2002年3月15日号

Last updated on March 5, 2002

特報

 警察庁は風営法解釈運用基準を再改正し、「8号営業」から「7号営業」機を撤去するよう指示することにした。

 コナミは第3・四半期決算を発表、業績予想をさらに下方修正した。

海外

 米国ICE社は英国クロムプトン社のマネープッシャー事業を買い取った。

 米国家庭用の業者団体、IDSAは国外の無断コピー対策に乗り出した。

国内

 AOUエキスポ02には前年比15.6%減の14,473人が訪れた。

 セガ社とナムコは任天堂「GC」を元に業務用CG基板「トライフォース」を開発することになった。


2002年3月15日号のニュースダイジェスト

AOUエキスポ02で、上の写真はセガ社のCGサッカーゲーム機「ワールドクラブ・チャンピオンフットボール」、下はBLDオリエンタル/バンプレストの乗物兼用ゲーム機「釣っちゃ王」 。

ベストヒットゲームズ

 TVゲームソフトウェア1位はセガ社のCG格闘ゲーム「バーチャファイター4」、完成品タイプではナムコの太鼓叩き音楽ゲーム機「太鼓の達人 2」 。

10年前の主なニュース

 第3回となるAOUエキスポには2日間で延べ約26,600人が訪れたが、うち約4,000人以上が一般プレイヤーと見られている。韓国ソウル警察はカプコン「ストリートファイターU」の無断コピー基板を使用していたオペレーターら18人を著作権侵害で逮捕した。セガ社は台湾にゲーム場運営の子会社セガ・アミューズメント台湾を設立した(1992年3月15日号)。

20年前の主なニュース

 NAOは初のNAOショー(3月1‐2日、パシフィックホテル)を開催、ナムコ「ディグダグ」など新作が多数披露され、延べ6,500人が訪れた。セガ社と松下電器は立体TVゲーム機「サブロック・3D」を発表した。NAO通常総会はギャンブルマシン対策に重点を置く事業計画を承認した。フジコロムが倒産した。(1982年3月15日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1.警察庁生活安全局は1月22日付で風営法「解釈運用基準」をさらに改正したことを2月上旬に明らかにした。01年9月の改正に続くもので、疑義が出てきたものなどを補う形で改正されており、すでに2月1日から実施しているとしている。うち「8号営業」に直接関わるものでは、@「7号営業」用のパチンコ/パチスロ遊技機を「8号営業」で使用させないことにした、Aメダルなど「遊技球等」の数量を含まない会員カードは預り証としないことにした。@についてはパチンコ/パチスロ遊技機を設置運営するには「7号営業」の許可を取得する必要があるとし、「8号営業」で設置している場合には撤去させるか、その他の遊技機に取りかえるよう指導するとのことで、業界に与える影響は大きいと見られる。Aについては前回改正で加えた、遊戯の結果得た得点などを記録した磁気カードは預り証となるとの基準をそのまま残しており、その関係が注目される。

 2.AOUエキスポ(2月22‐23日、幕張メッセ)に2日間で前年比15.6%減の14,473人が訪れた。うち招待された業者らは8.4%減の10,695人、入場料を払ったのは31.0%減の3,778人だった。TVゲーム分野ではセガ社「チャンピオンフットボール」、「メイズ・オブ・ザ・キングス」、ナムコ「ソウルキャリバー2」、「魔斬」、タイトー「ライジンピンポン」、コナミ「ナイススマッシュ!」、アークシステム/サミー「ギルティギア XX」、ノイズファクトリー/メガエンター「メタルスラッグ 4」などが注目されたが、基板タイプがめっきり減った。完成品タイプではプレイヤーの動作をセンサーで感知しゲームに反映させるタイプや、キーボード練習ゲームタイプが増えた。

 3.セガ社とナムコは2月18日、任天堂の家庭用128ビットゲーム機「ゲームキューブ」基板をもとにした業務用CG基板「トライフォース」を任天堂との3社共同で年内にも開発することになったと発表した。セガ社とナムコは01年9月に次世代業務用CG基板の共同開発を含む提携をしており、任天堂の協力を得てそれを実現することになる。「トライフォース」用のゲームソフト開発は2社以外にも広く呼びかける予定。任天堂「ゲームキューブ」はゲームソフト開発が容易にできるよう設計されており「トライフォース」も同様で、開発されたゲームソフトは「ゲームキューブ」用に移植するのも簡単となる。セガ社とナムコは「若年層を対象にしたゲームを開発したい」と説明している。

 4.コナミは2月17日、第3・四半期決算を発表するとともに3月期業績予想をさらに下方修正した。第3・四半期の売上高はコナミスポーツが加わったことから31.8%増の72,883百万円、経常利益は10.8%減の14,583百万円、当期利益は4.4%減の8,080百万円だった。部門別では業務用AM機の売上高が63.6%減の1,627百万円、営業利益が81.6%減の300百万円、ゲーム場運営の売上高が2.1%減の1,088百万円、営業損失が28百万円など。「遊戯王」関係が大きく減収減益となった。02年3月期業績予想は売上高が前年比28.2パーセント増の2,200億円、経常利益が28.8%減の260億円、最終利益が38.1%減の135億円と修正した。

 5.セガ社は2月3日、東京・青海のZepp東京で業務用TVゲーム機「バーチャファイター4」全国ゲーム大会を含むイベント「バーチャファイターカーニバル」を開催、約3,000人のファンが詰め掛けた。ゲーム大会は昨年11月以来全国900店で予選が行われており、これに延べ4万人が参加したとのこと。選出された64人がこの日の決勝大会に臨み、トーナメント方式でのリングネーム「ナポレオン」(山陰エリア代表、24歳)が優勝した。2位は「セガール」(東京1エリア代表、24歳)表彰したセガ社の鈴木裕氏は「久しぶりに業務用ゲームで盛り上がっているのを肌で感じた」と語っている。会場には業務用「バーチャファイター」5作と、家庭用もフリープレイで設置された。

 6.米国ICE社は2月13日、英国クロムプトン社を管財人から買い取ったと発表、クロムプトン社は生き残るになった。クロムプトン社は47年設立で、63年以来マネープッシャーの開発メーカーとなったが82年に一度倒産している。その後クロムプトン・レジャーマシン社として再建されたが、手を広げすぎて01年11月民事再生手続きを申請した。ICE社は「チェックス」などアーケードゲーム機メーカーとして有名で、クロムプトン社とは互いに製品販売代理店となっていた。ICE社傘下に入ったクロムプトン社では、会長にICE社のラルフ・コッポラ社長が就任、クロムプトン社を本来のマネープッシャーの開発製造に特化することになった。

 7.米国家庭用TVゲーム業界団体、IDSAは2月14日、国外で氾濫している無断コピー品による被害が年間数十億ドルに達しているとして、米国政府の協力を求めることにしたと発表した。IDSAによると、著作権が保護され家庭用市場が拡大しているのは北米、西欧、豪州、日本の4地区だけで、その他の百カ国以上にはまともな市場は存在しない。そこでそのうち50カ国ぐらいに的を絞り米国政府が国際的義務として知的所有権保護に乗り出すべきだとしている。具体的にはスペシャル301条の発動を示しながら改善を迫ることになる。特にひどい地域は韓国と中国で、この地域だけで被害額は十億ドル近くなるとしている。

 8.「ゲームマシン」チャートから。TVゲームソフトウェア部門……1位はセガ社のCG格闘ゲーム「バーチャファイター 4」(11回目)、2位はカプコン/バンプレストの「機動戦士ガンダム 連邦vsジオン DX」。 TVゲーム完成品部門……1位はナムコの太鼓叩き音楽ゲーム機「太鼓の達人 2」(9回目)、2位はセガ社の「ダービーオーナーズクラブ U」。 TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位は日立ソフトウェア/セガ社の写真シール機「衝撃美写」(4回目)、2位はアトラスの「やまとなでしこ」。


 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。