1999年11月1日号

Last updated on October 26, 1999

特報

 家庭用TVゲームソフトの頒布権訴訟で、大阪地裁は法律解釈上頒布権が認められるとしたが、判決で立法上の解決を示唆した。これは業務用TVゲーム機にも影響を与える判決となっている。

海外

 米国AMOAエキスポ99はファンエキスポと併催して盛り上がり、セガ社「バーチャテニス」など新ゲームも結構紹介された。

 セガ・ピンボール社はスターン氏に売却された。

 旭精工の米国子会社は10周年記念パーティーを催した。

国内

 警察白書99年版で警察庁は、風俗営業の「八号営業」に関する記述のほか、少年のたまり場問題としてカラオケボックスなどの対策を検討していると述べている。


1999年11月1日号のニュースダイジェスト

業務用「パックマン」(80年)で7月、6時間かけて全面クリアプレイを達成した米国のビリー・ミッチェル氏(中央右)と、9月中旬日本に招待して記念盾を贈ったナムコの中村雅哉社長

ベストヒットゲームズ

TVゲームソフトウェア1位はセガ社「バーチャストライカー2ver.2000」、完成品タイプではコナミ「サイレントスコープ」。

10年前の主なニュース

日本のJAMMAと米国のAAMAが中心となって、TVゲームの国際的なコピー防止策を協議した。JAMMA理事会は、AOUが警察関係の社団法人となることについて、営業規制強化につながるとして問題にした。AOU理事会は、内部に反対意見があるものの、警察関係社団法人になることを議決した(1989年11月1日号)。

20年前の主なニュース

AMショー開催(10月19-21日)を前に、タイトーは大阪ビルの完成を披露し、セガ社は「モナコGP」を発表した。8月に経営危機を表面化した大手オペレーター会社の潟}ル三商会(神戸市、河合久雄社長)は、河合氏のJAA理事を辞任、レジャックを手放した(1979年11月1日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1. 米国AMOAエキスポ99(9月23-25日、ラスベガス)は、FEC市場向けのファンエキスポ99と隣同士で開催したことから、登録入場者はそれぞれ5,300人、5,000人となり、久しぶりに計一万人以上の業者が詰め掛ける熱気を帯びた展示会となった。この後各地でディストリビューターが「オープンハウス」と呼ぶ展示会を催すので、実質的には日本のAMショー以上となっている。新ゲームは日本のAMショーで紹介されたもの以外に、セガ社「バーチャテニス」、ハナホ/カプコン「マレットマッドネス」、セガピンボール社「ハーレーダビットソン」など結構あった。

 2. 家庭用中古ゲームソフトを巡る訴訟で、大阪地裁は10月7日、ゲームソフトは映画の著作物で頒布権が認められるとし、中古ソフトの販売を禁止した。被告のアクトなどは直ちに控訴するとしている。この判決は、映画の著作物でないとした5月27日の東京地裁判決と正反対の内容となるもので、今後東京と大阪の控訴審での判断が注目される。但し大阪地裁判決は、現行法の解釈に重点を置いたものとし、一般消費者に販売される著作物については立法上の解決がありうることを示唆している。これらは業務用TVゲームの中古販売にも当然影響を及ぼす。

 3. 「警察白書99年版」で、警察庁は例年どおり風俗営業としての「8号営業」(ゲームセンター等)の現状、遊技機賭博事犯の検挙状況などを掲載した。警察庁は、賭博に使用されるゲーミング機と賭博に使用されることのないAMゲーム機とを区別せず、両方とも賭博に使用することができるとの立場を貫いており、ゲーム場は85年以来風俗営業として規制されている。また警察庁は不良行為少年のたまり場を問題にしており、今回はカラオケボックス等の娯楽施設、コンビニエンスストアなどについて、対策を検討している、と述べている。

 4. セガ社の子会社、セガ・ピンボール社(本社シカゴ郊外、ゲアリー・スターン社長)は10月初め、スターン氏に買い取られることになった。フリッパーなどアーケードゲーム機製造は重要だが、セガ社にとっては「コアビジネスではない」という理由で手放した。スターン氏の父、サム・スターン氏はかつてのフリッパーメーカー、スターン社のオーナー社長だった。セガ・ピンボール社は、1986年設立のデータイーストピンボール社を、94年にセガ社が買い取り改称したもの。社名はスターン・ピンボール社となり、フリッパーその他のアーケードゲームの開発、製造を続ける。

 5. フランスの「ディズニーランド・パリ」を経営するユーロディズニー社は9月30日、第二テーマパーク「ディズニースタジオ」を680億円かけて建設、2002年春にオープンすると正式発表した。ユーロディズニー社は92年に欧州初の大規模テーマパーク「ユーロディズニー」をオープン、94年に改称したが、初期投資のため94年9月期までは赤字続きだった。それ以後業績を回復させており、第二パーク建設へと進んだもの。「ディズニースタジオ」は、米国オーランドのディズニーMGMスタジオに似たもので、欧米の映画やアニメ、テレビ番組にちなんだテーマパークとなる。

 6. 旭精工(本社東京、安部寛社長)の米国子会社、アサヒセイコーUSA社(本社ラスベガス、安部一哉社長=旭精工専務)の創立10周年記念パーティーを9月14日、シーザースパレスホテルで開催した。旭精工はコインセレクター、ホッパーなどコインメカニズムの専門メーカーとして69年に設立され、国内2工場があるほか、海外に2子会社を持ち、世界各国に製品を出荷している。米国子会社は当初、支社としてスタートし、業績を伸ばしてきたことから3年前に現地法人となった。米国では主にカジノ機器用コインメックと、都市交通機関でのカードベンダーなど供給している。

 7. ナムコは、同社TVゲーム機「パックマン」(80年)で6時間かけて全面クリアプレイした、米国のビリー・ミッチェル氏を東京ゲームショウ99秋(9月17-19日)の同社小間に招き、記念盾など贈呈した。ミッチェルは7月4日、「パックマン」でこれまでの最高得点を達成しており、公式記録に掲載されることになっている。ミッチェル氏を迎えての行事は、直営店「ワンダーパーク」でも催された。ナムコでは、「パックマン」20周年記念としてプレイステーション用ゲームソフト「パックマンワールド20thアニバーサリー」を11月2日に発売する。

 8. 「ゲームマシン」チャートから。TVゲームソフトウェア部門……1位はセガ社のCGサッカーゲーム「バーチャストライカー 2バージョン2000」(3回目)、2位はナムコ「鉄拳タッグトーナメント」。 TVゲーム完成品部門……1位はコナミのガンゲーム機「サイレントスコープ」(3回目)、2位はセガ社「ブレイブファイアファイターズ」。 TVゲーム機以外のアーゲードゲーム機部門……1位はトーワジャパンの写真シール機「ストリートスナップ」(15回目)、2位はオムロン「透明マジック」。

 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。