2009年4月1日号Last updated on March 17, 2009
特報
 東京地裁は中国系企業に「DS用マジコン」の販売を禁止した。

 大平技研工業が破綻、破産手続きに入った。
海外
 シンガポールで巨大なリゾート建設が進められている。

 米国ミッドウェー社を作ったハンク・ロス氏が90歳で死去した。

国内

 アトラスの中間決算は赤字、通期予想を下方修正した。

 超小型のテーブル型「スペースインベーダー」が発売される。


2009年4月1日号のニュースダイジェスト
写真はAOUエキスポ09にて、上はケイブの小間で「デススマイルズU」、下はバンダイナムコゲームスの小間でカプコン開発「ガンダムvsガンダムNext」を試しているようす。

20年前の主なニュース

 京都地裁はNESソフトの販売をめぐるナムコの仮処分申請を却下した。任天堂はJAMMAを退会、JAMMAは家庭用部会を新設した。JAMMAの理事定員増で辻本、川崎、柿原、金沢の4氏が新たに理事となった。セガ社は「メガドライブ」用ゲームソフトのサードパーティーを発表した。(1989年4月1日号)

30年前の主なニュース

 米国バリー社は家庭用TVゲーム機で失敗した。NHK、TBSが相次いで「インベーダー」ゲームの特集を組んだ。セガ社傘下のエスコ貿易の共同代表に森健次郎氏と三浦照雄氏が就任した。日本物産は自前の本社ビルに、アイピーエムは国際ビルに本社を移転した。ウコー・コーポレーションが倒産した。(1979年4月1日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.インターネット上に置かれたゲームソフトをダウンロードして「ニンテンドーDS」で使うための装置、いわゆる「マジコン」が、不正競争防止法で違法とされるコピープロテクションをはずすツールに該当するかどうか、を審理していた東京地裁は2月27日、任天堂とゲームソフトメーカー54社による訴えを全面的に認め、嘉年華梶i東京、鄭蓬莱代表)ら中国系輸入会社5社に対して、販売差し止めと在庫破棄を命じる判決を出した。昨年7月29日に提訴していた。なお別に、「マジコン」用ソフトをネットに掲げて「マジコン」を販売していたとして、京都府警が08年12月に逮捕した朝霧由章(38歳)被告については起訴後、2月27日に京都地裁で初公判を受け、起訴事実を認めた。検察側は同被告が中国人女性と共謀し、販売用サイトを開設、振り込まれた代金を毎月1千万円以上引き出していたとしている。

 2.インデックス・ホールディングスの子会社、アトラスは3月10日、1月中間期決算を発表、売上高は前年同期比11%増の111億円、経常利益は49%減の3.5億円、中間損失は21億円と増収赤字だった。部門別では家庭用の売上高が77%増の54億円で、営業利益は26%増の9.7億円と伸ばしたが、業務用は売上高が44%減の11億円で、営業損失が3.3億円、ゲーム場は売上高が8%減の46.8億円で、営業利益が40%減の2億円とさえなかった。2月6日に発表した3月末の業務用事業撤退(ただしカードゲーム機のカード供給は続ける)と苦戦するゲーム場により特別損失を計上、改めて09年7月期業績予想を売上高206.4億円(昨年9月の前回予想では237.3億円)、経常利益4.55億円(10.2億円)、最終損失24.7億円(1億円の利益)と下方修正した。

 3.イオンファンタジーは3月12日、09年2月期業績予想を、売上高480億円(昨年10月の前回予想では499.6億円)、経常利益37億円(33.8億円)、当期利益19.3億円(17.4億円)と修正した。前年実績と比べて売上高が3%減、経常利益が19%減、当期利益が21%減となる見込みとなった。ゲーム機売上高の回復遅れ、人気カードゲームの一巡などにより、既存店売上高は当初見込みの6.5%減をさらに下回るもよう。利益面では景品代やカード仕入原価の圧縮、販管費の削減により、やや持ち直すが、前年を大きく下回るのは必至と見られている。

 4.かつての米国業務用大手TVゲーム機メーカー、ミッドウェー・マニュファクチュアリング社の創設者の1人、ヘンリー(ハンク)・ロス氏が、カリフォルニア州ランチョ・バーマドで2月12日、うっ血性心不全により死去した。90歳。電気技師としてシカゴのエキジビットサプライ社に入社、業界入りし、次にユナイテッド・マニュファクチュアリング社で11年間勤めた後、1958年にマーシン・ウォルバートン(80年引退)とともにミッドウェー社を設立し、会長としてエレメカのアーケードゲーム機、TVゲーム機の開発を主導、同社を発展させた。80年にバリー・ミッドウェー社の相談役になり、85年に相談役引退、その後顧問をしていたグランドプロダクツ社からも92年に引退していた。

 5.シンガポールで巨大なリゾート「リゾーツ・ワールド・セントーサ」の建設が進められており、2010年にもオープンする予定になっている。これは政府が進める国家プロジェクトを落札したゲンティング社らの合弁会社が、セントーサ島北側(市街の対岸)34万uに、52億シンガポールドル(3千3百億円)かけて建設中のもので、メインの「ユニバーサル・スタジオ・シンガポール」(USS)のほか、世界最大の水族館「クエスト・マリンライフ・パーク」、ウォーターパーク「アクエリアス」、海事博物館「マリタイム・エクスペリエンシャル・ミュージアム」、2つのショー「クレーンバレー」と「ラビーショー」、3つの劇場、コンベンション施設、6つのホテルなどが含まれている。特に「USS」は24の乗り物とアトラクションで構成され、うち18施設はここだけに開発されたものとのこと。

 6.タイトーのテーブル型TVゲーム機「スペースインベーダー」(78年7月)を6分の1サイズに縮小して再現、ゲームもプレイできるようにした、貯金箱「スペースインベーダーゲーム筐体型バンク」をタカラトミーが開発、3月26日に発売する。百円硬貨を投入する(他の硬貨も投入可能)とプレイ可能になり、レバーと(リセットと発射)ボタンを操作して液晶画面でゲームをプレイする。音もそっくり再現(オン・オフ付き)。同梱のカラーフィルムを画面に張ることもできる。百円硬貨は80枚貯金でき、硬貨を取り出すと画面表示される硬貨カウンターはリセットされる。単3電池3個は別売。税込み5775円。もちろんタイトーのライセンスを得ている。

 7.暁印刷はこのほどAM機器事業から撤退することになり、同社の一部門となっていた日本システムカンパニーの業務は、潟Wェックス(東京都新宿区早稲田町、村上栄司社長)および新会社の潟tロック(同、高倉章子社長)に引き継がれていることが判明した。業務用TVゲームメーカーとして知られていた日本システムは、05年4月に株式交換方式により(ジャスダック上場会社である)ヴィア・ホールディングスの完全子会社となったが、08年5月に同じヴィアグループの暁印刷に吸収合併され、その一部門になっていた。

 8.大平技研工業梶i岐阜市岩井、大平輝雄社長)が2月27日に業務を停止、自己破産手続き開始の準備に入った。負債は裁判で係争中の10億円、和議債務4億8千万円を含め約45億円と見られている。71年7月創業、73年3月設立のゲーム機下請けメーカーで、主に景品獲得ゲーム機、多人数用メダルゲーム機、写真シール機などを製造してきた。83年5月に和議を申請、94年4月に和議完了となったものの、99年12月に再び和議申請、00年10月に和議認可を受けたが、大口債権者の和議債務は残ったまま。07年12月期の売上高は11億5千9百万円で、03年以来1億円以上の赤字が続き、業績回復のめどが立たないまま、2月末には決済不能の状態に陥っていた。(5月20日続報)岐阜地裁は5月1日、同社の破産手続き開始を決定した。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。