2004年2月15日号

Last updated on February 6, 2004

特報

 セガ社は4−12月期業績を発表し、大幅増益となった。

 タイトーは好調な4−12月期業績を発表した。

海外

 英国ATEI04でセガ、ナムコ、コナミ、サミーの現地法人のほか、タイトーが9年ぶりに出展した。

 タイトーはロンドンで「インベーダー25周年」パーティーを開いた。

国内

 シチエは増収減益の12月決算を発表。アトラス、アドアーズ、スガイの4−12月期業績も明らかとなった。 

 近鉄グループのあやめ池遊園地が6月に閉園となることが決まった。


2004年2月15日号のニュースダイジェスト

上の写真はタイトーが海老名開発センターで開いた内覧会で「ゾイドインフィニティ」など。下の写真はSNKプレイモアのパチスロ機「メタルスラッグ」発表会のようす。


10年前の主なニュース


 SNKはネオジオソフトを無断コピーしていた台湾のスーンハ・エレクトロニック社を米台著作権保護協定に基づき告訴し、台湾の捜査当局が摘発したことを明らかにした。大阪市は米国のテーマパーク「ユニバーサルスタジオ」を誘致することを決定した。松下電器産業は「3DO」に基づく家庭用TVゲーム機「リアル」を3月に発売すると発表した。アイレムの高嶋由之社長が退任、太田登氏が社長に就任した。(1994年2月15日号)。

20年前の主なニュース


 任天堂は「ファミコン」ハードウェアを基に、2人で対戦でき、ROM交換の可能な業務用「VSシステム」を発表した。米国アタリ社はアタリプロダクト部門新設を含む組織改革を発表、業務用部門の責任者だったジョン・ファランド氏が社長に昇格した。NAOショーでは3桁以上にクレジットが増えるものなどゲーミング機の出品を禁じることになった。英国センチュリー・エレクトロニクス社が倒産した。(1984年2月15日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1.欧州最大の遊技機総合展、英国ATEI/ICE04(1月27‐29日、ロンドン)は、AWP機を中心としたATEIとカジノ用ゲーミング機器のICEとが同時開催されており、ATEIには前年比7.6%増の294社が約11,500uに出展し、ICEには12.9%増の166社が1万uに出展した。業者しか登録できない展示会で、登録は無料だが、登録入場者数などのデータはまだ発表されていない。うちATEIは英国の射幸遊技機、AWP機が主役となっているが、国際的な展示会なので、TVゲーム機やフリッパーなどのAM機も出品されている。日系の出展社ではセガAMヨーロッパ社が「オーリーキング」など、ナムコ・ヨーロッパ社とブレントセールス社がガエルコ社製「リングライダーズ」など、コナミ・オブ・ヨーロッパ社が「ウォートラン・トルーパーズ」とアブランシュ社製「バルブリミット」、サミー・ヨーロッパ社が「レンジャーミッション」など「アトミスウェーブ」用ソフトを、それぞれ出品した。タイトーは96年以来出展していなかったが、9年ぶりに独自のブースを構え、「スペースインベーダー/Qix」を出品した。AM機を扱う英国エレクトロコイン社の小間では、米国スターン社のフリッパー「ロード・オブ・ザ・リング」が出品された。中古機関係でOMI、KNT、トーヨーが出展した。

 2.タイトーはATEI04初日の夜、ロンドン市内のセントマーチンレーンホテルでプレス関係者などを招いて「スペースインベーダー25周年記念パーティー」を開催した。百名を越す参加者に対し、まず6分間のPRビデオが5本ほど紹介された。これはロンドン市内の駅構内などにある大画面でも流されるもので、「スペースインベーダー」のブームを見つめ直す内容になっている。PRビデオ紹介の後、別の部屋でのカクテルパーティーとなり、西垣保男社長が「これからも可愛い侵略者をよろしく」と短く挨拶した。業務用のアップライト「スペースインベーダー/Qix」はナムコ/アメリカ社が企画、製造し、すでに03年11月に米国で発売されており、日本と欧州ではそれぞれタイトーとナムコ・ヨーロッパ社を通じて今年1月に発売となった。欧州では携帯電話用が先行しているほか、PS2用ソフトも発売されることになっている。

 3.セガ社は2月5日、第3・四半期までの3四半期(4−12月期)の連結業績を発表し、家庭用を絞り込んだことから、売上高は前年同期比14.1%減の144,512百万円と下げたが、業務用販売が好調なことから、経常利益は19.8%増の12,504百万円、純利益は92.3%増の7,655百万円と大幅に利益を回復した。部門別では具体的な数字を掲げていないが、業務用販売は国内で計画を上回り、海外でほぼ計画通りとなった。ゲーム場運営は18店増28店減で(12月末で488店)堅調に推移した。家庭用は国内でほぼ計画通りだったが、米欧で計画を下回った。セガトイズでの下方修正を受け、3月期末の売上高予想はやや下方修正したが、利益は修正していない。有利子負債の圧縮が進められており、このため総資産が232億円ほど減少しているが、12月末のネットキャッシュはプラス111億円となっている。

 4.タイトーは1月23日、第3・四半期までの3四半期(4−12月期)の単独業績を発表し、売上高は前年同期比15.3%増の61,861百万円、経常利益は18.5%増の3,971百万円と好調ぶりを示した。純利益は前期までに繰越欠損金が解消したので通常税率を適用し、18.0%減の2,480百万円となっている。売上高のうち、ゲーム場運営は8.8%増の33,581百万円、業務用ゲーム機販売は51.8%増の10,543百万円で、この四半期で10店増設した。販売が好調なのは他社を含めたゲーム場分野が大型店を中心に回復しているためと見られている。なお家庭用は30.1%増の5,541百万円、業務用カラオケの販売は118.4%増の1,201百万円、同レンタルは11.8%減の3,058百万円、携帯電話向けなどのコンテンツサービスは1.6%増の6,647百万円だった。

 5.シチエは1月30日、03年12月期決算を発表し、売上高が前年同期比6.9%増の10,636百万円、経常利益が4.3%減の1,756百万円、当期利益が2.0%減の909百万円だった。部門別売上高のうちCD/DVDレンタルは7.7%減の5,581百万円、ゲーム場は28.7%増の4,809百万円だった。さて3月決算の第3・四半期業績については、「第3・四半期までの3・四半期」が混ざっているので混乱を生じやすいが、アトラスは第3・四半期までの(4−12月期)売上高が12,126百万円で、うちゲーム場は4,870百万円、業務用は3,938百万円、家庭用は3,318百万円だった。アドアーズは第3・四半期(10−12月期)の売上高が19.3%増の6,051百万円、経常利益が7.9%減の577百万円、純利益が25.4%増の300百万円と健闘した。またスガイ・エンタテインメントの第3・四半期までの(4−12月期)売上高は9.0%増の4,932百万円で、うちゲーム場は11.9%増の4,157百万円だった。

 6.破産したデータイーストのゲームソフト資産は、携帯電話向けゲームコンテンツ配信を行なっているジー・モードが買い取ったことが判明した。知的財産権譲渡契約が完了したことから、ジー・モードが2月3日に発表したもので、対価は1億円未満という。対象となるゲームソフトは業務用「バーガータイム」(ハンバーガー)、「空手道」、「マジカルドロップ」などを含む100タイトル以上で、ジー・モードではこれまで同社になかったカテゴリーのゲームを制作・配信することで新たな需要に応えることができるとしている。データイーストは76年4月に設立された業務用TVゲーム機メーカーで、家庭用にも進出したが、97年12月に業務用から撤退し、99年11月に和議申請した。2000年7月に和議認可となったが、03年4月に自己破産を申請し、6月に破産宣告を受けたため、破産管財人の下で資産の処分が進められていた。

 7.近鉄あやめ池遊園地(奈良市内、近鉄興行経営)は6月6日で閉園することになった、と親会社の近畿日本鉄道が1月23日発表した。同遊園地は1926年6月に開業した伝統的な遊園地で、ピーク時の75年には124万人の入園客を集めたが、02年度には52万人まで落ち込み、ここ数年2−3億円の営業赤字となっていたので、78年間親しまれてきたが閉園を決めた。近畿日本鉄道が赤字の続くレジャー事業を再編することにしたもので、子会社の近鉄レジャーサービスがグループでのレジャー事業の中心となり、生駒山上遊園地も近鉄レジャーサービスに7月1日付けで営業譲渡され、近鉄興行は清算される予定。


 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。