2006年12月1日号Last updated on November 21, 2006
特報
 セガサミーの中間決算は好調だが、通期予想は下方修正した。

 オリエンタルランドはテーマパークが好調だが、小売事業が問題化している。

海外
 米国ウォルトディズニー社の9月決算はこれまでの最高を記録した。

 ジョー・ロビンズAAMA元会長が83歳で死去した。

国内
 タイトーは新作展で「バトルファンタジア」など披露した。

 ケイエム企業との訴訟で、アルゼの控訴は退けられた。


2006年12月1日号のニュースダイジェスト
写真はタイトー新作展で、上は「ダイノマックス」を背に(左から)AM開発部の渡辺裕之氏、小島理一取締役兼AM事業本部長、上原子晃AM国内販売部長。下は「アクエリアンエイジ・オルタナティブ」を試しているようす(いずれも大阪会場で)。

10年前の主なニュース

 米国任天堂は連邦控訴裁で、アルペックス特許訴訟に逆転勝訴した。ナムコの中間決算は業務用、家庭用、ゲーム場運営ともに好調だった。ジャレコは新作展でアイマックスとアイオーンの新作を披露、バンプレストは新作展でプライズマシンを紹介した。オリエンタルランドの東証1部直接上場が決まった。(1996年12月1日号)

20年前の主なニュース

 米国AMOAエキスポ86はアタリゲームズ社など日米の開発メーカーの勢いにより活発さを保った。ニューヨーク市はクレーンゲーム機を解禁した。「ラッキーエイトライン」を設置した賭博喫茶の摘発に伴い、富山県協の副会長が逮捕された。セガ社は神田にある直営店で前払い式カードを実験的に導入した。(1986年12月1日号) 

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【ニユースダイジェスト】

 1.セガサミーホールディングスは11月10日に9月中間連結決算を発表、売上高は前年比約14%増の約2,835億円、経常利益は34%増の660億円、中間利益は52%増の380億円と好調だった。部門別では遊技機の売上高が12%増の1,450億円で、営業利益は37%増の637億円。業務用AM機の売上高は12%増の346億円で、営業利益は48%増の66億円。期末で463店あるゲーム場運営は売上高が10%増の535億円で、営業利益は32%減の29億円。家庭用は売上高が42%増の407億円だが、営業損失は67億円。主力の遊技機事業は上半期でいぜん好調だったが、下半期の計画達成は困難と見込まれるとしており、このため通期業績予想は売上高5,800億円、経常利益1,000億円、最終利益600億円と大幅に下方修正した。

 2.バンダイナムコホールディングスは11月10日に9月中間連結決算を発表、売上高は前年比5.6%減の約2,066億円、経常利益は1.7%増の185億円、中間利益は40.6%増の110億円だった。部門別ではトイホビーの売上高が約4%増の857億円で、営業利益は3%減の82億円。ゲームコンテンツの売上高は11%減の570億円(うちバンダイナムコゲームスは135億円、バンプレストは27億円、業務用海外は31億円)で、営業利益は74%減の18.5億円。国内319ヵ所のゲーム場を含む施設運営は売上高が3%増の432億円で、営業利益は5%減の19億円。ネットワーク事業の売上高は5%増の62億円で、営業利益は37%減の5億円となっている。

 3.オリエンタルランドは11月13日、9月中間連結決算を発表、売上高が約3%増の1,605億円、経常利益が2%増の98億円、中間利益が3%減の53億円だった。TDLとTDSの合計入園者数は前年比3.3%増の1,204万人。部門別ではテーマパークの売上高は4%増の1,343億円で、営業利益も12%増の109億円だったが、リテイル(ディズニーストア)は客足減少が止まらず、約5億円の営業赤字だった。通期は9月からのチケット値上げ効果があるが、リテイル事業が収益の足を引っ張るので、売上高3,410(前回予想は3,471)億円、経常利益241(269)億円、最終利益127(157)億円と下方修正した。

 4.カプコンは11月9日に9月中間連結決算を発表、売上高は前年比約5%増の29,175百万円、経常利益は317%増の3,785百万円、中間利益は39%減の1,918百万円だった。部門別業績は、家庭用の売上高が9.5%増の約157億円、営業利益が23億円(前年は12億円の損失)、業務用の売上高は0.8%減の44億円、営業利益が10%減の9億円、ゲーム場運営は3店増の33店で、売上高が15%増の65億円、営業利益が3%減の11億円、コンテンツエキスパンション(主に携帯電話向け)は売上高が40%減の13億円、営業利益が90%減の72百万円など。業務用で販売した「機動戦士ガンダムシードディスティニー連合vsザフトU」は7,200台だった。

 5.アトラスの9月中間連結決算は、売上高が前年比17%増の92億円、経常利益が58%減の108百万円、中間損失が174百万円だった。ゲーム場運営は4月オープンの「ゲームパニック堺」が伸ばしているが、売上高は0.1%減の4,166百万円、営業利益は59%減の244百万円と全体に低調。一方、アリサカの9月中間決算は、売上高が16%増の46億円、経常利益が18%増の248百万円、中間利益が48%減の45百万円で、増収減益傾向にある。うち期末に35店あるゲーム場の売上高は19%増の3,951百万円だった。またアドアーズの9月中間単独決算は11月7日の業績修正どおり、売上高が前年比2.5%増の96億円、経常利益が55%減の315百万円、中間利益が23%減の127百万円だった。主力のゲーム場収入は0.7%減の8,087百万円(直営ゲーム場は2店増2店減で66店)だった。

 6.タイトーは11月14日東京(大阪は16日)で新作展を開催し、注目の8人用プッシャー「ダイノマックス」(価格未定)のほか、TVゲームではNESYS対応オンラインカード式「アクエリアンエイジ・オルタナティブ」(4席セットで756万円)、アークシステムワークス開発「バトルファンタジア」(タイプX2、50.4万円)を披露した。また普及版の「ハーフライフ2サバイバーSD」(NESYS対応、4席セットで378万円)、シリーズで最後となる「バトルギア4チューンド」も紹介した。出荷予定は、11−1月出荷の「バトルギア4チューンド」以外、すべて来年3月となっている。

 7.米国ゲーム機業界で有名なジョセフ(ジョー)・ロビンズ氏が多臓器不全により11月12日、フロリダの病院で死亡した。83歳だった。大戦から復員して46年シーバーグ社のディストリビューターに入社、55年にシカゴのエンパイア社入社、62年共同オーナーとなり、72年に同社をバリー社に売却した。80年にアタリ社業務用部門社長となり、81年に発足させたメーカー協会のADMA(現AAMA)の初代会長を務めた。後にセガゲーミング社社長になったこともある。なお奇しくも同日、元ロムスター社販売担当のティム・ジャクソン氏が、肝不全によりロサンゼルス郊外の病院で死去した。45歳だった。

 8.米国ウォルトディズニー社は11月9日に06年9月期連結決算を発表、売上高が前年比7%増の342億85百万ドル、純利益が33%増の33億74百万ドルで、ともに過去最高を記録した。第4・四半期(7−9月)業績も快調だった。部門別ではテーマパークの年間売上高は10%増の99億25百万ドル、営業利益は30%増の15億34百万ドルだった。映画とメディアコンテンツがテーマパークに並んで好調だった。05年秋新たにCEOとなったボブ・アイガー社長は、就任して半年以内にピクサー社を吸収合併し、CGアニメーション分野で巻き返すなどの手腕を発揮しているが、かれは今回の最高の決算内容について、「当社にある信じられないほどの独創性の賜物だ」と説明している。

 9.アルゼはシグマを子会社にした00年2月に、米国シグマゲーム社を買い取る契約をしたが、アルゼのゲーミング許可手続きが間に合わず実施できなかったため、ケイエム企業(真鍋勝紀代表)がアルゼに対し3千万ドルの違約金支払いを求めた裁判で、東京高裁は11月2日、アルゼの控訴を基本的に退ける判決を言い渡した。これに関連してアドアーズが真鍋氏に対し起こしている2,074百万円の貸付金返済訴訟にもアルゼは参加しており、債務の相殺を求めていた。違約金は一審判決(06年1月)で全額認められたが、二審では相殺の結果約1,180万ドル(約14億円)になったとされている。アルゼはこの結果に不服で、上告するとともに、中間決算で特別損失に計上するとのこと。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。