2002年4月1日号

Last updated on March 23, 2002

特報

 警察庁は風営法解釈運用基準で「8号営業」から撤去させる「7号営業」機について、AOUからの質問に回答した。

 東京地裁は、アルゼの商標を無断使用した東プロに損害賠償を命じた。

海外

 ギリシャ政府はロケーションでのあらゆるゲーム機の設置営業を禁止した。

 ドイツのノバ・ゲームズ社は5月にも閉鎖することになった。

国内

 JAMMAは予算案作成を事業計画案に沿ったものにやり直すことになった。

 バンプレストと三菱重工業は映像シミュレーターの試作機を共同開発した。


2002年4月1日号のニュースダイジェスト

AOUエキスポ2002に伴う会費制パーティーで、上の写真は(左から)大興商会の石川忠太社長、ナムコの中村雅哉社長、たつみ娯楽の入江昭造社長(AOU会長)、エムエーエスの松田次雄社長。下の写真はナムコの猿川昭義常務、高木久四郎副社長、セガ社の佐藤秀樹社長、ミッドウェストの中西昭雄社長、セガ社の永井明専務。

ベストヒットゲームズ

 TVゲームソフトウェア1位はセガ社のCG格闘ゲーム「バーチャファイター 4」、完成品タイプではナムコの太鼓叩き音楽ゲーム機「太鼓の達人 2」 。

10年前の主なニュース

 AOUは「8号営業」の許可を得ていないロケーションについても、管理者を常勤させるなどの自主規制を制定した。ナムコのテーマパーク「ワンダーエッグ」がオープンした。米国ミッドウェー社はバリーブランドのフリッパー「アダムスファミリー」を出荷した。英国ブレントレジャー社のデビット・コーレン氏は不正疑惑が発覚し、追放された。(1992年4月1日号)。

20年前の主なニュース

 米国ノースアメリカン・フィリップ社の家庭用「KCマンシュキン」はアタリ社家庭用「パックマン」の著作権を侵害する無断コピー品だ、とする画期的判決を連邦高裁は下した。中国から技術者など10名のAM機視察団が来日し、主な遊園地、遊園施設製造工場などを視察した。JAMMAディストリビューター部会は価格体系の見直しなどメーカー側への申し入れ事項をまとめた。(1982年4月1日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1.警察庁生活安全局が1月22日に風営法「解釈運用基準」を再改正したのに対し、AOUは3月11日付けで質問し、警察庁・生活環境課は翌日回答した。それによると、「8号営業」から撤去させることにした「7号営業」用のパチンコ/パチスロ遊技機というのは、「7号営業」用としての検定の有無、設置歴の有無に関係なくすべて対象となるが、「外観、遊技方法、性能等を改造することによって、射幸心をそそるおそれのある遊技に用いることができないように変更したもの」は対象にはならないとのこと。風営法を巡るさまざまな疑問点に関して、AM業界団体が文書で質問し、警察庁が文書で回答したのはほとんど例がなく、画期的な成果だと評価されている。しかしゲーム場などの現場ではなおどう理解して良いのか分からないという声も多い。

 2.アルゼの「7号営業」用パチスロ遊技機「アステカ」の中古品を、東プロが「アステカ」商標の使用許諾を得ずに改造、「8号営業」用として販売したのは商標権侵害に当たるとして、東京地裁は2月14日、東プロがアルゼに約1,986万円の損害賠償をするよう命じる判決を下した。アルゼが2000年12月に訴えを起こしたもので、訴訟ではアルゼの営業社員の仲介を受けて東プロが中古品を仕入れ改造したことが判明、また東プロは中古品以外に偽造品を仕入れ改造したことも判明した。判決によると東プロは自社キャビネット「ハイパースロット」に組み込み、必要な修理、改造を行ったが、これは異なる商品への改造であり、許諾を受けていない以上商標権侵害に当たるとした。東プロによると01年7月にアルゼから許諾を受けることで合意しており、現在は問題ないとのこと。両社とも控訴しておらず、この判決は確定した。

 3.ギリシャ政府は2月21日、ゲーム場など一般客が入れる場所でのゲーム機の使用を全面禁止した。違法な賭博営業がはびこったためで、特にギャンブル問題に関する国会の委員会議長が違法なスロットマシンで賭博をしているところを撮影されたことから紛糾し、このため政府は閣議であらゆるゲーム機を禁止することを決めたもの。政府決定によると、プールテーブルなどを除くすべてのゲーム機がゲーム場、ホテル、カフェなどすべてのロケーションで使用できなくなる。ギリシャのゲーム機業界団体SEKEPは、政府による不法行為であると反発している。なおギリシャでは政府が許可しているわずかなカジノがあるが、それらは例外とされている。

 4.ドイツのノバ・ゲームズ社(ハンブルグ、レイモンド・ザフト社長)は5月末で閉鎖する、とドイツの遊技機展IMA(1月15‐18日、ニュールンベルグ)で発表した。ドイツのガーゼルマングループではAM機部門としてノバ社を持っていたたが、数年前にザフト氏のツーニング社を買収、そこを拠点にしていた。しかしドイツでは射幸遊技機が市場の大部分を占めているためAM機市場は小さく、このところ縮小傾向にある。ガーゼルマングループのパウル・ガーゼルマン社長も「ノバ社の経営に問題はないが、市場に問題がある」と説明している。

 5.JAMMA第69会理事会(2月20日)は2000年度以来の会費値下げをさらに延長することを決めた。但し正会員会費については今年中に会費基準の改正案をまとめるとしている。2002年度事業計画案は正会員からのアンケートをもとに作られたが、予算案についてはどの事業にどれほどの予算を当てているのか示されていないなどの指摘があり、再提出することになり、予算案作成のための委員長を決めた。任期満了に伴う役員改正について、理事会による一括推薦方式が正副会長から提出されたが、反対意見が大勢を占め、立候補制での選挙を目指すことになった。立候補者数が役員の定数に達しなければ無投票となるが、定数を超えた場合は投票で選任する予定だ。

 6.バンプレストと三菱重工業は2月20日、映像シミュレーター「ガンダム・パイロット・アカデミー」(GPA)の試作機を共同開発したと発表した。「機動戦士ガンダム」のロボット戦をテーマとするもので、ガンダム内のコックピットに乗った気分を味わえるのが特徴。映像は100インチスクリーンにCG画像で示される。座席はライド内に4席あり、うち前の2席には移動ボタンとシューティングボタンが設けられている。6軸電動モーションベースによりライドは前後左右、上下に動く。試作機はAOUエキスポのバンプレスト小間に出品されたが、同社では「あくまで試作機であり、製品化するかは未定。5月のおもちゃショーにも出品し、利用者の評価を得てから方針を決めたい」としている。三菱重工はこれまで数多くの映像シミュレーターを製作してきている。

 7.サミーは3月8日、完全子会社のサミー・アミューズメントと業務を分け合っていた業務用AM機販売とオペレーション部門を整理統合し、業務用販売はサミーが担当、オペレーションはサミー・アミューズメントが担当すると発表した。これまでサミー・アミューズメントはSCロケにレンタルし、サミーは本社で2店を直営してきたが、これらオペレーションはサミー・アミューズメントに統合されることになる。このため5月1日付で簡易分割方式の分社化と統合が実施される。部門統合により業務が完全に区別されるようになるが、連結決算での業績などは変化がないと見られる。

 8.「ゲームマシン」チャートから。TVゲームソフトウェア部門……1位はセガ社のCG格闘ゲーム「バーチャファイター 4」(12回目)、2位はカプコン/バンプレストの「機動戦士ガンダム 連邦vsジオン DX」。 TVゲーム完成品部門……1位はナムコの太鼓叩き音楽ゲーム機「太鼓の達人 2」(10回目)、2位はナムコの「湾岸ミッドナイト」。 TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位は日立ソフトウェア/セガ社の写真シール機「衝撃美写」(5回目)、2位はアトラスの「やまとなでしこ」。


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