2007年7月1日号Last updated on June 18, 2007
特報
 セガ社の里見治会長が社長に、小口久雄社長が副社長に就任した。

 アルゼ前期は2年連続経常赤字だが、ウィン・マカオの特別利益で最終黒字。

海外
 米国オーランドに「ハリー・ポッター」のテーマパークが09年開園する。

 米国ディズニーランドで潜水艦に乗る「ファインディング・ニモ」が完成した。

国内

 シグマ(現アドアーズ)の創業社長、真鍋勝紀氏が死去した。

 バンダイナムコゲームスが東品川本社事務所へ移転統合した。


2007年7月1日号のニュースダイジェスト
写真は中村雅哉氏叙勲祝賀会で、上は(左から)花束を贈呈した女優の清水美砂さん、中村雅哉氏、娘の中村恭子さん。下は発起人の東純ナムコ社長、石川祝男バンダイナムコゲームス社長、高須武男バンダイナムコHD社長、里見治JAMMA会長。

10年前の主なニュース

 米国AMOAエキスポにこれまで出展してきたナムコとセガ社の現地法人が、今回に限り出展しないことを明らかにした。AOU総会に招かれた警察庁の吉川幸夫課長は、遊技機賭博など協会としての課題を具体的に示した。タイトーはJR大阪駅と新宿駅で「電車でGo!」開発者イベントを開催した。(1997年7月1日号)

20年前の主なニュース

 通産省内の調査委が、TVゲームによる電波障害の可能性について報告書をまとめた。FCソフトのコピーヤーに実刑判決が出された。カプコンUSA社は「ストリートファイター」を日本より先に発表した。タイトーとナムコがそれぞれ新作展を開催した。セガ社は語学教材会社、リンガフォン・ジャパンの経営権を取得した。(1987年7月1日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.セガサミーホールディングスは6月13日、セガ社のトップを含む役員異動を発表。19日付で、セガサミーホールディングスの会長兼社長を兼ねるセガ社の里見治会長が社長兼CEO兼COOに、小口久雄社長兼COOは代表権のある副社長にそれぞれ就任することになった。またセガ社出身でナイキジャパン、日本マクドナルドなどを経た臼井興胤氏がセガ社に復帰し、専務AM統括本部長に就任する。これに伴い鈴木義治常務は取締役に、森啓二取締役は上級執行役員に降格となる。業務用とゲーム場、家庭用ソフトがいずれも前年比減益だったのを受け、収益体質の抜本的強化を進めるため、里見氏が自らセガ社の社長に就任することにした。里見治氏(さとみ・はじめ)は1942年群馬県生まれ、68年青山学院大法中退、75年サミー工業(現サミー)設立、80年同社長。04年2月からセガ社会長、同10月からセガサミーホールディングス会長兼社長。

 2.アルゼが6月1日に発表(13日に修正)した07年3月期連結決算は、売上高が前年比25%減の約363億円、経常損益は63億円(前年85億円)の2年連続赤字だった。部門別ではパチスロ機の売上高が26%増の316億円で、営業利益は63億円。ゲーム機器(海外カジノ機器と国内メダルゲーム機、家庭用ソフト)は売上高が50%減の26億円で、営業損失は13億円、不動産は売上高が49%減の10億円で、営業利益は6億円、その他の売上高は43%減の12億円で、営業損失は3億円。アドアーズの一部株式売却により、その持分差の売上高と営業利益が減少した。ウィン・マカオ関連の特別利益206億円があるので最終利益(94億円)が出ているが、SNKプレイモアに支払った和解金の特別損失4億円や、訴訟損失引当金14億円などを計上している。

 3.真鍋勝紀氏(まなべ・かつき=元シグマ〔現アドアーズ〕社長)が6月5日午前7時ごろ、肺炎のため千葉県の医療施設で死去した。67歳。愛媛県出身。ケイエム企業と真鍋家の合同葬として、通夜は8日午後6時から、告別式は9日午前10時から東京都世田谷区砧の東京メモリードホールで、それぞれ数百人の参列者を集めて執り行われた。喪主は妻敬子さん。葬儀委員長は長男真鍋慶行ケイエム企業取締役。1964年シグマ企業設立、67年シグマに改組した創業社長。シグマは71年12月オープンの歌舞伎町「ゲームファンタジアミラノ」以来、メダルゲーム場を本格的に展開し、市場拡大に貢献した。だがシグマは経営危機に陥り00年2月にアルゼの資本傘下に入り、同10月には環デザインなどと統合、アドアーズとなっており、アルゼとケイエム企業の訴訟も続いている。

 4.米国のワーナーブラザーズ社とユニバーサル・オーランド・リゾート社は5月31日、世界的ベストセラー小説と劇場映画で知られる「ハリー・ポッター」の魔法の国を再現する、「テーマパークの中のテーマパーク」を09年後半にオープンする、と発表した。ワーナーのバリー・メイヤー会長兼CEOによると、「世界中のファンから、ハリー・ポッターの世界を体験したいという要望が寄せられた」のがきっかけで、ユニバーサルと交渉を進めてきた結果、計画がほぼ固まった。フロリダ州オーランドのユニバーサル「アイランド・オブ・アドベンチャー」内に建設するこの計画に、原作者のJ.K.ローリングさんが参加することも決まり、映画を制作したデザイナーも参加することになっている。 

 5.米国のディズニーランド(カリフォルニア州アナハイム)で40年(1959−98年)にわたり親しまれた、潜水艦による海底探検アトラクション「サブマリン・ボヤージ」(潜水艦の旅)が大規模改造され、人気アニメの要素を加えた「ファインディング・ニモ・サブマリン・ボヤージ」として6月11日にオープンした。キャラクターとともに黄色い潜水艦に乗り込み、サンゴ礁や水中火山などを旅する。ピクサー社との共作アニメ映画「ファインディング・ニモ」にちなむアトラクションは他にもあり、フロリダWDWのマジックキングダム「ファインディング・ニモ・ザ・ミュージカル」とエプコットセンター「シー・ウィズ・ニモ&フレンズ」が今年1月にオープンしている。

 6.ブラジル連邦最高裁は5月30日、ビンゴ、スロットマシン、宝くじ(ラッタリー)など賭博および宝くじ規制について、賭博営業を許可できるのは連邦政府だけであり、州が許可するのは憲法違反、同様に宝くじも違憲となる、とする判断を示した。宝くじは9つの州で許可されてきたが新規の許可はなくなる。賭博営業については、連邦政府に営業許可を出す制度が現在ないので、連邦政府が改めて許可できるかどうか判断する。この判決は最高裁判決に逆らってきた下級審に対する指針ともなっている。ブラジルで違法なビンゴ店は州の許可ではなく、連邦地裁の仮処分を得て賭博営業を行ない、そのため市条例により閉店命令を受けたというケースが多いが、今回の判決により閉店命令は無効であり、営業継続できると見る業者は多く、解決への道はまだまだ遠い。

 7.バンダイナムコゲームスは5月末、これまで東京や横浜など6ヵ所に分散していた本社事業所を、東品川に新設した「未来研究所」に統合、移転した。未来研究所は寺田倉庫から賃借している建物を、バンダイナムコゲームスで「未来のすべての人々に斬新な遊びを提供し続けていく」という意味を込め、改めて命名した。社長室、事業推進本部、コーポレート本部、コンテンツ制作本部、CSカンパニー、AMカンパニー、P‐7カンパニーが入った。また同じバンダイナムコグループのバンプレストは駒形にあった本社事業所を、バンダイナムコゲームスの未来研究所内と、これに隣接する品川シーサイドウェストタワー、サウスタワー(計3ヵ所)に移転した。

 8.中村雅哉バンダイナムコホールディングス最高顧問・JAMMA名誉会長が春の叙勲で旭日小綬章を受けたことを讃える祝賀会が、6月5日東京の帝国ホテルで開催され、業界関係ら約三百人が集まった。バンダイナムコグループとJAMMAの共催によるもので、発起人代表の高須武男バンダイナムコホールディングス社長が、中村氏叙勲に至った功績を紹介した。祝賀会には森喜朗元総理や岡田克也民主党元代表ら著名人が多数詰め掛け、中村氏授勲をともに喜んだ。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。