2006年10月15日号

Last updated on October 10, 2006

特報

 知財高裁はスプライト式画像回転特許訴訟をまたも退けた。

 セガ社は「AW‐NET」サービスを11月末で終了する。

海外

 米国AMOAエキスポにはセガ社とナムコの子会社が出展、米国メーカーは低調だった。

 米国D&B社のCEOだったバスター氏が退任した。


国内

 家庭用の東京ゲームショウでコナミは業務用新作を出品した。

 鹿砦社単行本訴訟で東京高裁は賠償金額を倍増した判決を出した。


2006年10月15日号のニュースダイジェスト
写真はAMショー06にて、上はバンダイナムコゲームスの小間で(左から)中村雅哉名誉相談役、石川祝男社長、下はタイトーの小間でアスモの上田芳弘社長、ミッドウェストの中西昭雄氏、タイトーの飯沢幸雄専務。


10年前の主なニュース


 米国AMOAエキスポ96にはマイクロソフト社が参加、業務用TVゲームへの通信システム導入を促した。英国ロンドン・ピカデリーサーカスに9月、大規模ゲーム場「セガワールド」が誕生した。コナミは日本IBMと業務用CG基板「コブラ」を開発した。SNKは子会社のナスカを吸収した。(1996年10月15日号)

20年前の主なニュース


 米国任天堂は家庭用ソフトを10タイトル内蔵した、業務用「プレイチョイス10」を出荷した。海外でコピー基板が横行しているため、JAMMAはAMショー開催に伴い、米国AAMAと国際会議を開くことになった。AOUは賭博機対策の委員会を発足、まず健全営業推進委員会と改称した。(1986年10月15日号)


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【ニユースダイジェスト】

 1.米国AMOAエキスポ06(9月27−29日、ラスベガス)にはやや多い165(前年160)社が511(508)小間に出展、2日目までに4,200人の登録業者が訪れ、回復基調を示した。同じコンベションセンターサウスホールでは、ファンエキスポと土産品のLVSGショーが開かれた。シカゴ郊外に本格的な事務所を構えたセガアミューズメントUSA社は、「アフターバーナークライマックス」、「バーチャテニス3」などの新作を紹介し、ナムコアメリカ社はコスモドッグ社開発の「ロッキン・ボウル・オ・ラマ」や「タイムクライシス4」などを出品した。米国メーカーは低調だが、グローバルVR社やメリット社などの活躍が目立った。ファンエキスポに出品された台湾製のシミュレーター「アイモーション」が注目された。

 2.東京ゲームショウ06(9月22−24日、幕張全8ホール使用)では、家庭用だけでなく業務用の新作も注目された。AMショーに出展しないコナミは、「麻雀格闘倶楽部5」、「ワールドサッカーウィニングイレブン2006アーケードチャンピオンシップ」と、「DDRスーパーノバ」など音楽ゲームの新作を披露した(コナミは引き続き9月下旬に大阪・東京で新作展を開催した)。SNKプレイモアはタイトー「タイプX2」を通じて再び業務用TVゲームソフト開発を進めていることを表明、開発中の3作を紹介した。韓国のセブンデータ社は偏光メガネを利用する「ビジュアルショック」を、いくつかの3Dゲームソフトともにコックピット型キャビネットで紹介し、注目された。

 3.スプライト式TVゲームの画像回転特許(2877779号)を侵害したとして、40億円の損害賠償を任天堂に求める訴訟が起こされていたが、東京地裁が05年12月に却下したのに続き、知的財産(知財)高裁も9月28日同様に却下した。データイーストから画像回転特許を取得したタクトロンが03年10月、任天堂「ゲームボーイアドバンス」により特許を侵害されたと訴えたもの。いずれの判決でも特許にある「第1の読出信号」などの用語が不明確であり、記載された唯一の実施例のみを取り上げざるをえないとして、特許侵害を認めなかった。タクトロンによると、東京地裁・知財高裁とも実質的に一度も口頭弁論を開かないまま結審し、実質審理が行なわれていないとされている。

 4.セガ社はアトミスウェーブ(AW)に基づくネットワークサービス、「AW−NET」を11月30日で終えることを明らかにした。対象となるゲームは「ギルティギアイスカ」、「ネットセレクトサラリーマン金太郎」、「キングオブファイターズ・ネオウェーブ」、「ネットセレクト競馬ビクトリーハロン」、「ネオジオバトルコロシアム」の5タイトル。「AW−NET」の終了に伴い、これらのオンライン対戦などができなくなるが、AWカードを使用したゲームプレイは可能で、戦績データなども表示できる。AWシステムはサミーが02年9月のAMショーで発表、03年6月から出荷したが、05年1月に発売元はセガ社に切り替わった。AWシステム自体は期待したほど普及せず、ゲームソフト開発はすでに終了したもよう。

 5.セガサミーホールディングスは10月3日までに、キャラクター「ハローキティ」で知られるサンリオの発行済み株式の13.77%(約1,228万株)を取得し、筆頭株主になったことを明らかにした。市場を通じて9月15日までに6.87%(約613万株)を取得したのに続いて、6.9%(615万株)を追加取得したもので、純投資が目的としている。取得金額は合計で約215億円。セガサミーホールディングスは、サンリオが持つ優良なコンテンツを高く評価しており、市場での株価に投資価値があると判断したと説明している。

 6.鹿砦社の単行本「アルゼ王国はスキャンダルの総合商社」(03年9月)で名誉を侵害されたとして、アルゼと岡田和生会長、及川麻子元執行役員が販売禁止と各1億円(計3億円)の損害賠償を求めた訴訟で、一審の東京地裁は今年1月、仮処分で認められた販売禁止を棄却し、計3百万円の損害賠償金を支払うよう鹿砦社に命じたが、(及川元執行役員を除く)双方が控訴していた。二審の東京高裁(富越和厚裁判長)は9月13日、原判決を踏襲した上で、損害賠償額の倍増(アルゼに200万円、岡田会長に300万円)を認める判決を出した。アルゼは当然の判決としているが、控訴が認められなかった鹿砦社は上告するとしている。

 7.北米で47ヵ所も直営店があり、海外にもフランチャイズ店のあるゲーム&飲食複合店「デイブ&バスター」(D&B)は、ゲーム場を経営のデイブ・コリビュー氏と飲食店経営のバスター・コーレイ氏が意気投合し、82年12月テキサス州ダラスに複合店を作って成功したのが始まりとされている。そのD&B社の共同創業者の一人でCEOだったバスター氏が9月に退任して、デイブ氏と同様に名誉会長となり、今年4月カールソンレストラン社から移ってきたCFO(最高財務責任者)のスティーブン・キング氏がCEOを引き継ぐことになった。なおD&B社はナスダックを経て99年6月にニューヨーク証券取引所(NYSE)に株式を上場している。


 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。