2002年7月15日号

Last updated on July 15, 2002

特報

 今年のAMショーには54社が852小間に出展することになり、展示会場を3ホールから2.5ホール分に減らすことになった。

 IAAPAの常勤会長、ブレット・ラブジョイ氏が勤務1年3ヶ月で退任した。

海外

 米国のスティーブ・ウィン氏は、新規株式売り出しのため資金計画書を提出した。

 来春米国のASIとNC&Bは同時開催となるが、来場者の便宜を図る予定だ。

国内

 タイトーは業務用TVゲーム機に接続するネットワークシステムを導入すると発表した。

 セガ社は「バーチャストライカー2002」、「MJ」を披露する新作展を開催した。


2002年7月15日号のニュースダイジェスト

7月上旬のセガ社プライベートショー(大阪会場)で「ダービーオーナーズクラブ」に代わる大型商品、4人打ち麻雀の「MJ」のようす。上の写真は全体、下の写真はプレイヤー部分のようす。

10年前の主なニュース

 香港の税関は、カプコンの告訴により、「ストリートファイターU」のコピー基板を販売していたワーヤン社など11社を家宅捜査し、業者ら7名を逮捕、コピー基板510枚を押収した。同様にタイトーの告訴で韓国・ソウル警察は、「ハットトリックヒーロー」のコピー基板を輸出していた2社を家宅捜査し、1名逮捕、基板179枚を押収した。米国アタリゲームズ社はアタリ社設立20周年を記念して、フランスのカンヌでディストリビューター会合を開催した。(1992年7月15日号)。

20年前の主なニュース

 ナムコの申請に基づき東京地裁は、ジャクソンら3社に対して「ディグダグ」のコピー品「ジグザグ」を販売してはならないとする仮処分を決定、コピー品を仮差押さえした。またセガ社の申請で甲府地裁は、太東商亊に対して「フロッガー」のコピー品「ジャンプバグ」など販売禁止の仮処分を決定した。米国ADMAはAGMAに改称した。アイレムは「ムーンパトロール」を米国ウィリアムズ社に製造許諾した。(1982年7月15日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1.今年のAMショー(9月19‐21日、東京ビッグサイト)には前年並みの54社(前回55社)が、9.5%減の852小間(941小間)に出展することになった。大きく小間を減らしたのはコナミの60小間(125小間)、アルゼの50小間(100小間)、セガ社の100小間(145小間)。ただしセガ社など4社によるプライズコラボレーションが新規で100小間出展する。大手メーカーではナムコが80小間(85小間)、タイトーが50小間(50小間)とほぼ前回並み。前回出展していないが今回出展するのはカプコン(10小間)など8社。前回出展して今回出展しないのはトーゴなど9社。全体の展示規模が約1割減となったため、ビッグサイトで使用する面積はこれまでの3ホール分から約2.5ホール分へと縮小することになった。

 2.遊園地関係の国際的な業者団体、IAAPAは6月28日、ブレット・ラブジョイ会長の退任を発表した。執行委員会は、元議長のクラーク・ロビンソン氏を暫定的会長に指名し、同氏は直ちに会長業務を引き継いだ。IAAPAは組織が巨大化してきたため、98年以来会員から選ばれるトップ役員を議長と、また常勤の事務局責任者を会長と役職名を改称している。22年勤務してきた前任者ジョン・グラフ氏が01年12月に引退したことに伴い、慎重な選考手続きを経て、01年3月にラブジョイ氏が常勤会長に採用されていた。ラブジョイ氏の退任理由は個人的なものとされているが、期待に反してわずか1年3ヶ月間の勤務となった。ロビンソン氏は60歳。大学生だった1968年からIAAPAショーを訪れていたほどの熱心な業者で、81年に会長(現在なら議長)を務めたことがある。

 3.アルゼが47.5%出資している米国バルビノ・ラモーレ社は6月17日、新株公募売り出しの計画書を証券取引委員会に提出した。それによるとラスベガスに建設するカジノホテル「ラ・レーブ」の建設費用1,375百万ドルを含む2,499百万ドルの事業を計画しており、年内に行なわれる新株売出しで355百万ないし408百万ドルを調達するとのこと。計画推進の主役であるスティーブ・ウィン氏は、ウィンリゾーツ社の名前で計画を発表しており、社債発行を含めた細かい資金計画も明らかにした。「ラ・レーブ」は48階建てで、2,701の客室と18店のレストラン、小売店、コンベンション施設、ゴルフコースなどを持つ予定。ウィン氏は巨大カジノホテルの開発を手がけてきたが、180億ドルのベラージォ、150億ドルのベネシアンを超えるカジノホテル建設・運営になることは確実とされている。

 4.サミーがパチスロ機「仮面ライダーズV3」によりアルゼの特許を侵害したとして、約15億円の損害賠償を求めてアルゼが00年2月に訴訟を起こしていたが、東京地裁は6月25日、アルゼの訴えを全面的に退ける判決を言い渡した。この特許はアルゼによると「前段判定方式」と呼ばれるパチスロ機に関する基本特許だが、パテントプールを行なう遊技機特許連盟に許諾していた。判決では遊技機特許連盟への許諾は有効で、これに加盟するサミーは特許を侵害していないとの判断を示した。アルゼは、パテントプール契約が独禁法違反であり、契約は解除されているはずだとしており、別に訴訟を起こしたことも明らかにしている。なおこれとは別に、遊技機特許連盟が「記者会見で業務を中傷された」と主張して、アルゼと岡田和生社長に損害賠償などを求めた訴訟で、東京地裁は01年8月に200万円の支払を命じる判決を下し、アルゼが控訴していたが、東京高裁は6月26日、アルゼの控訴を全面的に認める判決を下し、特許連盟の訴えを退けた。

 5.タイトーは6月28日、業務用TVゲーム機に接続するネットワークシステム「NESY」(ネット・エントリー・システム=略称ネシス)を開発したと発表した。年内発売予定のCGドライブゲーム機「バトルギア3」に導入する予定で、同システム利用のゲーム機を順次増やしていく方針だ。「ネシス」はインターネット経由で専用サーバーに接続し、それぞれのプレイヤーのデータが蓄積され、全プレイヤーの情報をリアルタイムでゲーム画面に反映させるもの。これまではゲーム終了後に示されるパスワードを使って登録していたが、「ネシス」では車のキーを模したメモリー装置を使い、簡単にサーバーにデータを送ることができる。プレイヤーはキーを差込んでから、エンジンをかけることになる。

 6.セガ社は6月に続いて7月5日、東京で新作展を開催し(大阪は8日)、ゲームキューブに基づくシステム基板「トライフォース」を使った最初のゲームソフト、「バーチャストライカー2002」と4人打ちTV麻雀ゲームの「MJ」を披露した。「バーチャストライカー2002」は、選手のスタミナ消費などの要素が加わったCGサッカーゲームで、今年2月発売の家庭用ゲームキューブ用ゲームソフト「バーチャストライカー3 ver.2002」を元に最新データ版としたもの。前回画面だけ紹介した4人打ち麻雀ゲームの「MJ」は「ダービーオーナーズクラブ」(DOC)用システムを使用した多人数用ゲームで、「バーチャファイター」で使ったのと同様のネットワークに接続するのが特徴。プレイヤーは磁気カードを使って対戦成績や段位を記録することができる。いずれも参考出品。

 7.警察庁は昨年9月、今年1月に続き3月29日にも風営法の解釈運営基準を改正していたことが分かった。3月の改正点は、8号営業の定義、営業所管理者に関する事項、従業員名簿の記載事項などで、4月1日から施行している。うち8号営業(ゲームセンター等)については、規制される「遊技設備」(2)について「ブラウン管上」を「ブラウン管、液晶等の表示装置上」に書き換えた。同じ文脈にすでにある規定と揃えたもので、それ以上の意味はないと見られる。しかし、ゲーミング機とそうでないAMゲーム機との違いにはまるで気付こうとせず、また遊技機賭博に使用・押収された遊技設備について研究して「ゲーム機の規制のあり方について引き続き検討する」ということがまるで行なわれていないのは注目される。

 8.米国AAMAは来年春の展示会ASI2003で、同時開催となるナイトクラブ&バーエキスポ(NC&B)の主催者オックスフォード出版との話し合いが成立し、NC&Bで入場登録すればASIにそのまま入場でき、ASIで登録しておればNC&B登録時に特別割引が適用されることになった、と7月9日に発表した。二つの展示会は今春同時開催となったが、こうした便宜が図られず、そのため両方の会場前でそれぞれトラブルが起こったことから、何らかの解決策を探るため主催者同士で話し合いが続けられていた。米国の業務用AM機業界はここ10年以上後退してきており、そのため規模も小さくなり、NC&Bのような展示会よりも格が低くなったのを嘆く声も多い。


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