2010年10月1日号Last updated on September 15, 2010
特報
 GTI広州展は市場拡大を反映し大規模化しつつある。

 AMショーでタイトーはコンテンツダウンロードを発表した。

海外
 ロサンゼルス郊外にラウンドワン海外1号店がオープンした。

 ニューヨーク州ビーコンの町でアーケードがまだ規制されている。

国内

 セガ社、パンナムはICカードの共通化を発表した。

 AMショーでゲームの3D化が注目されている。


2010年10月1日号のニュースダイジェスト
写真はAMショー10にて、上はバンダイナムコゲームスの小間で「機動戦士ガンダム・エクストリームバーサス」を、下はセガ社の小間で「戦国大戦」を、それぞれ試しているようす。

20年前の主なニュース

 米国アタリゲームズ社はニューヨークで新作展を開催、任天堂、セガ社、カプコンはそれぞれ西海岸で新作展を開いた。初心会の主催で任天堂の家庭用ゲーム展が開かれた。ナムコは英国デイスレジャー社に「コズモギャングズ」を許諾した。風営法で定める届出手続きが一部改善された。(1990年10月1日号)

30年前の主なニュース

 データイーストは本社移転と同時に、カセットでTVゲームを交換する「デコカセ」システムを発表した。SCと繁華街のゲーム場を展開するマル三商会が、一年以上にわたる再建策に失敗し、神戸地裁に和議申請した。占い機「アストロクラフト」の開発が発表された。(1980年10月1日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.今年のAMショー(9月9−11日、幕張メッセ2ホール)は出展規模を縮小したが、主催者の発表によると来場者数は前年並みだった。ショー出品機の特徴は、3Dテレビに対応した3Dゲームの出品が増えたことで、バンダイナムコゲームスは「デッドストームパイレーツ3D」(来春出荷予定)、「マキシマムヒート」(同)を参考出品し、加賀アミューズメントはメガネなし3D対応のシステム基板「Y3」を出品した。一方、AMショーに出展しないコナミデジタルエンタテインメントは近く3Dの「メタルギアアーケード」、「ロードファイターズ」を予定している。立体感のある「戦場の絆」が長期間、強い人気を保っており、こうした3DのTVゲームが成功するのかどうかが気になるところだ。なお基板タイプのTVゲームの紹介はわずかになった。

 2.
タイトーはAMショーの同社小間で9月9日、業務用TVゲームのコンテンツをダウンロードする新システム、「NESiCA×Live」(ネシカクロスライブ)を開発、12月に出荷すると発表した。同社のネットワークシステム、NESYS(ネシス)に基づき、(タイプX/X2対応の)基板タイプのゲームコンテンツをゲーム場にダウンロードするシステムで、ゲーム回数に応じてオペレーターに課金する方式を採用し、共通のICカード「NESiCA」も利用できるようにする。対応ゲームコンテンツの1作目はアークシステムワークスの「ブレイブルーコンティニュアムシフトU」。またアトラス、SNKプレイモア、ガルチ、グレフ、サクセス、冒険企画局、モス、童も、新旧のコンテンツを供給する予定とのこと。

 3.
セガ社とバンダイナムコゲームスは9月9日、ゲーム場で使用するネットワークゲーム用のICカードシステムを共通化することで合意した、と発表した。ICカードを利用するTVゲームでは、これまでそれぞれのゲーム(やキャラクター)ごとにカードが必要だったが、新システムでは1枚のカードで対応機種のすべてのゲームのデータを保存でき、利便性が向上するだけでなく、ゲームごとに完結していたデータを関連付けるなど、新しい楽しみ方も生まれると説明している。このためセガ社は11月出荷予定の「戦国大戦」から新カードシステム「Aime」(アイミー)を導入、バンダイナムコゲームスも同様のシステムを来年導入、相互にデータ保存(読み取り)できるようにする。カード登録しておればカードの再発行、データ復元も容易になる。

 4.
〔AMショー10出品機の続き〕最大小間のセガ社は「ボーダーブレイク・エアバーストver.2.0」(10月)、「戦国大戦」(11月)、「シャイニングフォース・クロスレイド」(12月)、「頭文字アーケードステージ6AA」(3月)などを披露、「ペンゴ!」を参考出品した。バンダイナムコゲームスは「機動戦士ガンダム・エクストリームバーサス」(9月)、「太鼓の達人14」(同)などを紹介、1−4人用の「パックマンバトルロイヤル」を参考出品した。タイトーは「超・ちゃぶ台返し!その2」(10月)、「ダライアスバースト・アナザークロニクル」(12月)、「ミュージックガンガン!2」(1月)、「バトルホイール・スピンギア」(来春)を出品、「ザ・テーブルクロスアワー」、「ソニックブラストヒーロー」を参考出品した。マインズは韓国ラッセン社「バルカンM」を紹介した。

 5.
GTIアジア・チャイナ・エキスポ2010(台湾電玩ほか共催)は8月26−28日、中国・広東省広州市海珠区にある国際展示場で開かれ、7カ国から135社が約1,020小間に出展、各地から3万人以上の業者らが集まったとされている。中国の主な出展社は華立(ワーラップ)、世宇(UNIS)、凱昌、希力/城市英雄、宝輝など110社で、日米の許諾品や、そうでない製品など多数出品した。日本からは今回初めてバンダイナムコゲームスが出展し、注目された。中国のゲーム機市場はここ数年急速に拡大しており、80年代初めの日本のような活況を呈しているが、中国市場が向かう方向性や情報の整備など課題は山積している。

 6.
ラウンドワンは8月27日、米国西海岸に海外第1号店をオープンしたことを明らかにした。場所はロサンゼルス郊外(アナハイムの北)のシティ・オブ・インダストリーにあるショッピングモール、「プエンテ・ヒルズ・モール」の2階の約5,600u。26レーンのボウリング設備、200台以上のアーケードゲーム機とシール機、9室のカラオケルーム、ダーツ設備などを設けている。ボウリング設備を納入したブランズウィック社は9月2日、ラウンドワンに優秀賞を贈ったと発表した。ラウンドワンは国内(その多くは繁華街)で現在106店のボウリング場とゲーム場の複合店を運営する大手オペレーター会社であり、その海外進出に地元米国の業界は注目している。

 7.
鞄結档Lャビオート(登記上はキヤビオート、東京都港区西麻布、久田俊也代表)が8月31日までに業務を停止、事務所を閉鎖した。負債は09年9月期末時点で約3億7千万円。1966年10月に設立した、繁華街のゲーム場オペレーターで、主なロケーションに「ワールドゲーム」八重洲、新橋、桜木町ぴお店がある。92年9月期売上高は16億4千万円だったが、09年9月期には2億5千万円まで低下していた。創業社長の久田正治氏は92年9月に会長に、長男の益男氏が社長になっていたが、正治会長は99年12月に死去した。その後、益男氏の弟の久田俊也氏が社長を引き継いでいた。11月9日続報=東京地裁は10月25日に破産手続き開始を決定した。

 8.
1940年代のピンボールゲーム機を禁止する法令が、まだ残っていたという怪談のような米国の話。ニューヨーク州ビーコンの町でフレッド・ボブロー氏が、主に50―70年代のフリッパー、エレメカゲーム機、ビデオゲーム機などを数多く集めて、プレイさせる「レトロ・アーケード・ミュージアム」を08年11月に開設、観光施設として次第に人気を集めてきたが、昔の条例に違反することが分かり、今年6月にとうとう閉鎖を余儀なくされた。同市議会は8月30日に問題の条例を改正してミュージアム再開の道を開いたが、施行規則などが未定のため、ミュージアムはいぜん閉鎖されたままとなっている。CNNテレビが取り上げた。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。