2008年3月1日号Last updated on February 14, 2008
特報
 セガサミーHDは通期予想を赤字に修正し、セガ社のリストラを発表した。

 バンダイナムコHDも通期予想を大幅下方修正し、国内ロケ削減計画に。

海外
 米国フロリダのWDW内「ハリウッドスタジオ」で新アトラクションを建設中だ。

 二つ目のEAS08が秋にミュンヘンで開かれる。

国内

 コナミは家庭用、業務用とも快調で、9ヵ月業績は増収増益。

 カプコンの9ヵ月業績は増収だが減益になった。


2008年3月1日号のニュースダイジェスト
写真は英国ATEI08にて、上は人気アニメのキャラクターを採用したバンプレストのTVカーレース「ワッキーレース」(ナムコヨーロッパ社が出品)、下は米国グローバルVR社の戦闘機ゲーム「ブレージングエンゼル」(UBIソフトの開発)シットダウン型を試しているようす。

20年前の主なニュース

 参議院地方行政委員会の風俗営業等に関する小委員会は、遊技機賭博など法施行上の問題点を審議し、新宿・歌舞伎町を視察した。大野商事の大野圭一社長が茨城県取手市の市議に当選した。タイトーは伊藤忠商事とゴルフ練習機を共同開発した。ジャレコは新しいロゴマークを採用した。(1988年3月1日号)

30年前の主なニュース

 カジノを合法化した米国ニュージャージー州アトランティックシティーで、バリー社がまずゲーミング機の販売許可を取得した。JOUは定例総会でタイトーなど優良機メーカー9社を表彰した。ジャトレがカラオケ地区大会を進めている。セガ社「梅田ガンコーナー」が17年の歴史を閉じた。(1978年3月1日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.セガサミーホールディングスは2月8日、第3・四半期までの9ヵ月(4−12月)業績を発表、売上高は15%減の3,420億円、経常損失は14億円(前年同期は774億円の黒字)、純損失は157億円(493億円の黒字)で、9月中間決算と比べると改善されたが、大変厳しい内容となった。部門別でみると遊技機は売上高が31%減の1,243億円で営業利益が83%減の121億円と大きく後退、業務用AM機器は売上高が0.1%増の556億円で営業利益が41%減の54億円、ゲーム場(期末430店)は売上高が12%減の692億円で営業損失が49億円、家庭用は売上高が8%増の887億円だが営業損失が96億円だった。有価証券売却益37億円があるが、中国関連とゲーム場関係の減損42億円も計上している。

 2.セガサミーホールディングスは2月8日、08年3月期業績予想を、売上高4,750億円(昨年11月の前回予想では5,400億円)、経常損失70億円(200億円の黒字)、最終損失260億円(10億円の黒字)と大幅下方修正した。遊技機事業での計画未達が主な理由だが、不動産売却益(55億円)が来期にずれ、セガ社の希望退職者募集による特別損失29億円を見込むこともある。セガ社はゲーム場運営と家庭用ゲームソフト事業で赤字となっているため、既定の不採算ゲーム場閉鎖と平行して、経営の建て直しのため2月8日から2週間かけて、現在約3,600人いる社員のうち約400人の希望退職者を募集することになった。

 3.バンダイナムコホールディングスは2月6日、第3・四半期までの9ヵ月(4−12月)業績を発表、売上高は前年同期比1.5%増の3,356億円だったが、経常利益は18%減の282億円、純利益は26%減の147億円と増収大幅減益だった。部門別でみると、ゲームコンテンツ(家庭用と業務用)の売上高が4.3%増の1,045億円で、営業利益も同じく4.3%増の100億円と堅調だったが、ゲーム場運営の売上高は3.5%増の672億円なのに、営業利益は57%減の10億円と急落した。またトイホビーは強力なヒット作がなく売上高が2.6%減の1,318億円で、営業利益は22%減の115億円と伸び悩み、映像音楽コンテンツも売上高が5%減の266億円で、営業利益が31%減の38億円と後退した。

 4.バンダイナムコホールディングスは第3・四半期業績発表(2月6日)と同時に、08年3月期業績予想を売上高4,650億円(昨年11月の前回予想では4,800億円)、経常利益355億円(470億円)、当期利益165億円(265億円)と、大幅に下方修正した。その理由として同社はトイホビー事業および映像音楽コンテンツ事業の後退のほか、ゲーム場運営の苦戦を挙げている。とくに自動車利用の多い郊外店の不振が目立っており、このため12月末で308店ある国内既存店のうち約2割(50ないし60店)の不採算店を、3月から一年かけて閉鎖していくことにした。これに伴い特別損失20億円を計上する予定。

 5.コナミは2月5日、米国基準の第3・四半期(10−12月期)連結業績を発表、売上高は3%増の約960億円、営業利益は15%増の191億円、純利益は23%増の116億円と好調だった。9ヵ月(4−12月)では売上高が8%増の2,297億円、営業利益が20%増の321億円、純利益は23%増の179億円。部門別でデジタルエンタテインメントの9ヵ月売上高は9%増の1,411億円、営業利益は13%増の331億円だった。うち業務用ゲーム機の売上高は27%増の403億円と好調で、家庭用ゲームソフトは4%増の697億円、トイ&ホビーは増減ゼロの197億円、オンラインは6%増の137億円、マルチメディアは14%増の16億円となっている。なおゲーミング機部門は増収増益、健康サービス部門は減収減益だった。

 6.カプコンは2月6日、第3・四半期までの9ヵ月(4−12月)業績を発表、売上高は前年同期比4.8%増の516億円と伸ばしたが、経常利益は15%減の65億円、純利益は18%減の35億円だった。好調な家庭用ソフトが、ゲーム場と業務用の落ち込みを補完した格好で、ゲーム場運営(6店増の41店)は売上高が0.5%減の96億円にとどまった上、新規出店費用が増加して、営業利益は62%減の5億7千万円と大きく後退した。業務用機器の売上高は68%減の22億円で、営業損益は7億円の赤字(前年同期は9億円の黒字)と赤字転落した。家庭用は売上高が23%増の308億円で営業利益は38%増の60億円と好調、コンテンツエキスパンション(携帯電話向けゲーム配信など)は売上高が16%増の70億円で営業利益は21%増の22億円だった。

 7.東京ディズニーリゾートを経営するオリエンタルランド(OLC)は2月7日、第3・四半期までの9ヵ月(4−12月)業績を発表、売上高は0.3%増の2,667億円、経常利益は9%増の346億円、純利益は12%増の207億円と好調だった。部門別では主力のテーマパークの売上高が微増の2,247億円にとどまったものの、営業利益は5%増の338億円と堅調だった。イクスピアリなど複合商業施設の売上高は0.1%増の177億円で、営業利益は22%増の15億円、リテイル事業(ディズニーストア、期末52店)は売上高が5%減の127億円で、営業損失が78百万円だった。

 8.ラウンドワンは2月8日、第3・四半期までの9ヵ月(4−12ヵ月)連結業績を発表、店舗数が前年同期末の69店から82店に増えているので、売上高は21%増の562億円だったが、経常利益は5%減の102億円、純利益は8%減の59億円と、増益だった中間期から一転して減益となった。10−12月期に開設した5店は順調だが、既存店は消費冷え込みの影響を受けているとしている。このため通期業績を売上高780億円(11月の前回予想では798億円)、経常利益157億円(181億円)、当期利益91億円(105億円)と下方修正した。

 9.アドアーズは2月1日、第3・四半期までの9ヵ月(4−12月)単独業績を発表、売上高は前年同期比13%増の約170億円、経常利益は136%増の15億8千万円、純利益は182%増の7億4千万円だった。部門別売上高は主力のゲーム場運営が16%増の143億円、施設施工が3%減の16億1千万円、パチスロ機などレンタルが7%減の7億1千万円など。ゲーム場は中間期までに3店新設した後、第3・四半期に3店新設、2月にも1店新設する。積極投資により固定資産は増加したが、借入金は(長期借入金66億円、一年以内長期借入金25億円に)増加している。

 10.米国フロリダ州オーランドにあるウォルト・ディズニー・ワールドは2月7日、同リゾート内の映画のテーマパーク「ディズニーズ・ハリウッドスタジオ」(旧・ディズニーMGMスタジオから1月に改称)に、人気オーディションTV番組に基づく参加型のアトラクション(名称未定)を新たに建設中だと発表した。これはFoxテレビが02年以来放映している番組「アメリカンアイドル」にちなむもので、客は歌手としての本格的なオーディションに参加し、審査に合格すればステージショーに出演するというもの。すでにライセンスを得ており、年末までにオープンする予定。

 11.欧州の遊園地関係の展示会、ユーロアミューズメントショー08(EAS、1月23−25日、フランスのニースにあるアクロポリス展示会場)には各国から249社が出展し、5千人以上の登録業者が入場して成功した。EASは05−06年にオーストリアのウィーンで、07年にスペインのセビリアで開かれているが、将来的にドイツのミュンヘンで毎年秋に催されるオクトーバーフェストに合わせる方針で、今年はテストケースとして二つ目のEAS08を9月30日から3日間ミュンヘンで開くことを、昨年3月に決めている。この展示会は欧州の遊園施設業者協会(EAASI)が主催しており、05年から米国に本部を置くIAAPAが共催する形になっている。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。