2001年6月1日号

Last updated on May 26, 2001

特報

 JAMMAなど3協会の「活性化特別委員会」は中間報告書をまとめた。

 セガ社など3社による、健全化を目指す初の景品新作合同展が開かれた。

海外

 米国チャンスインダストリーズ社はチャプターイレブンを申請した。

 米国ミッドウェーゲーム社の第3・四半期決算は連続赤字となった。

国内

 コナミの決算は「遊戯王」で伸ばしたが、業務用などは大幅に後退した。

 カプコンの3月期決算で業務用は大幅に収益を改善した。


2001年6月1日号のニュースダイジェスト

初の3社合同景品新作展で上の写真は開会を宣言する(左から)システムサービスの佐藤隼夫社長、セガ社の森啓二常務執行役員、エイコーの辻谷博男社長。下は東京会場のうちセガ社のブースのようす。

ベストヒットゲームズ

TVゲームソフトウェア1位はカプコンの「機動戦士ガンダム・連邦vsジオン」、完成品タイプではナムコの「太鼓の達人」。

10年前の主なニュース

 日本ゴルフ振興が700億円投資した、香川県綾歌町の大規模テーマパーク「レオマワールド」がオープンした。セガ社はIBM「PC」対応基板を家庭用「メガドライブ」に組み込んだ「テラドライブ」を出荷すると発表した。AOUは卑猥なシーンの出る麻雀ゲームの自主規制で、大人用ならよいとしていた規定を大人用でもだめとするよう修正した。(1991年6月1日号)。

20年前の主なニュース

 宝塚ファミリーランドは創業70周年を機に、デンマークのチボリ遊園地と姉妹提携した。米国ミッドウェー社はナムコから許諾されている「パックマン」、「ラリーX」についてコピーを米国に輸入していると見られる35社を名指しで国際貿易委員会(ITC)に訴えた。1年後の発行を目指して500円硬貨法が成立した。(1981年6月1日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1.JAMMAなど3協会は「活性化特別委員会」の中間報告書の内容をこのほど明らかにした。昨年9月の3協会幹部懇談会での意見を受けて、手続きなど不明だが11月に発足していたもので、、3月までに7回の会合を開き、「AM産業が取り組むべき課題、直面する問題を洗い出し検討」するとし、「実現の可能性にとらわれず、またあえて性急に結論をまとめることはせず、今後の検討の中で適切な方向性を導き出したい」とした上で、高額景品の問題やマニア向けでない機械開発、風営法による規制、展示会のあり方などについて問題点を列挙した。

 2.セガ社、システムサービス、エイコーの三社は5月15日、初めて合同で新作展示会を開催、東京会場では3社による「トークセッション」も行われた。セガ社の森啓二常務執行役員は「不正商品を排除し健全な景品市場を育成する」契機になると述べた。システムサービスの佐藤隼夫社長は「人気キャラクターの商品がゲーム場で入手できるという状態を維持したい」と述べ、エイコーの上中譲治常務は「コピー品、高額景品の排除が大きな課題だ」と語った。3社はゲーム場で売上高の40%を占める景品について、「物販品より良質のものを開発しようとする企業努力で市場を支えてきている」との認識で一致している。

 3.セガ社は4月19日、証券アナリスト向け構造改革説明会を開催、家庭用では「ゲームキューブ」用ソフト開発も開始したことを明らかにした。AM事業では業務用販売、オペレーションともに効率化を計画。業務用販売では試用販売。予約販売、電子商取引などによりシェア28%を3年後35%に高める。ゲーム場経営は直営店を順次増設、シェア17%を20%に高める。家庭用などのコンテンツ事業でも効率化を推進、海外家庭用子会社を販売に特化する。これらを含め運営子会社を含むセガ社では1,081人体制から700人体制に削減する。

 4.コナミは5月8日に、今年3月期決算を発表。ゲームカード「遊戯王」がさらに伸ばしたことから大幅な増収増益になったが、家庭用、業務用とも後退した。連結売上高のうち、業務用のAMは前年比32%減の17,128百万円、メダルゲーム機とゲーミング機のGMは35%減の8,510百万円、ゲーム場運営のAOは6.8%増の4,810百万円だった。営業利益はAMが25%減の3,901百万円だったが、GMは425百万円の、またAOは176百万円の営業損失だった。家庭用ゲームソフトのCSは売上高が3.4%減の59,175百万円、営業利益が52%減の7,454百万円だった。

 5.カプコンは5月15日に、今年3月期決算を発表。レンタルを含む業務用の売上高は40%増の7,108百万円、営業損失は57百万円(前年は2,027百万円)と増収で損益を改善させた。「カプコンvsSNK」など健闘した。携帯電話用充電器「チャーボ」も予想を上回った。家庭用ゲームソフトは売上高が11%減の31,727百万円で、営業利益は39パーセント減の7,404百万円となった。PS2用「鬼武者」など好調だった。ゲーム場経営やパチンコ用液晶装置などを含むその他事業では売上高が5%減の10,246百万円、営業赤字は1,797百万円となった。ゲーム場は4店開設し、不採算の5店を閉鎖した。

 6.ソニーは4月27日に第4四半期と年間決算を発表。SCEが担当するゲーム部門については第1・四半期の売上高は前年同期比25%増の191,420百万円、営業損失は16,234百万円と、増収に転じたものの5つの四半期連続して赤字になった。年間では売上高が0.9%増の660,916百万円で、営業赤字は51,118百万円に達した。市場では本体が伸ばしたものの、ゲームソフトの売り上げが弱含んだ。営業赤字は「PS2」立ち上げに伴う費用を計上しているためで、今期半ばには黒字に転じると見られている。

 7.米国チャンスインダストリーズ社は4月18日、連邦破産法第11章(チャプターイレブン)の手続きを申請、経営危機を表面化させた。遊園施設メーカーとして世界的に有名なチャンスライド社の親会社だが、ファイナンス会社と結んできた「メーカー責任条項」が最近の市場後退に伴い過酷になってきたため、条項見直しを迫るため申請したもの。発注した遊園地側が代金を支払わない場合、メーカーが引き取って支払うという条項で、昨年12月に発生し、近日中にも発生することになっていた。チャプターイレブンは日本の民事再生と良く似ているが、倒産手続きでないものも含んでいる点ではまったく異なる。

 8.米国ミッドウェーゲームズ社は5月2日、第3・四半期(1―3月)決算を発表、5つの四半期連続しての赤字となった。売上高は前年同期比57%減の2,372万ドル、営業損失は39%増の2,639万ドルだった。部門別では業務用が59%減の1,158万ドル(うち完成品タイプは55%減の1,011万ドル)、家庭用ゲームソフトは55%減の1,213万ドルだった。同社は第3・四半期で、低迷する業務用から次世代家庭用へと開発資源を移転しているが、家庭用も業務用と同じく厳しい状況となっている。

 9.「ゲームマシン」チャートから。TVゲームソフトウェア部門……1位はカプコンの格闘ゲーム「機動戦士ガンダム・連邦vsジオン」(3回目)、2位はカプコンの「ストリートファイターZERO3アッパー」。 TVゲーム完成品部門……1位はナムコの太鼓叩き音楽ゲーム機「太鼓の達人」(4回目)、2位はナムコの「ヴアンパイアナイト」。 TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位は日立ソフトウェアの写真シール機「劇的美写」(4回目)、2位はアトラスの「めちゃキレイ!」。

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