態度が見られなかったため、これまでの侵害についての責任を追及するとともに、権利侵害防止を目的として提訴するに至ったとのこと。具体的には差し止めおよび損害賠償を求める、としている。

 .ナムコは9月2日、インターネット空間「知・好・楽」を9月下旬に順次閉店することを明らかにした。「知・好・楽」は2000年12月にオープンした名古屋・納屋橋店を皮切りに、愛知・関東地区で展開した、時間制の漫画喫茶・インターネットカフェ事業で、店内の区画でインターネットが利用できるほか、店に備えている雑誌・漫画などを自由に閲覧できる、くつろげる空間だったが、このほど市場から全面撤退することを決めたもの。これまで営業してきた名駅前、横浜西口、西川口、巣鴨、神田北口、赤坂、雷門、新小岩、新横浜の9店は9月20〜28日に閉店する。一方、インターネットカフェ大手のランシステム(東京・池袋、浜田文孝社長)は2日、これら「知・好・楽」9店をナムコから9千6百万円で買い取り、ランシステムの「スペースクリエイト自遊空間」(じゆうくうかん)として営業していくと発表した。

 .アドアーズは9月2日、準備を進めていたマカオの(カジノでない)ゲーム場、「アドアーズ・サンズ・マカオ」をこの日オープンしたと発表した。このため現地子会社を昨年7月に設立、今年2月には増資して開設費用を調達し、2月上旬に開業する予定だったが、マカオ当局による許認可などのためこのほどやっと開業になったもの。米国ラスベガスにあるサンズ社の子会社、ベネシアン・マカオ社が経営するマカオのカジノホテル「サンズ」の入口部分の2階の340uにクレーンゲーム機26台、写真シール機3台、体感ゲーム機6台を設置、11時から23時まで営業する。アドアーズは初年度売上高を1億7千万円相当と見込んでいる。フロアの賃貸費用や人件費などにもよるが、一般にプレイ料金の小さな海外市場で日本式のゲーム場運営がはたして成功するか、注目されるケースになるもよう。

 .セガ社は12月から「くじ」事業を展開する、と9月2日発表した。セガ社が展開する「ラッキーくじ」は、全国のコンビニエンスストアで販売されるくじを引くと、その結果に応じて人気キャラクターを使ったオリジナル賞品が当たるというもので、外れくじはない。第1弾は「らき☆スタ」をテーマにした、フィギュアなどの賞品を用意して、埼玉県を中心としたエリアのコンビニエンスストアで、一回500円の料金で実施する予定。コンビニくじは03年以来着実に市場を拡大しており、セガ社ではゲーム場向け景品ビジネスで培った企画開発のノウハウを活かしてさらに販路を広げる、としている。コンビニくじにはゲーム業界から、バンプレストが先行、タイトーが今年2月から展開しており、これにセガ社が続くことになる。

 .米国の業務用AM機メーカー協会、AAMAは8月15日から数日かけて定時総会と、小さな展示会を開催した。総会ではデビット・コーヘン前議長に代わり、AMIエンタテインメント社のジョン・マーゴールド上級副社長が議長(任期2年間)に選ばれたほか、執行部態勢を更新した。「ギャラ」と呼ばれる展示会には19社が出展、200人が参加した。主な出品機はセガ社「オペレーション・ゴースト」、ナムコ「パックマン・バトルロイヤルDX」、「デッドストーム・パイレーツ」アップライト、スペキュラーインタラクティブ/ロースリルズ社「ダーティードライビン」、インクレディブルテクノロジーズ社(IT)「ゴールデンティーライブ2012」など。米国の展示会は伝統的なAMOAエキスポとAAMAのASIが09年に終了、10年から両協会による春のAMエキスポだけになっている。

 .米国家庭用TVゲーム専門誌、「エレクトロニック・ゲームズ」の創始者の一人であり編集局長のビル・キュンケル氏が9月4日、心臓麻痺によりミシガン州にある自宅で死去した。1978年にTVゲーム専門記者となり、巨大なTVゲームブームのさなかの81年に「エレクトロニック・ゲームズ」の創刊メンバーになった。業界外からの攻撃に対しジャーナリストとして業界擁護に立ち上がっただけでなく、例えば「イースターエッグ」(隠れキャラクターのこと)、「プレイメカニック」、「スクリーンショット」などのゲーム専門用語を作ったとされている。40年ほどの間に家庭用ゲーム雑誌は何種類も発行されたが、継続して残っているのはわずかで、その中で「ゲームドクター」の愛称で親しまれてきた同氏の死が惜しまれている。

 .ネクストジャパンHDは9月13日、11年7月期決算を発表、売上高は3%増の40億7千9百万円、経常損失は4億8千6百万円(前年同期は1億9千4百万円)、当期損失は4億9千3百万円(2億千2百万円の黒字)だった。同社はアドアーズの33%の株式を所有しており、その持分が加算されている。うちゲーム場(JJクラブなど直営店は2減の5店)は売上高が10億3千万円、営業利益が2千3百万円、景品販売は売上高が23億8千8百万円、営業利益が1億6千5百万円、投資・不動産は売上高が6億5千9百万円、営業利益が2億2千8百万円。12年7月期は売上高35億円、経常利益1億7千万円、当期利益1億6千万円を見込んでいる。また同社は、元検察官で現弁護士の石川達紘氏(72)を非常勤顧問として採用したことも明らかにした。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。