2009年7月15日号Last updated on July 1, 2009
特報
 アリサカは自主再建の方針で計画案を提出した。

 ナムコはICコイン「ナムコイン」の本格化を発表した。
海外
 香港ディズニーランドは5年かけて拡張することになった。

 ワーナーがミッドウェーゲームズ社を傘下にするもよう。

国内

 イオンファンタジーの第1・四半期はコストを抑え、改善した。

 富士急ハイランドは「鉄骨番長」を18日にオープンする。


2009年7月15日号のニュースダイジェスト
6月25日に急死したマイケル・ジャクソンは熱心なTVゲームファンだったことが知られている。写真は88年12月、セガ社の開発部門を訪れたときのようす。業務用「ギャラクシーフォースU SDX」や家庭用「メガドライブ」を楽しんだ。後にTVゲーム「マイケル・ジャクソンズ・ムーンウォーカー」(90年8月)も開発された。

20年前の主なニュース

 米国連邦地裁はテンゲン社に対し、NES用「テトリス」製造販売の予備的差止めを決定した。米国AAMAの新会長にギル・ポーラック氏(プリミア社社長)が就任した。JAMMAは社団法人化記念パーティーを催した。任天堂「スーパーファミコン」の発売は大幅延期となった。「テトリス10万点への解法」が発売中だ。(1989年7月15日号)

30年前の主なニュース

 米国シネマトロニクス社がベクタービーム社を買収した。インベーダーブームが高まり、来日中のカーター大統領の娘、エミーちゃんが東京・日本橋の三越でプレイしたし、東大・五月祭や大阪・難波で女性だけの大会が催され、東京・新橋の屋上ビアガーデンにも進出した。単行本「インベーダー攻略法」が発行された。(1979年7月15日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.香港特別区政府は6月30日、57%所有する「香港ディズニーランド」の拡張計画に関して、43%所有する米国ウォルト・ディズニー社と合意した、と発表した。同園は05年9月開園したが、規模が小さいため業績は低迷しており、どう拡張するが大きな課題になっていた。曽蔭権(ドナルド・ツァン)行政長官が明らかにした計画によると、11−13年に工事を進めて8ヘクタール拡張、テーマランドを現在の4ヵ所から7ヵ所に3ヵ所増やし、アトラクションは付帯設備を含め30以上増やして百以上にする。このために必要な35億香港ドル(4億5千万ドル)は、香港政府が融資を募り、ディズニー社が投資して調達するとしている。

 2.米国家庭用ゲームソフトのミッドウェーゲームズ社が、ワーナーブラザーズ社に買い取られる見通しになった。01年に業務用から撤退したミッドウェーゲームズ社は、業績悪化の末、今年2月に米国破産法11条(チャプターイレブン)の手続きを申請したが、04年以来経営権を握っていたバイアコム社のサムナー・レッドストーン会長が昨年末に株式を売却しているため、裁判所がスポンサー企業を募集していたが、このほど締め切ったところ、応じたのは3千3百万ドル提示したワーナーブラザーズ社だけだったことによる。ワーナー/タイムワーナー社は76−96年に、業務用と家庭用TVゲームを生み出したアタリ社を傘下に抱えていたことがある。

 3.ナムコは6月26日、旭精工のICコインシステムを利用した、業界初のプリペイド式ICコイン「ナムコイン」を直営ゲーム場に実験的に導入しており、運用を本格拡大すると発表した。「ナムコランド平塚店」で5月15日から実験運用、利便性などを確認したうえで本格運用を始めるもので、秋までに「ナムコランド渋谷店」、「ナムコワンダーパークヒーローズベース」(川崎市)に導入する。「ナムコイン」は500円硬貨の大きさのICカードで、千円、2千円、5千円単位で1万円までチャージでき、現金(硬貨)と併用できるのが大きな特徴。チャージは当日限り有効で、残金は精算(返金)する。専用セレクターが必要となる。

 4.イオンファンタジーは6月29日、第1・四半期(3−5月)業績を発表、5店増1店減と店舗を増やしたが(前期末の国内直営340店)、厳しい経営環境の下で売上高は4%減の112億円にとどまった。しかし、クレーンなどプライズ部門を見直し、大型遊具や体感、キッズメダルを中心としたファミリー部門の再構築を進めるなど、収益構造改革に着手して、コストコントロールを図ったところ、経常利益は38%増の4億3千万円、純利益は48%増の1億6千万円と回復した。8月中間期業績予想、10年2月期決算予想は変更していない。

 5.会社更生手続き中のアリサカは6月30日、スポンサー企業なしに自主再建する方針で更生計画案をまとめ、宮崎地裁に提出した。急激な景気悪化でスポンサー企業選定は難航したが、不採算店舗閉鎖などで自主再建が可能となったため。現在運営中の37店を25店に縮小、今夏設立の新会社(矢野洋一営業部長が社長就任予定)に業務委託する計画で、現在の負債総額210億円は店舗売却益と委託収入により5年以内に弁済する(担保付負債23億円は全額、その他177億円は1−4%弁済)。渡辺油化に関東5店、ブルーヒルズに関東2店、テンレジャーサービスに東海2店を売却し、九州2店と関西1店は閉鎖する予定。

 6.富士急ハイランドで建設を進めてきた爽快なスリルライド「鉄骨番長」が完成、7月18日にオープンすることになった。基本的にはチェーンタワーのタワーを大きく伸ばしたようなもので、高さ59mのタワーの中心から4本のワイヤーで吊るされた座席部分(2人×12台)が上昇/下降しながら、水平に回転(最高時速51km)する。最も高い位置の座席高さは47m、回転部分の直径は最大28m。見晴らしがよく、足元が解放的で爽快感と浮遊感を味わえる。高さ50m以上は日本で初めて。デンマークとギリシャに同タイプの「スターフライヤー」を納めたオーストリアのファンタイム社が、富士急ハイランド仕様で製造を担当した。総工費約5億5千万円。3分間、利用料800円。利用制限あり。

 7.東京お台場の「パレットタウン大観覧車」が6月20日から9月23日までの3ヵ月間、「ハローキティ観覧車」になることが6月16日、サノヤスヒシノ明昌など3社により明らかとなった。この観覧車は直径百メートル、サノヤスヒシノ明昌(運営は明昌ネットワーク)と三井物産が99年3月以来担当しているもので、今年10周年を迎える。これに今年25周年を迎えるサンリオの人気キャラクター「ハローキティ」がコラボレートし、4台のシースルーゴンドラを除く60台のカラーゴンドラにキティの装飾を施し、キティが一周16分間案内役としてアナウンスする。また夜間、キティバージョンのイルミネーションが登場するなど盛り上げる。

 8.セガ社は子ども用カードゲーム機シリーズキャビネットとして、ソフト交換が可能な「ダブルタッチスクリーン筐体」(仮称)を開発したことを、6月19日明らかにした。メイン基板に「リングワイドBD」を採用、新型バーコードリーダーも搭載。上下2画面に振動式タッチパネルを使用しているので、指先からも感じることができる。第一弾として小学館と共同開発した「リルぷりっ ゆびぶるひめチェン!」を今冬にも開始する。セガ社は長期間使用できる新型キャビネットにより、低迷している子ども用カードゲームの再構築を図る考え。

 9.タイトーは6月22日、直営を含む約千店のゲーム場で、クレーン機用オリジナル景品としてミニ家電「Tスタイル」を7月から展開することを明らかにした。「Tスタイル」とはこれまでにないアミューズメントプライズで、事務所で働く人を主な対象にした、デスク周りのスタイリッシュな実用性のあるミニ家電シリーズの総称、とのこと。パソコン(PC)のUSB端子を電源にした、チョコレートクーラー、ワンセグ専用アンテナ、缶飲料の(冷蔵庫型)ドリンククーラー、リモコンつき(エアコン型)送風機など、「常識を打ち破るユニークな」デジタルミニ家電製品を企画しているとしている。

 10.SNKプレイモア(細谷壮一郎社長)は6月15日、本社を移転した。移転先は564−0063吹田市江坂町1丁目16番17号、代表電話06―6339―6362(変更なし)。 これとともに東京開発センターにおける開発機能を本社に統合し、東京開発センターを「東京オフィス」としてリニューアルした。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。