2003年4月15日号

Last updated on April 9, 2003

特報

 米国ASI03でセガ、ナムコ、サミー、プレイモアの米国子会社4社が出展し、タイトー、コナミの製品がベトソン社から展示された。

 久多良木SCE社長が、ソニーの取締役から取締役兼執行役員副社長に昇格した。

海外

 米国ASIの登録入場者数が前年より多かったと事務局が発表したが、これに対する批判が出ている。
 
 ルーマニアの「ドラキュラパーク」は建設予定地を変更する見通しとなった。

国内

 ラウンドワンは不動産を売却して、有利子負債を大幅に減らすとともに、増収増益の業績見通しを発表した。

 イオンファンタジーは直営店の増設を進め、大幅な増収増益を継続している。


2003年4月15日号のニュースダイジェスト

写真は米国ASI2003のベトソン社の小間で、上はタイトーの「バトルギア3」(右)とベトソン社が組み立てているミッドウェー社の「アークチックサンダー」アップライト(左)。このアップライトと同サイズで、セガ社は「ウェーブランナー」を出品、出荷している。下はコナミの「ウォーゼイド」(ワールドコンバット)。


10年前の主なニュース

 米国ACMEでHMDを使用するVR8社「バーチャルコンバット」が紹介され注目された。国際的な「コピーヤーの王」として知られる、パオロ・ディヌーノ氏のエレクトロニク・デバイス社(本社ミラノ)がイタリア警察によって摘発された。セガ社のTVゲーム開発など由来を読み物風にまとめた「セガ・ゲームの王国」が講談社から発行された。エイブルが設立20周年記念パーティーを開いた。中外アソシエーツがプレビに改称した。(1993年4月15日号)。

20年前の主なニュース

 レーガン米国大統領が集会で「TVゲームは若者に役立つ」と演説し、注目された。AMOAは、82年をピークにTVゲームビジネスは後退しつつあるとの調査結果を出した。セガ社は、「フロッガー」などのコピー品販売により法的手続きを受けていた九娯貿易が謝罪したため和解した。遊技機賭博の排除などを掲げるNAO第3回通常総会で、役員の定数増など定款が改正された。データイーストが研究所ビルを完成させた。(1983年4月15日号)。

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【ニユースダイジェスト】


 1.米国春のAM機器展、ASI2003(3月25−27日、ラスベガス)で日本メーカーの子会社4社が出展、2社の製品がディストリビューターの小間で紹介された。うち今回初出展はプレイモアの子会社のSNKネオジオUSA社で、「メタルスラッグ4」と「マチュメリー」(新豪傑寺一族・闘婚)を展示した。これまで出展してきたセガ・アミューズメント社は「F−Zero AC」、「バーチャコップ」など、ナムコ・アメリカ社は「タイムクライシス3」、ガエルコ社「トーキョーコップ」など、サミーUSA社は「トロフィーハンティング」と「アトミスウェーブ」本体とゲームソフトなどを、それぞれ出品した。コナミは昨年9月のAMOAエキスポを最後に出展していない。その代わりに、昨年11月以来タイトー製品を扱っている大手ディストリビューターのベトソン社が、今回からコナミ製品も扱いだした。日本製以外では、ICE社が出品した「スペシャルフォース」、シャッフルアレー社「プロボウル」、カナダのトリオテック社「バリスティック」の大型画面版、オーストリアのTAB社「バーチャルピンボール」などが注目された。IT社はASIに出展していない。

 2.米国コナミは業務用販売から撤退、大手ディストリビューターのベトソン社を北米での総販売代理店に指定したことを4月7日に発表した。コナミが米国で業務用製品の販売を開始したのは米国コナミがシカゴに進出した1984年12月以来だが、02年9月に撤退し、代理店を指定することにしたものの指定先はまだ決まっていなかった。ベトソン社では当面「ウォーゼイド」(ワールドコンバット)を5月から販売するとともに、コナミ業務用のパーツサービスも行なうことになった。一方、95年に米国業務用と家庭用から撤退したタイトーは昨年秋から業務用の海外販売に力を入れており、米国ではベトソン社を代理店として「バトルギア3」の販売を進めている。なおASI2003には169社(前回161社)が571小間(553小間)に出展、4,689人(4,009人)が登録入場したほか、隣接するナイトクラブ&バーショーからフリーで1,071人が入場したと事務局が発表したが、実際にASIを訪れたのはもっと少ないとの批判が出ており、主催しているAAMAへの風当たりは以前に増して厳しいものになった。

 3.ソニーは3月31日、久多良木健取締役が4月1日付けで取締役兼執行役員副社長に就任することになったと発表した。同社の機構改革と経営陣の移動に伴うもので、社内カンパニー組織を再編し、四つのネットワークカンパニーと三つのビジネスグループでソニーを構成することになった。これに伴いソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)社長兼CEOの久多良木健氏は、ソニーの取締役兼執行役員副社長として、これまでのゲームビジネスグループ担当に加えブロードバンドネットワークカンパニー担当を兼任することになった。うちブロードバンドネットワークカンパニーというのは、「次世代に向けたエレクトロニクス機器とゲーム機器との一層の連携を推進する」ものとされており、これまで以上に「プレイステーションBB」を含めたブロードバンドコンテンツに重点を置くと考えられている。SCEは「PS2」の普及で業績を伸ばしており、久多良木氏のソニーでの地位も一段と上がったことになる。

 4.ラウンドワンは3月31日、同日付で6営業所の不動産を信託受益の形で不動産賃貸業のマイボールに譲渡、02年3月末で約171億円あった有利子負債を約100億円減らし、約70億円に圧縮したことを明らかにした。物件は泉北店、加古川店、横浜戸塚店、富士店、京都河原町店、三宮駅前店の不動産で、簿価7,484百万円に対し6,935百万円で譲渡した。これとともに03年3月期の業績も上方修正した。単独の売上高28,000百万円(昨年11月の前回予想では27,100百万円)、経常利益7,500百万円(6,950百万円)、当期利益3,900百万円(4,020百万円)と、前年比でも大幅な増収黒字回復を見込んでいる。また04年3月期についても売上高310億円、経常利益95億円、当期利益55億円と大幅増収増益の見通しを明らかにした。

 5.イオンファンタジーは4月7日、03年2月期単独決算を発表、店舗増による大幅な増収増益を示した。売上高は前年比16.9%増の20,279百万円、経常利益は30.5%増の1,968百万円、当期利益は54.8%増の1,083百万円だった。店舗は年間に直営20店を増やし、直営154店とフランチャイズ16店の計170店になった。売上高の93%は遊戯機械によるもので、それ以外は商品販売が5.7%、業者への委託収入0.6%など。同社はイオングループが77%所有するグループ子会社で、イオングループの店舗に付属する形で室内遊戯場を展開しており、04年3月期でも新たに直営30店を増やす計画だ。04年2月期についても売上高238億円、経常利益2,380百万円、当期利益1,270百万円と大幅な増収増益を見込んでいる。

 6.テクモは4月1日、03年3月期連結業績を下方修正。売上高は10,490百万円(昨年5月の前回予想では12,390百万円)、経常利益は1,720百万円(2,370百万円)、最終利益は1,000百万円(1,470百万円)の見込みとした。同社によると、家庭用ゲームソフトのうち既発売の「DOAエクストリーム・ビーチバレーボール」などXbox用タイトルが米欧で順調だったものの、下半期投入予定の2タイトルの仕上がりを見て、発売を次期に延期したため。ゲーム場運営については子会社のテクモエイトに移行したため費用が増加した。このため前年比で減収減益は避けられないと見ている。同社では02年3月期にXbox用「DOAアライブ3」のヒットで伸ばしたが、5年間の推移で見れば着実に増益になっていると説明している。

 7.コカコーラ社などスポンサーも付いたルーマニアのテーマパーク「ドラキュラパーク」建設をめぐって、当初の建設予定地は首都から遠すぎるとして、立地面から再検討が行なわれていることが分かった。計画を実施に移す前に国際的な監査法人、プリンスウォーターハウスクーパー(PWC)社に調べてもらったところ、首都のブカレストの150km以内なら年間100万人以上が訪れることが見込めるが、首都から275kmも離れている僻地のシギショワラではせいぜい60万人しか見込めないことが分かった。このためルーマニア観光担当大臣は、調査結果に即して建設地を変更することにしたと今年1月末に明らかにした。当初建設を予定されていたシギショワラの住民は、当然ながら調査結果に対する怒りをあらわにした。PWC社は最適の建設地を5月までに答申するとしている。


 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。