2001年2月15日号

Last updated on February 10, 2001

特報

 客に家庭用TVゲーム機で遊ばせたのは上映権侵害と、兵庫県警三田署は漫画喫茶を摘発した。

 セガ社は「DC」生産を3月で中止すると正式発表した。

海外

 イタリアの業界団体SAPARは、国会審議中のゲーミング機一掃法案に反対している。

 米国MS社「Xbox」の本体とコントローラーの外観が、冬季CESで発表された。

国内

 ソニーの四半期決算で、ゲーム部門は4回連続して営業赤字になった。

 ユニバーサルスタジオ・ジャパンの開業は3月31日と正式発表された。


2001年2月15日号のニュースダイジェスト

1月31日のセガ社発表会で、上は「DC」生産中止を発表する佐藤秀樹副社長、下は発表会のようす。

ベストヒットゲームズ

TVゲームソフトウェア1位はセガ社「バーチャストライカー2 バージョン2000」、完成品タイプではセガ社「ダービーオーナーズクラブ2000」。

10年前の主なニュース

 データイーストは業務用TVゲーム機にインテルのDVI技術を導入する、と発表した。セガ社は英国大手ディストリビューターのデイスレジャー社を買収することになった。AOUエキスポ91に46社が出展することになった。カプコン「ストリートファイター U」が2月に発売されることになった。(1991年2月15日号)。

20年前の主なニュース

 本紙アンケート調査で1980年のアーケードゲーム機1位はナムコ「パックマン」となった。コナミは英国ATE’81で「スクランブル」を日本より先に紹介、海外市場優先の姿勢を打ち出した。米国バリー社は社長交代により、アトランティックシテイーのパークカジノの営業許可を取得した。関西企業が倒産した(1981年2月15日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1.セガ社は1月31日、TVゲーム機「ドリームキャスト」(DC)の本体製造を3月末で中止すると正式発表した。24日の日経報道を受け、コメントを出すに過ぎなかったが、正式発表ではクリスマスを経て「DC」出荷が計画を大幅に下回ったことから生産中止を決めたとした。約2百万台の在庫処理などで約8百億円の損失が生じるため、大川会長兼社長が持つ有価証券約850億円をセガ社に贈与する。2001年3月期業績予想はさらに下方修正した。

 2.セガ社は「DC」本体生産を中止するが、「DC」用ゲームソフトは2002年3月期で70タイトル以上を今期並みの9百万枚出荷する。さらにSCE「PS2」用にゲームソフト「バーチャファイター4」など供給すべく、SCEと交渉している。また任天堂「GBA」用にもゲームソフトを供給すべく任天堂とも交渉中。「DC」技術はこの他さまざまな形でほかに供給するとのこと。一方業務用と、ゲーム場関係は既定方針をさらに強化する予定。

 3.漫画喫茶で家庭用TVゲーム機を無料で使わせたとして、兵庫県警三田署は著作権侵害(無断上映)として漫画喫茶を12月26日に家宅捜索し、「PS2」など家庭用ゲーム機11台とゲームソフト約400枚を押収、1月31日には経営者ら2名を逮捕した。コナミなど7社が告訴したものだが、家庭用TVゲームが頒布権を持つ映画の著作物かどうかでは現在民事上の争いがあり、3月末にも東京と大阪の高裁で判決が出る予定となっている。コビー品でないだけにこの事件は特異なケースとなっている。

 4.潟ー・エス・ジェイ(USJ)は1月29日、大阪此花区に建設を進めてきたテーマパーク「ユニバーサルスタジオ・ジャパン」を3月31日にオープンすると正式発表した。1月25日には建設工事の竣工式が行われており、3月1日から下旬まで地元住民などを招待するソフトオープンを実施する予定。98年10月の着工以来開業日は「2001年春」としか説明されずのびのびになっていたのは、90年6月にオープンした米国「ユニバーサルスタジオ・フロリダ」がトラブル続きで同10月ごろやっと正常化したという苦い経験があったため、と見られている。

 5.米国マイクロソフト社は冬季CESで家庭用TVゲーム機「Xbox」本体とコントローラーの外観をはじめて公開した。本体の構成はすでに発表ずみだが、外観から見ると本体正面の上部にDVDドライブ、下部に4つのUSBポート、そして中央に電源スイッチとDVDイジェクトボタンがある。裏側は電源、AV、LAN端子などとなっている。しかしながら価格と具体的な発売日は未発表。

 6.イタリア政府が提出したゲーミング機一掃法案に対し、業界団体のSAPARは機関誌「アウトマット」で全面反対を主張しているが、国会を通過するにあたり機関誌の表紙で、アマト首相がギャンブル機を戦車で壊しながら前進している戯画を掲載した。SAPARによると、ギャンブル機がなくなれば8万人の従業員の生活が脅かされる、たかだかAWP機によるわずかな賞金を禁止したところで違法営業はなくならない、とのこと。しかし、ゲーミング機による違法営業が深刻な社会問題を引き起こしているのも事実だ。

 7.ソニーは1月25日、第3・四半期決算を発表したが、ゲーム部門は連続して4つの四半期で営業赤字になった。2000年10‐12月期のゲーム部門の売上高は前年同期比2.1%減の235,219百万円、営業損失は13,926百万円だった(前年同期は約575億円の黒字)。期間中米国と欧州で「PS2」を発売しており、本体の売上高はほぼ前年並みとなったが、ゲームソフト販売が大幅にダウンしており、全体で減収となった。この傾向はまだ続くと見られている。

 8.「ゲームマシン」チャートから。TVゲームソフトウェア部門……1位はセガ社のCGサッカーゲーム「バーチャストライカー 2バージョン2000」(5回目)、2位はカプコン「燃えろ!ジャスティス学園」。 TVゲーム完成品部門……1位はセガ社の競走馬育成ゲーム「ダービーオーナーズクラブ2000」(21回目)、2位はコナミ「ザ・警察官」。 TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位はオムロンの写真シール機「フラッシュショット」(11回目)、2位はメイクソフトウェア「フォト&シール・クルクル」。

 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。