2007年5月15日号Last updated on May 7, 2007
特報
 ナムコの中村雅哉名誉相談役が旭日小綬章を受けた。

 パチスロ特許訴訟でSNKプレイモアがアルゼに勝訴した。

海外
 UAEに「ユニバーサルスタジオ・ドバイランド」建設が決まった。

 英国に国民作家をテーマとする「ディッケンズワールド」がオープンする。

国内

 警察庁は風営許可を受けたゲーム場のデータなどを発表した。

 SCEの久多良木健会長が名誉会長に退いた。


2007年5月15日号のニュースダイジェスト
写真は香港および中国・広東省でコピー品対策のための講習会などを実施する、米国メリット社のボブ・フェイ部長(下の写真左から2人目)ら

10年前の主なニュース

 ナムコは東京・大阪間を通信回線で結んだ「レイブレーサー」同時プレイを公開実験した。セガ・ゲームワークス社の一号店がシアトルでオープンした。コナミは神戸西区に完成したAM機器本部を披露した。セガ社はバンダイとの合併に備え、4グループ制に再編した。サミー工業はサミーに改称した。(1997年5月15日号)

20年前の主なニュース

 米国バリー社は遊園地経営子会社のシックスフラックス社を6億ドルで売却した。賭博遊技機撲滅をめざす警察庁担当官とAM業界の懇談会で、JAMMAは「バブルボブル」を持ち込み、AMゲームで賭博が不可能なことを実証した。旧NAOの未処理資産は各支部長に分配し、清算した。(1987年5月15日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.政府は4月29日付で07年春の叙勲受章者4,037人を発表。産業分野で、ナムコおよびバンダイナムコゲームスの中村雅哉名誉相談役(81歳)が旭日小綬章を受けた。ナムコと業界団体を通じて中村氏が産業振興に貢献した功績が認められたことを示すもので、86年4月の藍綬褒章授章に続く叙勲受章。叙勲は、ゲーム業界では77年4月に日本娯楽機の遠藤嘉一社長(当時の全日本遊園協会会長)が勲五等双光旭日章を受けたのに続くものとなる。中村氏は1925年12月東京生まれで、1955年6月に中村製作所(旧ナムコ)を創業。全日本遊園協会と日本アミューズメントマシン工業協会を通じ、アミューズメント産業振興に多大な貢献をした。

 2.SNKプレイモアを相手に起こしてきたパチスロ特許訴訟は、知的財産高裁でもアルゼが完全に敗訴した。アルゼは04年2月、SNKプレイモアの初の本格パチスロ機「メタルスラッグ」がアルゼの特許を侵害しているとして、その製造販売禁止を求める仮処分を申請するとともに提訴したが、東京地裁は仮処分を認めず、特許訴訟についても「本件特許発明の技術的範囲に属さない」として05年7月に却下した。そこでアルゼは控訴していたが、知財高裁は4月26日、控訴棄却の判決を言い渡した。この高裁判決に先立ち、アルゼは06年12月同趣旨ながら別件の訴訟を起こしており、また高裁判決を不服とする上告も行なうとしている。

 3.警察庁・生活環境課は4月19日、風営法で規制している「8号営業」(ゲームセンター等)の営業所数は06年12月現在9,091ヵ所(前年は9,515ヵ所)で、遊技機設置台数は460,031台(445,025台)とまとめ、発表した。許可営業所数は年々減少傾向にあるが、台数は04年以後増加傾向にある。なお遊技機を使用した賭博犯については06年中に90件、564人を検挙し、約2億円の賭け金を押収した。うち暴力団関係は56件、350人だった。主な検挙例のひとつとして、沖縄県宜野湾市の飲食店経営者らが05年11月から06年5月にかけて、店内にパチスロ機を多数設置し、客の高校生らを相手に常習賭博をした事件などを挙げている。

 4.ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は、久多良木健会長兼CEO(56歳)が6月19日付で取締役を退任、名誉会長に退くことになった、と4月26日に発表した。後任のCEOには現COOの平井一夫社長が就任する。家庭用「PS」シリーズの開発を手がけ、世界で累計2億台以上も出荷するほどのリーダーシップを発揮したが、「PS3」は計画を下回ることが確実になり、久多良木氏はひと区切りついたので、ネットワークでつないだ新事業に挑戦するため、自ら退任を決めたとしている。久多良木氏は03年以後ソニー副社長を兼務したが、05年にソニーの取締役を退任、昨年12月にはSCE社長の座も平井氏に譲って会長になっていた。

 5.アラブ首長国連邦(UAE)のドバイに世界で4つ目の「ユニバーサルスタジオ」が建設されることになった。国営企業のタトウイール社が4月30日に発表した。同社が豊富な資金を投入して、ドバイ郊外の砂漠地帯に開発を進めている巨大な公園「ドバイランド」の中心施設として、米国と大阪の「ユニバーサルスタジオ」を企画運営する米国ユニバーサル・パークス&リゾート社が企画運営を担当する、世界最大規模の「ユニバーサルスタジオ・ドバイランド」(60万u以上)を2010年開業を目標に建設するというもの。基本的にはオーランド型の「ユニバーサルスタジオ」を元に、計画が進められるもよう。

 6.小説「オリバーツイスト」、「クリスマスキャロル」、「二都物語」、「大いなる遺産」などで知られる19世紀英国の国民作家、チャールズ・ディッケンズをテーマとするテーマパーク「ディッケンズワールド」が完成し、5月25日オープンすることになった。ロンドン郊外のケント州チャタムに、ビクトリア時代の裏町が再現され、文学的にはそれほど正確ではないが、アトラクションとしては十分に楽しめるさまざまなライドや仕掛けが盛り込まれている。投資額は約1億2千5百万ドルで、敷地はそれほど広くなく6,500u、入園料は大人で12.5ポンドとなっている。日本で馴染みの少ない作家ではあるが、欧米では不動の人気を誇るディッケンズだけに、世界中から観光客が集まると見られている。

 7.セガサミーホールディングスとサンリオは4月27日、包括的な業務提携を結び、それぞれが保有するキャラクターを活用した製品やビジネスを開発するなど、提携を深めることを明らかにした。セガサミーHDはサンリオの筆頭株主となっていることから、戦略的な業務提携を進めると昨年12月に発表しており、その方向性などを今回決めたもので、今後は分科会方式で細かく提携内容を詰めていくもよう。またバンダイナムコゲームスは4月26日、開発子会社のモノリスソフトの株式の80%を任天堂に売却することになった。金額などは不明。モノリスソフトは99年10月ナムコの家庭用開発子会社として設立され、RPG分野でヒット作を生み出しており、バンダイナムコゲームスは今後も16%の株式を保有し続ける。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。