2007年4月1日号Last updated on March 21, 2007
特報
 マーベラスがゲーム場運営から撤退、アトラスなどへの売却を決めた。

 「JJクラブ100」のネクストジャパン1月中間決算が出た。

海外
 ガエルコ社のゴイコア社長がナムコヨーロッパ社に雇用された。

 コインプッシャーを開発し、育てたジム・クロムプトン氏が死去した。

国内

 アルゼは海外ゲーミング機事業のAGA移転を決めた。

 バンダイナムコは角川、東映グループと株式を相互保有する。


2007年4月1日号のニュースダイジェスト
写真はAOUエキスポ07で、上は今夏出荷予定のスクウェアエニックス/タイトー「モンスターバトルロード」出品のようす、下は同様にコナミデジタルエンタテインメントの「オトメディウス」。

10年前の主なニュース

 「大阪ドーム」9階の「シムランドQ」とドーム前「パドゥー」の「セガアリーナ」がオープンした。SNKはAOUエキスポで「ネオジオ64」開発を発表した。ナムコ、SCE、ポリゴンピクチャーズはCG映画制作のDPSを設立した。カプコンの辻本憲三社長がACCS理事長に選任された。(1997年4月1日号)

20年前の主なニュース

 米国セガ社は業務用販売(セガUSA)、ゲーム場運営(タイムアウト)、家庭用販売(SOA)の3部門に再編された。AOUは理事会を通じて、売上税導入反対運動を呼びかけた。ユニバーサルはリッカーからホテルリッチ(12店)を買収した。セガ社は業務用製造工場の佐倉事業所を開設した(1987年4月1日号)

  Copyright ©Amusement Press Inc. 2007    ゲームマシン、アミューズメントプレス、アミューズメント通信は登録商標です。無断で本紙記事を転載したり、その他アミューズメント通信社の知的所有権を侵害することは違法です。




【ニユースダイジェスト】

 1.時間制の遊技施設「JJクラブ100」を運営しているネクストジャパンは3月15日、1月中間決算(単独)を発表、売上高は前年同期比約53%減の約16億円、経常損失は2億9千万円、中間損失は10億円だった。同じような営業の競合店が増えたため、営業効率が低下し、直営は5店減の9店に、フランチャイズは7店減の27店に減少した。すでに東京支社と中国事務所を閉鎖、希望退職を募ったが、さらに本社を移転する予定。同社は2月1日付で、ネクストジャパンとネクストジャパンコンサルティングという、ふたつの新会社を所有する持株会社、ネクストジャパンホールディングスに移行している。

 2.アルゼは3月15日、海外カジノ向けゲーミング機事業を完全子会社のアルゼゲーミングアメリカ社(AGA=旧UDN、本社ラスベガス、余語邦彦CEO)に4月1日付で移転するとともに、2日付で携帯サイト運営子会社のアルゼメディアネットを新設する、と発表した。持株会社制への移行に備えるもので、AGAへの移転は海外営業部(10人)とゲーミング開発部(88人)を対象に、事業譲渡の形式で行なわれる。携帯電話向け有料サイトを運営する完全子会社のアルゼメディアネットは、分割方式で設立される。持株会社制への移行は4月1日実施の予定だったが、10月1日に延期した。

 3.「ペニーフォール」などのコインプッシャー型遊技機を開発し、この分野を発展させた英国のジム・クロムプトン氏が3月8日、80歳代で死去した(詳細なデータは不明)。アルフレッド、ジムの兄弟が1947年にクロムプトン社を設立、56年に世界初の多人数用ゲーミング機「フィルムスター」を開発、63年には初のコインプッシャー機「ウィール・ア・ウィン」を開発した。日本では70年代のメダルゲームブームに伴い、同社の「ペニーフォール」、「ダブルフォール」、「スピナーウィナー」などのコインプッシャーがJOBやシグマによって導入された。クロムプトン社は82年に倒産し、再建されたが、01年に二度目の倒産をして、02年米国ICE社に買い取られている。

 4.SCEは3月15日、「PS3」向けに、米国スタンフォード大学が進めている分散コンピューティングプロジェクト、「Folding@home」を支援するアプリケーションの提供を始めると発表した。「Folding@home」は人間のたんぱく質の折りたたみ現象を研究し、アルツハイマー病やがんなど関連する疾病の解析をする試みで、そのための膨大な計算量を処理するのに、高度な処理能力を持つ「PS3」をネットワークで結ぶことによって解決し、役立てるというもの。「PS3」ユーザーはネットワークを通じて、3月末に提供される専用ソフトをダウンロードしてセットアップし、電源を入れたままにしておけば、このプロジェクトに参加できるという。

 5.バンダイナムコホールディングス(HD)は3月6日、角川グループHDおよび東映グループと株式の持ち合いを進めることで合意した。資本提携を軸とした関係強化を通じて、コンテンツ戦略の強化を図るのが目的で、安定株主の確保という狙いもある。バンダイナムコHDは3月22日付け自己株式の第三者割り当て処分により、角川グループHDに260万株売却する(計279万株=1.07%角川グループが所有)とともに、角川グループから115万株を取得(計125万株=4.59%バンダイナムコが所有)する。同様にバンダイナムコは東映株を2.73%取得し、東映はバンダイナムコ株を0.7%取得する。

 6.ナムコヨーロッパ社は3月14日、ガエルコ社の社長だったフリアン・ゴイコア氏(52歳)を国際事業開発マネージャーとして採用した、と発表した。ゴイコア氏はこれまでスペインのTVゲーム機メーカー、ガエルコ社の社長だったので、今回の異動によりガエルコ社の事業撤退が確実視されている。ガエルコ社は85年に設立され、当初コピーメーカーとされていたが、「スカッシュ」(92年)でオリジナルメーカーとして認められ、「スピードアップ」(93年)から米国ナムコアメリカ社もしくはアタリゲームズ社に許諾するほどになった。ゴイコア氏は多国語を操ることから、ナムコヨーロッパ社では、バルセロナを本拠にスペイン、イタリア、フランス、ポルトガルとアフリカ諸国での製品販売を担当する。

 7.マーベラスエンターテイメントは3月20日、6月1日付でゲーム場5店分の事業を引き継ぐ新会社、マッドをアトラス(猪狩茂社長)に売却するとともに、7月1日付で3店分の事業をザ・サードプラネット(長野和史社長)に売却することにより、これまで運営してきた9店(うち1店は2月末に閉鎖)をすべて手放し、ゲーム場運営事業から完全撤退することを明らかにした。売却価格などは未発表。マーベラスによると、クレーンゲームの不振による客単価の減少と、出店の遅延・新規店舗の低迷などにより、利益が圧迫されていたゲーム場運営事業から撤退することにより、音楽映像およびデジタルコンテンツの事業に集中できるとのこと。(アトラス関係は6月1日付、計25億7千5百万円で5店売却=7月23日発表。サードプラネット関係は8月3日付、計11億4千3百万円で3店売却=8月10日発表)



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。