2005年2月1日号

Last updated on January 21, 2005

特報

 タイトーは新作展で米国ロースリル社のTVゲーム2種と、タイプエックスなどに基づく4タイトルを披露した。

 ナムコは試遊会方式で「アイドルマスター」を紹介した。

海外

 米国ニューヨークタイムズ紙は、自宅で楽しむ業務用ゲーム機を特集した。

 米国ハップ社とオランダのスーゾー社が経営統合した。

国内

 アルゼは岡田和生会長が所有してきた米国UDN社を買い取ることになった。

 3月オープン予定のドンキホーテ道頓堀店で、楕円形コースの観覧車が話題を集めている。


2005年2月1日号のニュースダイジェスト

写真はタイトーの新作展が開かれた海老名開発センターのショールームで、上は米国ロースリル社のTVゲーム2機種(奥)、下は「タイプエックス」などに基づく基板タイプのTVゲームで、モス開発の「雷電 V」など。


10年前の主なニュース


 JAMMAはゲーム機に関する規制緩和の要望書を政府に提出した。セガ社は通信カラオケ「プロローグ21」を発表した。吉本興業・SCC共同経営のゲーム場「よしもとミュージアム」がオープンした。タイトーはネオジオ用として新ゲーム「パズルボブル」を発売した。広島のヒカリエンターはプロバックスに社名変更した。(1995年2月1日号)

20年前の主なニュース


 新風営法の施行規則と総理府例が公布され、賭博に使用されないゲーム機も規制されることになった。オペレーター協会連合会の設立をめぐるJAMMAとNAOの対立が表面化し始めた。セガ社はバリー社との契約が終了したので、再び米国に販売子会社を設けることになった。関西精機製作所の元重役、小宮山崇氏が死去した。(1985年2月1日号)

Copyright ©Amusement Press Inc. 2005    ゲームマシン、アミューズメントプレス、アミューズメント通信は登録商標です。無断で本紙記事を転載したり、その他アミューズメント通信社の知的所有権を侵害することは違法です。


【ニユースダイジェスト】

 1.タイトーは1月17日、神奈川県の海老名開発センターで新作展を開催し、米国ロースリル社のTVカーレースゲーム「ファースト&ザ・フューリアス−ワイルドスピード)、TVガンゲーム「ターゲットフォース」、システム基板「タイプエックス」に基づく「対戦ホットギミック・ミックスパーティー」(開発はクロスノーツ・彩京、発売は1月末)、「テトリス・ザ・グランドマスター3」(アリカ、2月中旬)、「雷電 V」(モス/セイブ、3月中旬)、「G−NET」に基づく「おてなみ拝見ファイナル」(童/サクセス、3月上旬)を紹介し、「タイプエックス」によるネット対応「ハリキリオンラインプロ野球」(3月)を参考出品した。ロースリル社の2タイトル(うち後者は米国で「ターゲットテラー」となっている)は、いずれも米国で上位にランクされている人気作で、タイトーではさらに中国で組み立てるなどコスト面で工夫した。システム基板「タイプエックス」は04年6月に開発発表されて以来、参加メーカーが増えており、その充実ぶりを示したことになる。

 2.ナムコは1月中旬、東京、大阪などで「アイドルマスター」の試遊会を開催、予約注文の受付を開始した。このゲームはプレイヤーが新人アイドルを育てるプロデューサーとなって、まず9人の候補生の中から1人選ぶことから始まる。そしてボーカルやダンス、ビジュアルのイメージアップを図り、次にオーディションに挑戦し、テレビ出演に向かう、と続いていく。ゲーム画像はいわゆる「ギャルゲー」の雰囲気で、タッチパネルで選択したりする方式。ネット対応で、データ保存用カードを使用する。標準セットは4人分のステーションとタワー一基。この試遊会はその事実上の新作展で、開発チームが説明を担当したが、出荷は7月の予定。「ドラゴンクロニクル」からの改造キットも9月に予定されている。

 3.アルゼの岡田和生会長が所有していたユニバーサー・ディストリビューティング・オブ・ネバダ社(UDN)がこのほど、ようやくアルゼの子会社になった。UDN社は83年2月米国ラスベガスに設立されたゲーミング機メーカーで、84年3月にネバダ州ゲーミングコミッションの許可を得てカジノ市場に進出し、同社製スロットマシンはその市場を席巻したことがある。UDN社はその勢いを得て、南アフリカとオーストラリアにも進出し、それぞれ子会社を設立したが、米国でシェアが低下したため、合理化を理由に開発・製造の業務をUDN日本支社に移転していた。アルゼがUDN社を岡田会長から買い取り、アルゼがネバダ州でゲーミング機を販売することについては、ゲーミングコミッションの許可が必要だが、04年6月に期限付きで許可されており、ミシシッピー州でも12月に許可されたのを受け、1月17日にアルゼはUDN社を約千七百万ドルで買い取ることを決めた。

 4.ディスカウントストアのドンキホーテは3月大阪ミナミに道頓堀店をオープンする予定だが、道頓堀川に面した側壁に世界初の楕円形に周回する観覧車(高さ77.4m)を建設しており、注目されている。これはインタミン・ジャパンが受注した遊園施設で、4人乗りゴンドラ32台が、約15分間で1周する。乗り場は3階で、利用料は6−700円の予定。楕円形のコース中央には、側壁に縦約17mの巨大な立体模型「えべっさん」も設けられており、観覧車とあわせ巨大な造形物として、オープン前からすでに人目を引いている。

 5.米国で個人の自宅に古い業務用ゲーム機を集めた娯楽室を作るという人が増えていることについて、「ニューヨークタイムズ」は1月2日の日曜版で特集記事を掲載した。それによると、機械を購入するのは主に、80年代初めごろ業務用ゲーム機に親しんだことがあり、現在年収7万5千ドル以上の安定収入のある35−65歳の人びとで、子どもや孫や友人を招いて楽しむのだという。家庭にとどまるかれらにとって、家庭用ゲーム機でも再現できるが、それではもの足りないため、リコンディションされた古い機械やクラシックゲームを組み合わせた新品を買うことになる。お薦めは「ミズ・パックマン/ギャラガ」とスターン社フリッパーのいずれも新品セットで、計6,550ドル(約67万円)。年収の1割近くかかるが、満足できれば安い買い物。全体からすると小さい市場だが、スターン社では出荷先の2割がこういう個人で占められており、フロリダ州のある中古機業者の04年売上げも2倍の4百万ドルに増加した、報じている。

 6.世界的な総合パーツ販売会社の米国ハップ・コントロール社と、オランダに本社を置くスーゾー社が経営統合されることになった。04年6月にハップ・コントロール社を買収した投資会社、ブフィングステン・パートナー社が1月初めに発表したもので、2社はそれぞれ従来どおりの社名で営業を続けるが、ハップ社は北米を、スーゾー社はそれ以外の市場を担当し、合わせて70ヵ国の市場を対象に、計12ヵ所の営業所を通じてパーツを供給することになる。なおスーゾー社は55年、ロッテルダムで設立され、欧州と南米向けにパーツを供給してきた実績がある。

7.英国のATEI05(1月25−27日、ロンドン)には昨年に引き続き、セガ・アミューズメンツ・ヨーロッパ社、サミー・ヨーロッパ社、ナムコ・ヨーロッパ社、コナミ・オブ・ヨーロッパ社、タイトーが出展することになった。このほか中古機関係でKNT、OMI、トーヨー、日邦通商が出展する予定。アルゼ関係のユニバーサル・ディストリビューティング・オブ・ネバダ社(UDN)と、マツイ・ゲーミング・マシン、旭精工子会社のアサヒセイコー・ヨーロッパ社は、ATEIと同時開催のゲーミング機器展、ICE05に出展する。


 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。