2003年12月1日号

Last updated on November 24, 2003

特報

 セガ社中間決算は好調で、有利子負債もかなり減少した。ナムコの中間決算は大幅増収増益となった。

 旭精工は設立35周年と安部社長の黄綬褒章受章で記念パーティーを開いた。

海外

 米国ウォルトディズニー社の9月期決算は映画などが好調だが、テーマパーク部門はいぜん不振だ。

 シンガポールのAAEは04年からIAAPAのIAEとなる。

国内

 セガ社は新作展を開催し、「MJ2」や「オーリーキング」など披露した。

 カプコンは中間決算で久しぶりに業務用が貢献したが、家庭用が振るわなかった。


2003年12月1日号のニュースダイジェスト

写真は旭精工35周年/安部社長黄綬褒章受章記念パーティーで、上は旭精工の安部寛社長(中央)とドイツのミュラー社のディーター・ライヒャー社長、リディア・クローネ副社長。下は安部社長が挨拶をしたときの壇上のようす。


10年前の主なニュース


 カプコンは「ストリートファイターU」の著作権が侵害されたとして「ファイターズヒストリー」を販売したデータイーストを日米で訴えた。ソニーとSMEJはソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)を設立、家庭用TVゲーム事業に進出することになった。米国ラスベガスでユニークなカジノホテル「ルクソール」が完成した。関西精機製作所の古川純一郎社長が死去した。(1993年12月1日号)。

20年前の主なニュース


 米国アタリ社家庭用の業績が急激に悪化し、親会社であるワーナー社に打撃を与えることになった。米国AMOAエキスポ83(ニューオーリンズ)はLDゲーム機が各社から紹介された。セガ社のデビッド・ローゼン会長が1月に退任することになった。日本物産が東京日物を吸収し、東京事業所にした。辰巳電子工業の「TX−1」が発売された。(1983年12月1日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1.セガ社は11月12日、9月中間期連結決算を発表、売上高は前年同期比1.8%減の93,474百万円にとどまったが、経常利益は53.4%増の6,164百万円、中間利益は484.6%増の5,932百万円となった。10月16日の業績予想上方修正と比べると、売上高がやや下回ったものの利益は上回っている。業務用の売上高は0.5%減の30,109百万円、営業利益は6.1%減の6,117百万円、家庭用の売上高は4.6%減の28,616百万円、営業損失は1,841百万円、ゲーム場運営の売上高は0.5%減の34,749百万円、営業利益は14.2%減の3,920百万円だった。業務用は国内で伸ばしたが、海外で計画を下回った。家庭用は内外で21タイトル352万本を販売し、計画を上回った。ゲーム場運営は売上高が計画をわずか下回ったが、利益面で達成した。店舗数は11店増、14店減で495店となった。下半期では「アウトラン2」が貢献すると見ている。転換社債の買入消却を進めており、有利子負債は355億円減少して597億円になった。

 2.ナムコは11月19日、9月中間期連結決算を発表、売上高は前年同期比13.9%増の83,636百万円、経常利益は198.4%増の8,117百万円、中間利益は188.8%増の3,730百万円で、10月上旬の業績予想修正と比べて利益はさらに上回った。部門別では業務用の売上高が54.0%増の13,025百万円で、営業利益は212.4%増の2,824百万円、家庭用の売上高は29.4%増の20,579百万円で、営業利益は105.7%増の4,132百万円、ゲーム場運営の売上高は3.1%増の39,754百万円で、営業利益は37.7%増の4,280百万円などとなっている。業務用では国内で「太鼓の達人4」など、海外で「タイムクライシス3」などが好調だった。家庭用はPS2用「太鼓の達人」シリーズなどで伸ばした。国内ゲーム場では客足が戻り、既存店でも伸ばしたほか、北米で改善した。期間中の主な出店はナムコランド福山店、おゆみ野店、プラボ久留米店など。9月末の国内ロケは直営745店、レベニューシェア398ヵ所、テーマパーク1ヵ所。下半期業務用では「ドラゴンクロニクル」を出荷する。

 3.コナミは11月13日、米国基準による9月中間連結決算を発表し、売上高が前年同期比14.8%増の129,976百万円、営業利益が113.5%増の21,698百万円、中間利益が148.6%増の10,859百万円と大幅増益を示した。部門別では業務用ゲーム機の売上高が、7.9%増の15,959百万円で、営業利益が79.3%増の4,910百万円と盛り返し、家庭用の売上高は9.9%増の38,545百万円で、営業利益が33.0%増の7,940百万円、遊戯王などトイ・ホビーの売上高は61.8%増の31,455百万円で、営業利益が72.8%増の11,928百万円、カジノ用ゲーミング機の売上高は31.3%増の5,165百万円で、営業利益は341百万円、スポーツクラブの売上高は0.9%減の39,729百万円で、営業利益は144.8%増の1,004百万円だった。業務用では「麻雀格闘倶楽部」、「ポップンミュージック」などが好調だった。コナミはその2日前の11月11日、明らかにしていなかった9月中間期業績予想として売上高1,300億円、営業利益224億円、中間利益109億円の見通しを発表していた。

 4.カプコンは11月14日、9月中間期連結決算を発表、売上高は前年同期比12.5%減の22,452百万円と後退したが、経常利益は3.8%増の1,570百万円、中間利益は919百万円と黒字回復した。黒字回復は前年に資産評価損243億円を計上した反動によるもの。部門別では業務用の売上高は245.8%増の2,751百万円で、営業利益は9.5%増の1,060百万円、家庭用の売上高は28.5%減の13,409百万円で、営業利益は69.1%減の481百万円、ゲーム場運営の売上高は3.0%増の4,679百万円で、営業利益は15.3%増の1,115百万円、その他は売上高が1,656百万円で営業利益が370百万円だった。業務用はメダルゲーム機「アジアンキッチン」、TVゲーム「機動戦士Zガンダムエゥーゴvsティターンズ」予約販売で回復した。家庭用は大型ゲームソフトがなく大きく後退した。ゲーム場は「プラサカプコン」の奈良店と盛岡店をオープンし、国内1店と米国2店を閉鎖した。

 5.セガ社は11月13日、東京流通センターで二日間にわたるプライベートショーを開催し、スケートボードをモチーフとした「オーリーキング」など新作を披露した。これは前方画面を見ながら足元のスケボーを操作するレースゲームでチヒロ基板を使用しており、04年出荷予定。「セガネットワーク対戦麻雀MJ 2」と「頭文字Dアーケードステージ・バージョン3」はそれぞれ前作をバージョンアップしたもの。このほかメダルゲーム機「ガチャマンボ」、プライズゲーム機「UFOキャッチャー7マックスエディション」、ホープとセガ・ロジスティクスサービスが開発した高さ調節の出来るエアホッケー「ワンダーホッケー」などを紹介した。セガ社ではプライベートショーを継続して開催しており、次回は「クエスト・オブ・D」を披露する予定。今回の催しは東京のあと大阪で18日、福岡で20日に開かれた。

 6.旭精工は設立35周年を迎えることになった上、安部寛社長が5月に黄綬褒章を受章したのを記念に、社員約400人と技術関係先などを招いて11月15日、東京の帝国ホテルで祝賀パーティーを開いた。安部社長は精密機械に興味を持ち、69年11月に旭精工を設立、74年にドイツのミュラー社と技術提携し、ゲーム機用コインセレクターなどコインメック専業メーカーとして確立、以後さまざまな改良を重ねて、この分野でその技術の高さが世界的にも知られることになった。安部社長はこうした技術開発の功績が認められ、92年に科学技術庁長官賞を受賞しており、今年さらに発明協会の推薦で黄綬褒章を受章したもの。主力の岩槻工場は84年に、新鋭の喜連川工場は98年に設置し、米国ラスベガスにある子会社のアサヒセイコーUSA社も順調に稼動している。パーティーで安部社長は世話になったカール・ミュラー社長などを紹介した。

 7.米国ウォルト・ディズニー社は11月20日、03年9月期決算を発表し、売上高が7%増の27,061百万ドル、営業利益が12%増の3,174百万ドル、純利益が3%増の1,267百万円と伸ばした。しかしパーク&リゾート部門は売上高が1%減の6,412百万ドルで、営業利益は18%減の957百万ドルと後退している。稼ぎ頭はメディア・ネットワークス部門(ABC放送ネットなど)で売上高が12%増の10,941百万ドル、営業利益は23パーセント増の1,213百万ドル、「パイレーツ・オブ・カリビアン」で伸ばしたスチューデオ・エンタテインメント部門(映画、DVDなど)の売上高は10%増の7,364百万ドルで、営業利益は127%増の620百万ドルだった。コンシューマープロダクツ部門(ディズニーストアなど)の売上高は4%減の2,344百万ドルで、営業利益は3%減の384百万ドルにとどまった。

 8.主に米国のメーカーが出展する東南アジアでのAMエキスポはこれまでAAE(エイシャン・アミューズメント・エキスポ)となっていたが、04年分からIAE(IAAPAエイシャン・エキスポ)に改称していることが分かった。03年7月シンガポールで開く予定だった「AAE03」はSARSの流行のためキャンセルとなったが、次回「IAE04」は04年7月シンガポールで開催されることになっている。この展示会で紹介されるのは遊園施設とアトラクション、FEC向けの遊戯施設やゲーム機などで、IAAPAが国際的な市場開拓の一環として力を入れているほか、AAMAも協力しているが、日本のJAMMAなどはほとんど認識もしていない。なおIAE04はシンガポールのテラピン社がショー企画運営の実務を担当する。

 9.シチエの株式が12月1日付けで東証1部に指定替えとなることが、11月20日に発表となった。シチエの株式は99年7月に店頭登録され、00年12月から東証2部に上場されている。また02年2月に店頭登録となったイオン・ファンタージーの株式は、11月20日から東証2部上場となった。


 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。