2011年5月1日号Last updated on April 15, 2011
特報
 東京ディズニー、大震災などで一時休業し、業績に影響も。

 イオンファンタジー、営業復旧店でまずプロジェクト展開。

海外
 4年後開業めざし中国・上海のディズニーランドで着工式。

 ロシアの不振・辺境カジノで許可ゾーンを一部変更。

国内

 警察庁調べ、遊技機賭博と「8号営業」の現状。

 旭川のダイワ貿易が事業停止、弁護士に一任。


2011年5月1日号のニュースダイジェスト
写真はロシアで開かれた第4回AM機器・遊園施設展示会、EAAPA2011(2月16−18日、モスクワ)のようすを示すEAAPAウェッブサイトの広報用写真から。日系出展社としてナムコアメリカ社とセガ・アミューズメンツ・ヨーロッパ社が出展している。来年は2月15−17日に開催される予定。(Copyright Eurasian Amusement Parks and Attractions Expo)


20年前の主なニュース

 米国連邦地裁は予備的禁止命令で、テンゲン社がNES用カートリッジで任天堂の著作権を侵害している、との判断を示した。役員会社が賭博事件で摘発されたため、富山県のオペレーター協会は解散した。サノヤスは2子会社を統合、サノヤス・ヒシノ明昌となった。アミューズメント通信社は法人になった。(1991年5月1日号)

30年前の主なニュース

 「サターン・オブ・サターン」のコピー基板を無断輸出すべく不当オファーをした日本セミコンとマイクロデバイスが、新日本企画(SNK)に謝罪した。サンリツ技研は「ジャンピューター」を4社に製造許諾した。タイトーはゲーム場用プリペイドカードシステムを、京都の直営店で初めて使用実施した。(1981年5月1日号)



【ニユースダイジェスト】

 .オリエンタルランドは4月1日、東京ディズニーランド(TDL)と東京ディズニーシー(TDS)の2010年度(4−3月)合計入園者数は、前年同期比1.8%減の2,536万人だったと発表した。3月11日発生した東日本大震災の影響を直接受けたもので、12日以後休園となり、09年度365日あった営業日数は、83年の開業以来最も少ない345日となり、5.5%も減少した。年間を通じて好調だった業績は、年度末を前に突然起きた大震災の影響を受けた。TDL、TDSとも安全性は確認され再開可能な状態になったままだったが、うちTDLは当面8〜18時(通常11時まで)と営業時間を短縮して4月15日に営業再開すると12日に発表した。屋内照明の使用抑制など節電対策を全面的に実施する。パスポート料金は変更なし。TDSも早期再開を目指すとしている。

 .中国共産党上海市委員会、上海申迪集団、米国ウォルトディズニー社のトップが4月8日に集まり、中国の民族衣装を着たミッキー、ミニーマウスらとともに「上海ディズニーランド」の着工式が行なわれた。史上最多の7千3百万人の来場者を記録し昨年10月に閉幕した上海万博に続く巨大プロジェクトとなるもので、2015年開業を目指している。建設地は市東部にある浦東空港近くの浦東新区で、245億元(約3千2百億円)を直接投資(関連投資は160億元)し、テーマパークと人造湖、ホテル2ヵ所、複合施設を建設する。着工式に出席したウォルトディズニー社のロバート・アイガー社長兼CEOは、「中国は二つのディズニーランドを運営できる」と語った。上海ディズニーランドは世界で6ヵ所目、アジアで3ヵ所目のディズニーランドとなり、東京、香港と競合することになる。

 .警察庁保安課は4月7日、10年中の風俗事犯の概略を発表、遊技機使用の賭博犯は118件(前年は93件)、777人(742人)検挙し、賭金1億4千7百万円(1億4百万円)を押収した。うち暴力団が関与していたのは61%に当たる72件、48%に当たる371人だった。宮崎県で10年1月、「パチスロ遊技機を使用し1点20円で換金可能な点数を賭けて画面に現れる絵柄の組み合わせにより勝負を争う方法により賭博をさせた」経営者らを常習賭博で賭客を賭博で検挙、遊技機20台などを押収した、などの3事例を掲げた。風営法で公安委員会の許可を要することになっている「8号営業」(ゲームセンター等)の営業所数は昨年12月末現在、7%減の7,137店(7,662店)、遊技設備の設置台数は2%減の473,601台(484,804台)だった。

 .イオンファンタジーは4月5日、11年2月期決算を発表、売上高は3%減の422億4千5百万円、経常利益は11%増の26億百万円、当期利益は11%増の12億5千6百万円と減収増益だった(期末は2月20日)。部門別売上高は遊戯機械によるものが4%減の333億円、商品(物販)が1%減の87億円、委託が5%減の1億円で、遊戯機械関係は3%減の計422億円。店舗は国内直営店が16店減の320店、フランチャイズ(FC)は変わらず3店、海外は直営(中国)が2店増の3店、FC(香港、マレーシア)が2店増の22店。幼児を対象とする「ファンタジーキッズガーデン」の導入を進めた。12年2月期の業績は大震災による影響を受け、売上高が407〜411億円、経常利益が24〜26億円、当期利益が9〜105億円と幅を持たせて予想している。

 .イオンファンタジーは4月4日、東日本大震災に伴う被災地での店舗の休業、営業回復状況を発表するとともに、営業を再開した店舗で一部施設を2週間、無料開放する「げんき!えがお!プロジェクト」を実施していることを明らかにした。4月4日現在で休業中の店舗は、「ファンタジーアイランド盛岡店」など岩手3、宮城11、福島6の計20店。「プロジェクト」はファンタージーガーデンやボールプールなど時間制の施設、メリーゴーランドと同社指定の乗物を無料開放するもので、すでに営業再開している岩手3、秋田1、山形3、宮城3の計10店で実施している。現在休業中の店も安全確認が終了後、順次営業を再開し、「プロジェクト」を実施する予定。

 .ロシアのウラジミール・プーチン首相はこのほど、カジノ(公認賭博場)営業が可能な地域をごく一部変更したもようだ。ロシアでは06年に制定した法律で、09年7月以後カジノを全面禁止し、沿海州など4ヵ所の特別地域しか営業できなくなったが、結局ウクライナとの国境に近いアゾフシティに小さな「カジノオラクル」があるだけで、他の3ヵ所はいずれも便利が悪すぎて、カジノがひとつも設置されていない。アゾフシティのうち狭義のアゾフシティ、ロストフ、クラスノダールの3地区で営業可能としてきたが、ロストフ地区を投資可能な黒海に面した地区と入れ替えることを、昨年末になって決めたというもの。ロストフ地区の役人はロシア政府の決定に反対だが、プーチン首相はこの一部変更を押し通すと見込まれている。

 .タイトーが業務用機器の販売先の親睦会として、90年1月から続けてきた「TIT親和会」(内田慎一会長、会員数210社)は2月17日、東京で開かれた総会で「一時休眠」することを決め、事実上終了したことが判明した。タイトーによると、TIT親和会の主な活動とされてきた店長研修会や講習会への参加人数が減っており、会としての機能維持が困難になったため、その活動を一時休止するというもので、あくまでも一時的なもので近いうちに再開したいとのこと。

 .ゲーム場を展開したことのある潟_イワ貿易(北海道旭川市東光、田中博徳社長)が、3月31日に事業を停止し、事後処理を弁護士に一任したことが分かった。負債は4億9千3百万円。田中亀雄会長が1971年4月に創業、75年に法人化した会社で、主に旭川市内でパチンコ店を運営、事業拡大に伴ってゲーム場、カラオケ店などを加え複合施設経営へと発展、ピーク時の96年10月期には75億円の売上高があった。しかし、パチンコ店経営の大手が旭川に進出してきたため、客を奪われたことから急速に経営が悪化し、ゲーム場などから撤退、パチンコ店2店だけになり、2010年10月期の売上高は約6億円にとどまっていた。田中亀雄氏は北海道のオペレーター協会長、AOUの運営委員や北海道地区協会長だったことがある。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。