2001年3月15日号

Last updated on March 9, 2001

特報

 AOUエキスポ01の一般を含む来場者は前年に比べ9%減少した。

 ゲームを省略させるメモリーカードは著作権侵害になる、と最高裁が断じた。

海外

 英国ATEI01は登録入場者が過去最高となり、海外からの割合も41パーセントに増加した。

 米国ウォルトディズニー社は第1・四半期でポータルサイト整理損を計上した。

国内

 コナミはカードゲーム「遊戯王」で利益を伸ばした第3・四半期業績を明らかにした。

 サミーが店頭登録から、テクモが東証2部から、それぞれ東証1部に上場した。


2001年3月15日号のニュースダイジェスト

AOUエキスポ2001で、上はセガ社が「バーチャファイター4」映像を紹介したようす。下はタイトーのCGドライブゲーム「スタントタイフーン」展示のようす。

ベストヒットゲームズ

TVゲームソフトウェア1位はタクミ/カプコン「ギガウィング 2」、完成品タイプではセガ社「ダービーオーナーズクラブ2000」。

10年前の主なニュース

 AOUエキスポ91に47社が出展、新作TVゲームなど披露したが、エイトラインタイプのTVスロットマシンも出品され、出展規定の不明確さを改めて示した。東京・渋谷にダイフレックスの複合ゲーム場「ドクタージーカンズ」がオープンした。カプコンはユニカを完全子会社にした。ドイツのノバ社は金子製作所を表彰した(1991年3月15日号)。

20年前の主なニュース

 アタリ社のTVゲーム機「アステロイド」が米国で大ヒットした。新たな遊園地、神戸ポートピアランドがオープンした。遊園施設の安全基準が5年ぶりに一部改正となった。NAOは3月23日の設立総会を前に、大阪、東京など各地で説明会を開催した。遊技用メダルを換金するなどの違法営業の摘発が京都、大阪、福島と続いている(1981年3月15日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1.AOUエキスポ2001(2月23‐24日、千葉)には54社が729小間に出展、2日間で前年比9.0%減の17,148人が訪れた。うち出展社らが購入した招待券によるものは12.4%減の11,090人、無料の会員招待券によるものが33.0%減の546人だった。TVゲーム関係は基板タイプの出展が大幅に減少したが、セガ社、タイトー、ナムコが新作を披露するなど意欲を示した。一方クレジットベット式のTVスロットなどJAMMA基準に合わないものを出す出展社もあった。乗り物機ではホープが多くの新作を披露した。

 2.紹介された未発売の主なTVゲーム機は、SNK「戦国伝承2001」、カプコン「機動戦士ガンダム・連邦vsジオン」、コナミ「スリルドライブ2」、「サイレントスコープ3」、セガ社「ワイルドライダーズ」、「クラブカート」、「バーチャストライカー3」、「犬のおさんぽ」、「スーパーメジャーリーグ」、「ダイナミックゴルフ」、「モンキーボール」、タイトー「スタントタイフーン」、「蒼天龍」、ナムコ「ヴァンパイアナイト」、「ミスタードリラーグレイト」、米国ミッドウェー社「アークティックサンダー」などで、セガ社「バーチャファイター4」はキャラクター画面のみ紹介された。

 3.欧州最大の遊技機展、英国ATE/ICE/ユーロショー01(1月23‐25日、ロンドン)には559社(前年457社)が51,000u(41,000u)に出展し、前年比20.6%増の登録入場者23,121人が訪れた。来場者のうち40.7%にあたる9,179人が英国以外(155カ国)からで、前年に比べ14.4%増加した。ショー運営を担当するATE社は、もっとも国際的な展示会のひとつであることが証明された、としている。このショーは米国IAAPAなどと同様、業者だけが入場できるもので、日本のショーのように一般公開はしていない。

 4.家庭用TVゲームソフト向けにゲーム途中のストーリーを省略させるメモリーカードを販売したのは著作権法上の同一性保持権侵害に当たる、とした高裁判決を支持する最高裁判決が、2月13日に出された。コナミのPS用ゲームソフト「ときめきメモリアル」に対し、スペックコンピュータ梶i本社福岡、永山久社長)が「Xターミネーター」を輸入、552個販売したのを、コナミが著作権侵害で訴えた事件。一審では無断改変が認められなかったが、二審の大阪高裁は無断改変を認めていた。高裁判決はTVゲームを映画とプログラムの複合的著作物とし、最高裁判所もこれを支持した。

 5.店頭登録のサミーと、東証2部のテクモがそれぞれ3月1日、東証1部に上場した。サミーは75年設立のサミー工業を97年に改称したもので、主にパチンコ・パチスロ機で業績を伸ばしているが、業務用AM機分野でも着実に伸ばすなど意欲を示しており、98年にはサミー・アミューズメントサービスを設立している。99年12月の店頭登録から短期間で上場した。一方テクモは64年発足の帝国管財から、テーカンを経て86年に改称したもので、ゲーム場運営と家庭用ゲームソフトが主業務。92年12月に店頭登録、2000年3月に東証2部上場となっていた。

 6.コナミは2月21日、第3・四半期の連結業績を発表。カードゲーム[遊戯王]人気により、売上高55,280百万円、経常利益16,351百万円と好調だった。営業利益は16,544百万円で、うちカードゲームのCP部門が11,712百万円と大いに貢献した。しかし海外販売は全体の14.6%で前年度の19.0%に比べ落ちてきている。コナミはピープルの株式をTOB方式で買い進めた結果、54.6%の株式を約69,044百万円で買いつけた。このための資金を銀行から借り受けたが、新株発行により資金を調達し、借り入れ金を返済する予定。

 7.米国ウォルトデイズニー社は1月29日、ポータルサイト「ゴー・ドットコム」閉鎖を発表、2月6日発表の第1・四半期決算で処理した。このため同四半期ではポータルサイト閉鎖に伴う損失と会計基準変更に伴う損失により、売上高が前年同期比7%増の7,306百万ドルにもかかわらず、純利益は77%減の63百万ドルとなったが、本業はいたって好調なので影響は少ないと投資家は見ている。遊園地・ホテル部門(パーク&リゾート)の売上高は9%増、営業利益は6%増だった。

 8.「ゲームマシン」チャートから。TVゲームソフトウェア部門……1位はタクミ/カプコンのCGシューティングゲーム「ギガウィング 2」(2回目)、2位はセガ社「バーチャストライカー 2バージョン2000」。 TVゲーム完成品部門……1位はセガ社の競走馬育成ゲーム「ダービーオーナーズクラブ2000」(23回目)、2位はセガ社「コンフィデンシャルミッション」。 TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位はオムロンの写真シール機「フラッシュショット」(13回目)、2位はメイクソフトウェア「フォト&シール・クルクル」。

 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。