1999年7月15日号

Last updated on July 5, 1999

特報

 初のリバーサービス単独展に、業者のみで1千人もが来場。実質上のビジネスショーで、大いに成果を上げた。

 SNKの99年3月期決算は、業務用市場後退により、減収で大幅減益となった。

海外

 米国セガ・ゲームワークス社のロケーションは、米国11店、海外2店にまで増加したが、当初の計画には届いていない。

 スペインで大規模テーマパーク「ムービーワールド」の工事が始まった。

国内

 任天堂の「N64」用ディスクドライブ、「64DD」は99年12月までに出荷開始、9月から予約を受け付けることになった。


 トーワジャパンの倒産に関連し、総合商社ニチメンは100億円の未回収債権を発表した。


1999年7月15日号のニュースダイジェスト

リバーサービスによるAM機器展「アミューズメントエキスポRイン博多」で、上の写真は(左から)高木次長、神宮寺憲人社長、神宮寺マユミ専務、吉村部長、大泊支店長。下は会場のようす。

ベストヒットゲームズ

TVゲームソフトウェア1位はカプコン「ストリートファイターVサードストライク」、完成品タイプではコナミ「ダンスダンスレボリューション・セカンドミックス」。

10年前の主なニュース

 米国連邦地裁は、テンゲン社に対しNES用「テトリス」の販売を禁止する予備的禁止命令を出した。業者だけを対象にする米国夏季コンシューマーエレクトロニクスショー(シカゴ)で、任天堂「NES」が人気を大きくリードした。AMショーはJAMMAが単独で開催することを決めた(1989年7月15日号)。

20年前の主なニュース

 JAAの「インベーダーゲーム自粛宣言」を受け、ダイエー、イトーヨーカ堂など大手SCはインベーダーゲーム機の撤去を開始した。インベーダーゲームブームに伴い市場での100円硬貨が不足したため、大蔵省では100円硬貨を増産していることが分かった。東大五月祭でも主役はインベーダーゲーム機だった(1979年7月15日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1. 潟潟oーサービス(福岡県久留米市、神宮寺憲人社長)は6月8日、福岡市博多区のマリンメッセでAM機器展「アミューズメントエキスポRイン博多」を開催、業者のみ約1,000人が来場し、実質的な商談の場という当初の目的を達成した。出展料は無料、入場料も無料で、これに16社が単独小間で出展、12社がリバーサービスの共同小間に参加した。タイトー「パワーショベルに乗ろう!」、「フリップメイズ」、ケイブ/アトラス「ぐわんげ」などTVゲームの新作も披露され、また米国デベッカ社の音楽ゲーム機「ドラムスケイプ」なども紹介された。来場者は「一般客がいないので見やすい」、「オペレーターには役立つ」など語っていた。

 2. SNKの99年3月期決算で、売上高は前年比6.9%減の33,745百万円、当期利益は47.6%減の508百万円と後退した。同社は株式未公開会社なので、連結決算は作成していない。後退原因は、業務用市場の低迷による。家庭用は大幅に増加した。完全子会社のSNK・オブ・アメリカ社、英国SNKヨーロッパ社、香港SNKエイシア社の合計売上高は9,638百万円、当期利益は43百万円と、海外販売では伸ばしている。

 3. JAMMAの通常総会は5月18日、熱海で開かれたが、中山会長(セガ社)が欠席し、柿原副会長(テクモ)が議長となって進められた。この日、総会前の理事会で上月景彦氏(コナミ)の理事辞任を了承したことなどは、一切総会では説明されていない。会員からの質問に対し、正会員と賛助会員の区別については「理事会で基準を明確にしていく」と柿原副会長は答えた。また、景気後退に伴い「協会には3億円近くもあることから、会費の値下げを理事会で検討したい」と答えている。しかし、これら副会長の答弁は、総会議事録にまったく記載されていない。

 4. AOUは5月14日、東京で通常総会を開催した。同協会は、都道府県のゲーム機オペレーター協会の連合会であり、会員は都道府県の数と同じ47であるが、14会員(協会)が欠席した。来賓の警察庁・生活環境課の安藤薫課長補佐は挨拶の中で、「ゲームセンター内での喫煙、たかりなどの補導事案がいぜんとして毎年1万人を超え、窃盗などの犯罪も8千件以上発生している。さらにゲーム機などを使用した賭場事犯が後を絶たないなど、問題点がいまだに多くある」と指摘、健全化への努力を求めている。毎年AOUの事業計画では、これらの問題解決に向けてどう対応するのか示されていないが、異議なく承認されている。

 5. 任天堂は長らく発売を延期していた「64DD」を12月までに出荷し、9月から予約を受け付ける、と6月11日に発表した。「64DD」は「N64」の下に収まる形で開発されたが、これはすべて新たにスタートする会員制ネットワーク事業「エンターネットサービス」を通じて活用される。このサービスを12月から開始するため、任天堂とリクルートが新会社を設立し、社長にリクルートの田中正則マーケティングシステム事業部長が就任する。「エンターネットサービス」では、「64DD」用のゲームソフトをネットを通じて販売する、デジタルマガジンを発行する、インターネットと電子メールが使える、など有料サービスを提供していく。

 6. 5月21日に破産宣告を受けた潟gーワジャパン(東京都中野区本町、正岡力社長、負債総額200億円)関係で、総合商社のニチメン梶i本社東京、渡利陽社長)の名前が浮上してきた。ニチメンが6月16日に発表したところによると、98年3月以来トーワジャパンから写真シール機を仕入れ、トーワジャパン関連の取引先に販売してきたが、現在トーワジャパンとの間に取引残高はない。しかし別の取引先との間で96年6月以来取引があり、この関係から未回収債権残高約100億円があり、調査中とのこと。トーワジャパンを巡るニチメンの取引関係の全容の解明が待たれている。

 7. セガ社の関連会社、米国セガ・ゲームワークス社のロケーションは今年夏で米国11店、米国以外2店に増えることになった。同社は合弁事業として、「ゲームワークス」を97年3月シアトルに開設して以来、98年夏までに5店開設した。98年夏に販売部門をセガ社に戻した後、再び増設することになったもので、米国以外ではグアムとブラジルに現地資本との合弁で開設することになっている。「ゲームワークス」開設ピッチは当初の予定に届いていない。一方、米国ワーナーブラザーズ社のテーマパーク部門の活動が活発になってきており、3ヶ所目の大規模テーマパーク「ムービーワールド」建設工事がスペインのマドリード郊外で開始された。

 8. 「ゲームマシン」チャートから。TVゲーム・ソフトウェア部門……1位はカプコンの格闘ゲーム「ストリートファイターVサードストライク」(2回目)、2位はセガ社「バーチャストライカー2バージョン99」。 TVゲーム・完成品部門……1位はコナミのダンスシミュレーションゲーム機「ダンスダンスレボリューション・セカンドミックス」(5回目)、2位はジャレコ「ステッピングステージ」。 TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位はメイクソフトウェアの写真シール機「エル」(8回目)、2位はトーワジャパン「ストリートスナップ」。

 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。