2006年4月1日号

Last updated on March 25, 2006

特報

 PSEマークのない中古品も売買できることになったが、完全フリーに向け監視が必要。

 米国ASI06は低調で、来年はラスベガスに移る。

海外

 米国ASIでグローバルVR社は「ウルトラピン」を披露した。

 中国広州に先端施設を備えた大規模遊園地がオープンした。

国内

 セガ社は特許侵害に基づく仮処分申請を取り下げた。

 コナミは07年5月、都内事業所を東京ミッドタウンに集約する。


2006年4月1日号のニュースダイジェスト
写真はAOUエキスポ06にて、上はコナミが紹介した「ゲーセン留学」、下はAMIの小間に出品されたケイブの「ピンクスゥィーツ」をそれぞれ試しているようす。

10年前の主なニュース


 米国ACME96(オーランド)でアクレイム社が初の業務用TVゲームを披露した。米国家庭用アタリコープをJTS社が買収した。タイトーとカプコンが、家庭用PS基板を使用する業務用システム基板開発を明らかにした。セガ社は家庭用欧州子会社を整理、260億円の特別損失を計上することになった。(1996年4月1日号)

20年前の主なニュース


 警察庁・防犯課はプライズマシンで認められている景品最高額を90円から200円に値上げすることを決めたが、まだ通達を出していない。JAMMAは新風営法対策を事業に掲げた。タイトーは子会社のパシフィック工業と日本自販機を吸収合併した。米国ウォルト・ディズニープロダクションズ社はウォルトディズニー社に改称した。(1986年4月1日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.米国ASI06(3月16−18日)は2年続けてのシカゴ開催となったが、出展規模(120社、354小間)、登録来場者(約3,400人)とも前年を下回った。会場は中心街にあるハイアットリージェンシーホテルの地下2フロアで、英国ATEI06で披露された新ゲームなどが紹介された。日系の主な出展社はセガアミューズメンツUSA社とナムコアメリカ社で、セガ社「フォードレーシング・フルブロウン」やナムコ「タイムクライシス4」などが紹介された。米国ベトソン社はロースリル社「スーパーバイクス」などとコナミ「DDRスーパーノバ」を出品した。ASI後は各地でディストリビューターによるオープンハウスが開かれ、オペレーターに紹介される。ASI07は3月ラスベガス開催となる予定。

 2.米国ウルトラケード社を買収したグローバルVR社は、ASI06でウルトラケード社開発のTVフリッパー「ウルトラピン」を披露した。これは「ピンボット」、「アタック・フロム・マーズ」などウィリアムズ/バリーブランドのヒット作12タイトルを取り込み、フリッパーと同型のキャビットに収めたもの。プレイフィールドは縦型の32インチモニターで、バックガラスにも液晶画面があり、サウンドは元のタイトルのものを再現している。プランジャーは通常のフリッパーと同じで、ティルトも付いているが、すべてデジタル処理されており、メカニズムは使用されていない。発売は未定だが、ASI06で最も注目される製品であることは間違いなさそう。

 3.電気用品安全法(旧電気用品取締法)施行(01年4月)に伴う経過措置が3月末に切れるため、4月1日から「PSEマーク」のない電気用品は販売できなくなるが、経済産業省は3月14日、中古品に対する規制を含めないまま法改正したことを認め、応急策を発表した。応急策は、ビンテージと呼ばれる電子楽器や写真引伸機など6品目について、旧法の表示があり、生産終了したもので、取り扱いになれた者に販売する場合に限り、簡単な手続きで売買できるようにするというもの。さらに経済産業省は3月24日、6品目に限定せず、PSEマークなしの中古品売買を可能にする、猶予期間の延長を事実上認めた。しかし明文化されていないことから、従来どおり中古電気用品の売買可能を明確にする改善策が求められている。

 4.ゲーム機業界でも中古品の売買、リサイクルは頻繁に行なわれている。電気用品安全法の対象となるのは交流電源を利用する「特定電気用品」の電気乗物(定置型乗物機)、「特定電気用品以外の電気用品」の電気遊戯機(エレメカゲーム機)、電子応用遊戯器具(TVゲーム機)で、PSEマークなしの国内販売は原則的に禁止される。だが新法施行以前に型式認可され、適法に製造された甲種電気用品などの中古品は、旧法下と同様自由に売買され、リサイクルして利用されるものと考えられてきた。しかし経済産業省が今年2月になって、中古品も規制対象となるとの見解を出したことから、にわかに混乱が生じてきた。AOUはPSEマークなしの中古品販売禁止を傘下会員に伝え、JKA(全国カラオケ事業者協会)はビンテージもの関係まで伝え、注意を促した。JAMMAは事態の推移を見守っているとのこと。

 5.セガ社は業務用ゲーム機「甲虫ムシキング」に関する特許(3712122)を侵害したとして、タイトーの「ダイノキングバトル」の製造・販売差し止めを求める仮処分を05年10月東京地裁に申請していたが、それを3月7日に取り下げたことをこのほど明らかにした。セガ社は「甲虫ムシキング」(03年1月)、「おしゃれ魔女ラブ&ベリー」(04年10月)をヒットさせ、「古代王者恐竜キング」(05年9月)も出荷している。恐竜ゲームを推進してきているタイトーは、韓国Dゲート社開発の「ダイノキングバトル」(05年10月)を出荷しているが、このほど両社が話し合った結果、争いを止めることで合意したもの。

 6.中国広東省番禺(パンユー)に広州最大の遊園地、「長隆歓楽世界」(チャイムロングパラダイス)が3月19日、正式オープンした。チャイナニューズによると、現地観光企業の長隆娯楽世界グループが10億元(約150億円)を投資して建設したもので、インタミン社やベコマ社から購入した10回転式のローラーコースターや、座席がオートバイ型のローラーコースター、U字型コースの「ハーフパイプ」など、世界的にも先端の遊園施設を導入し、また5,000uの大きな室内遊戯場も備えている。入園料は130元(約1,900円)、1万人が同時に利用できるとのことで、1日6万人の利用を見込んでいる。http://www.chimelongparadise.com/main/

 7.主に70−80年代の業務用TVゲーム機とフリッパーをフリープレイで楽しめるという催し、「カリフォルニアエキストリーム06」が7月8−9日、サンノゼのパークサイドホール(技術革新博物館の隣)で開催される。これは熱心なプレイヤーたちが保存する古い機械を持ち寄り、トレードも行なうというもので、97年から開始、今年は10回目を迎える。05年8月の催しでは「ポン」(72年)、「スペースインベーダー」(78年)など約4百台のゲーム機がプレイ可能状態で出品され、約千人のプレイヤーが集まり(入場料は初日30ドル、2日目25ドル)。歴史的資料も展示され、またTシャツなどのゲームグッズも販売されている。

 8.コナミは3月23日、コナミデジタルエンタテインメントなど都内7ヵ所に分散している事業拠点を「東京ミッドタウン」(東京都港区赤坂9丁目)に集約する、と発表した。コナミはこの3月末に持株会社制に移行することから、グループ間の連絡などを円滑にするのが主な目的で、07年5月にそれぞれ東京ミッドタウンへ移転する予定だ。防衛庁跡地に開発中の東京ミッドタウンは、04年5月に着工、07年春に竣工予定。A棟からE棟まで5つの建物で構成され、A棟にザ・リッツ・カールトンホテルが、またそれ以外は事務所、商業施設、住宅などが入る予定。コナミはB棟の2−11階を使用することになっている。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。