1999年9月15日号 Last updated on September 4, 1999
特報
 最高裁はホリ電機の上告を棄却、ホリ電機はSNKに損害賠償金として約1億2千万円を支払うことが確定した。

 コナミは「ビートマニア」特許に基づき、今度はナムコ「ギタージャム」に関する仮処分を申請した。

海外
 セガ社の米国家庭用子会社でストラー社長が退任、毛塚氏が副会長として引き継ぐことになった。

 米国でセガ社「DC」発売を前に、S CEと任天堂は8月23日から本体価格を23%値下げした。

国内
 TVゲームソフト受託開発の潟gーセ(本社京都)が大阪証券取引所2部に上場した。
 セガ社子会社による、VR水族館とレストランを兼ねた施設が岐阜県川島町でオープンした。


1999年9月15日号のニュースダイジェスト
AMショー会場で、電気用品取締法違反にもかかわらず撤去されていないファルガス社の小間(上)、直前に倒産したため空いてしまった新声社の小間(下)
ベストヒットゲームズ
TVゲームソフトウェア1位はセガ社「バーチャストライカー 2バージョン2000」、完成品タイプではコナミ「ドラムマニア」。

10年前の主なニュース
 SNKのTVゲーム「メカナイズドアタック」を無断コピーした韓国コボン社の経営者らを、ソウル市警が著作権侵害で逮捕した。大阪府OP協は「大阪ショー」の剰余金(8百万円)の処分を決めた。米国では比較的人口の少ないモンタナ州などでTVポーカー機が許可され、賭博機解禁の動きが広まっている(1989年9月15日号)。

20年前の主なニュース
 全日本遊園協会(JAA)は第17回AMショーに関し、ゲーミングとAMゲーム機では扱いが異なることから、これまで展示上で区別してきたメダルゲームゾーンを廃止することを決めた。一般公開ではなく、業者のみ入場できることが再確認されている。アイレムはPTシリーズと同型の卓上ライターを記念品として制作した(1979年9月15日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1. ホリ電機がSNKの許諾を得ずSNK家庭用「ネオジオ」用に専用コントローラー(操作盤)を製造販売したため、SNKが訴えていた事件で、最高裁判所第一小法廷は7月8日、ホリ電機の上告を棄却し、原判決が確定した。第一審の大阪地裁は97年7月、ホリ電機が不正競争防止法の商品等表示の混同を生じさせる行為をしたとして、1億2,180万円の損害を賠償するようホリ電機に命じた。ホリ電機の控訴に対し、大阪高裁は98年12月控訴棄却の判決を下した。地裁段階でSNKは当初、ホリ電機製コントローラーの連射機能を問題にし、著作権侵害を主張したが、この主張は認められていない。

 2. ナムコとジャレコが特許庁に無効審判を請求している「ビートマニア」特許をもとに、コナミは8月9日、今度はナムコ「ギタージャム」製造などの差し止めを求める仮処分を申請した。コナミはすでにジャレコ、ナムコを相手に仮処分を申請(うち1件については申請取り下げた)、ジャレコはコナミを相手に仮処分を申請しているが、本訴はまだ提出されていない。無効審判の手続きには2年ほどかかると見られているが、審決の結果無効と審判されると、その特許は出願した時点にまでさかのぼって効力を失うことになっている。

 3. セガ社の米国家庭用子会社、セガ・オブ・アメリカ社(SOA)は9月9日、「ドリームキャスト」(DC)を199ドルで発売するため準備を進めているが、8月11日にバーナード・ストラー社長兼COOが退任、毛塚敏郎会長代理が副会長兼COOとして引き継ぐことになった。8月9日には米国通信大手のAT&T社と提携、「DC」でのインターネット接続にAT&Tワールドネットサービスを優先プロバイダーとすることを、セガ社は発表。「セガドリームキャスト・ネットワーク」として育てていく、とセガ社の大川功会長が発表した矢先だった。

 4. 米国SOA社が家庭用TVゲーム機「ドリームキャスト」(DC)発売する直前の8月16日、米国のSCE社と任天堂はそれぞれ本体価格を8月23日から23%値下げする、と発表した。米国SCEは「プレイステーション」(PS)本体価格を129ドルから99ドルに値下げした。米国任天堂は「ニンテンドウ64」(N64)本体価格を約130ドルから約100ドルに値下げした。いずれも明らかに「DC」発売対策と見られている。本体値下げとともに、ゲームソフトなどの値下げも並行して実施している。

 5. TVゲームソフトの受託開発メーカー、トーセ(本社京都府大山崎町、斎藤茂社長)の株式が8月17日、大阪証券取引所2部と京都証券取引所に上場された。鞄決气Zイコーから分離、79年11月に独立した受託開発メーカーで、当初は業務用TVゲーム専門だったが、83年以降家庭用を手がけている。98年8月期の売上高では業務用が8.6%、家庭用が88.7%、その他2.7%と家庭用が大きい。トーセではメーカーからの委託を受けてゲームソフトを開発、納品するだけで、商品の形で販売しているわけではないので、開発メーカーとして名前が出るわけではない。

 6. セガ社が85%出資し98年10月に設立された第3セクター、潟Iアシスパーク(本社岐阜県川島町、田副康夫社長)は7月17日、川島パーキングエリア内の屋内複合施設「オアシスパーク」をオープンした。その主な施設「フィッシュ・オン・チップス」はセガ社ジョイポリスで紹介されたVR水族館「アクアアリーナ」とレストランを組み合わせたもの。大画面による映像のほか、各客席に15インチのタッチパネルモニターを設置、説明を受けたりできるようにしているのが、「アクアアリーナ」と異なる。

 7. ナムコとコナミは相次いで、業務用カラオケゲーム機を開発していることを発表した。ナムコは日光堂と提携し、「ミリオンヒッツ」を12月にも出荷する。これは音楽に合わせてギターの弦を弾くというもので、同時に2人が演奏できる。コナミは「DAM」を展開する第一興商と提携、「ダンスダンスレボリューション」(DDR)と組み合わせた「DDR−DAM」を11月にも出荷する予定だ。コナミの場合、「DAM」の「カロリーカラオケ」機能を「DDR」で活かせることがでる。

 8. 「ゲームマシン」チャートから。TVゲームソフトウェア部門……1位はセガ社のCGサッカーゲーム「バーチャストライカー 2バージョン2000」(初登場)、2位はSNK「ザ・キング・オブ・ファイターズ99」。 TVゲーム完成品部門……1位はコナミのドラムシミュレーションゲーム機「ドラムマニア」(3回目)、2位はコナミ「サイレントスコープ」。 TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位はメイクソフトウェアの写真シール機「エル」(9回目)、2位はオムロン「透明マジック」。

 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。