2007年3月1日号Last updated on February 20, 2007
特報
 USJの株式が3月16日東証マザーズに上場されることが決まった。

 セガサミーHDとバンダイナムコHDの連結9ヵ月決算が明らかとなった。

海外
 英国ATEI07で日本製の新作TVゲームがいくつか披露された。

 「くまのプーさん」キャラクター使用権訴訟の判決が言い渡された。

国内

 アトラスは増収増益、アドアーズは増収減益となっている。

 加賀電子はアミューズメント部門の分社化を決めた。


2007年3月1日号のニュースダイジェスト
写真は英国ATEI07のエレクトロコイン社の小間で、上はタイトー製AWP機「スペースインベーダー」とともに(左から)、エレクトロコイン社のジョン・スタジーデス社長、タイトーの鬼木克彦ミラノ駐在部長。下はタイトーの「チェイスHQ2」デラックスタイプを試しているようす。

10年前の主なニュース

 セガ社はバンダイとの10月合併と、中山隼雄社長の副会長就任予定を発表した。トーゴのメガコースターを含むラスベガスのカジノホテル「ニューヨークニューヨーク」が完成した。AOUエキスポ97には72社が1,039小間に出展する。米国の週刊「キャッシュボックス」が発行を停止した。(1997年3月1日号)

20年前の主なニュース

 政府・自民提案の売上税に対しJAMMAは、産業を滅ぼしかねない重大問題と、会員に資料を配布した。JAPEAはAM産業出版の株式継続保有を決めた。SNKは新作展で「バミューダートライアングル」など紹介した。タイトーから3画面連結の「ダライアス」が出荷された。(1987年3月1日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.英国ATEI/ICE07(1月22−25日、ロンドン)は一段と大規模になり、2万5千人以上の業者が訪れたが、ATEI自体の来場者は14%減の1万3千人だった。注目のTVゲームの新作はまず、19年前のヒット作「チェイスHQ」を元に、グラフィックスやリンクシステムなどすべて最新版にしたタイトーのドライブゲーム機「チェイスHQ2」。シットダウン式のデラックスタイプと、奥行きの浅いアップライトがあり、いずれも画面は液晶で、主に海外向けに出荷される。欧州セガ社は「エイジャンダイナマイト」を披露したが、日本では「ダイナマイト刑事EX〜アジアンダイナマイト」となる。欧州ナムコ社は「タイムクライシス4」など、英国コナミ社は「クレージーストリート」、「プロエボルーションサッカー」(PES)などを紹介した。

 2.大阪のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」を運営するユー・エス・ジェイ(USJ、グレン・ガンベル社長)の株式が3月16日付で、東証マザーズに上場されることになった。東証が2月13日に発表した。94年12月に大阪ユニバーサル企画として設立、米国MCA社との基本契約を経て、96年3月にUSJと改称、01年3月にテーマパークを開業したが、初期投資負担が大きいため、5期連続して赤字が続いている。現在の主な株主は米国ゴールドマン・サックスグループ(51%)、日本政策投資銀行(11%)、ユニバーサルスタジオ・エンターテイメント・ジャパン(10%)、大阪市(10%)。上場により財務内容を改善する方向で進めており、将来は東証1部への移行も視野に入れている。

 3.セガサミーHDは2月7日、第3・四半期までの9ヵ月業績を発表、売上高は前年同期比4%減の4,042億円、経常利益は23%減の774億円、純利益は22%減の493億円だった。部門別では七号遊技機(パチスロ・パチンコ機)の売上高が16%減の1,777億円で営業利益が16%減の696億円と前年同期を下回った。一方、業務用AM機は売上高が3.5%減の523億円で営業利益が11%減の93億円、家庭用ゲームソフトは売上高が33%増の822億円で営業損失が7億円、17店増16店減で463ヵ所あるゲーム場は売上高が0.7%増の784億円で営業利益が24億円だった。通期業績予想は変更していない。

 4.バンダイナムコHDは2月14日、第3・四半期までの連結業績を発表、売上高は前年同期比約4%減の約3,305億円、経常利益は6%減の345億円、純利益は12%増の199億円だった。部門別ではトイホビーの売上高が0.5%増の1,354億円で営業利益が18%減の147億円、ゲームコンテンツ(業務用と家庭用)の売上高は5%減の1,002億円で営業利益は23%減の96億円、ゲーム場の売上高は5%増の650億円で営業利益は69%増の23億円、映像音楽の売上高は16%減の282億円で営業利益は10%減の55億円など。バンダイナムコゲームスの業務用販売は24パーセント増の248億円だった。通期業績予想は売上高のみ下方修正した。

 5.アトラスは第3・四半期までの9ヵ月業績を発表、連結売上高は25%増の149億円、経常利益は14%増の441百万円だった。部門別では家庭用は売上高47億円、営業利益5億円、業務用は売上高39億円、営業利益2億円、ゲーム場は売上高64億円、営業利益3億円。七号遊技機以外は順調で、通期予想を上方修正した。アトラスは昨年11月インデックスHDの子会社となったため、決算期を7月末に変更する。一方、アドアーズの売上高は11%増の150億円、経常利益は21%減の671百万円だった。部門別売上高はゲーム場が3店増1店減で2%増の123億円、機器レンタルが7億円、工事その他が19億円などとなっている。

 6.ケイブは1月17日に減収大幅赤字の中間決算を出した後、2月2日にガンホー・パートナーズとの資本提携を発表した。11月中間決算は売上高11.6億円、経常損失百万円、中間損失596百万円で、主力のインフォメーションプロバイダーは売上高が11%減の6.6億円、営業利益は47%減の116百万円、コマースの売上高は1%増の3.4億円、営業損失は49百万円。ゲーム開発は売上高が34%減の117百万円、営業利益が1千万円だった。2月末に実施される第三者割当増資により、引き受け先となるガンホー・パートナーズは第2位の10.5%株主となる。

 7.加賀電子は2月7日、特機事業本部AM営業部にあるアミューズメント部門を「加賀アミューズメント」として4月1日付で分社化すると発表した。分社化するのは、06年5月に経営破たんしたエイブルコーポレーションの営業権を、加賀電子が同8月に買い取ったAM機器の企画、製造、販売事業。取引関係をそっくり新会社に移管し、販売会社として特化する。新会社では、加賀電子の会田富克特機事業本部AM営業部長が出向して社長となる予定で、それ以外の取締役には加賀電子の塚本外茂久副社長、門良一専務、伊藤寿文氏、大工原弘明氏が、また監査役には西原隆氏が就任する予定。なお新会社の本社は加賀電子と同じ。

 8.「くまのプーさん」(Winnie the Pooh)のキャラクター使用料をめぐる訴訟は結局、ウォルトディズニー社の敗北に終わる見通しになった。ロサンゼルスにある連邦地裁は2月15日、「くまのプーさん」の著作権は原作者であるA・A・ミルンから使用権を取得したステファン・シュレジンガー社にあるとの略式判決を出し、ウォルトディズニー社が原作者遺族の味方をして、遺族から改めて直接権利を得ようとする望みを断ち切った。ステファン・シュレジンガー社は1983年に原作者の遺族から契約を更新しており、その契約まで破棄することができない、というのが今回の判決の根拠だった。ウォルトディズニー社自体はこの訴訟の当事者ではなかったが、遺族の訴訟費用など一切を負担し、支援していた。




 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。